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Wings to fly
レビュアー:
まどろみと目覚めの狭間、夢と微笑みの異空間、「うさぎ時間」への招待状。 (祝! #書肆侃侃房15周年 記念読書会 参加書評)
昨夜この本を読みはじめたら、うさぎが私の隣に座っていたのです。なので、ご本の中から少しずつお借りして、Wings to fly版「うさと私」を作ってみました。作品の柔らかな優しさ、可愛らしさやユーモアをちょっとだけでもお伝えできたらと思います。


「いつ来たの?」
「ほら、こんな感じで月の光がさしているとね・・・『つきしい』から」
うさぎの“うさ”と私は夜の散歩に出る。広いフルドド道(うさぎ語:自動車の通る道)は避けて、静かな林の中を歩く。

うさは日記に書いた野原の小さなうさぎのお話をしてくれる。むかしむかしの話。
ある時、なぜかうさぎの頭に小さな角が生えてきました。それは「兎に角(とにかく)」というものでした。どんどん大きく重くなって、しかも痛いのです。うさぎが泣いていると猫が通りかかって「かわいそう」と角をなでました。すると少し痛みが弱まるのです。毎日なでられると角はだんだん小さくなり、ぽろりと取れて可愛いうさぎになりましたとさ。

最後が「とさ」で終わるお話を集めたので、うさはそれを『とさ日記』と呼んでいる。うさは私に「かわいそ虫」がついているから、楽しい話をしてやらねばと思っている。心は、ほんの小さなことでとても暗い谷間に行くから。
「ふみふみしたげる」
そしてふかふかの足で私の足を踏む。急に何かに反応して、うさは狭い横道の奥を指さす。
「むこうに夏がいるよ」 <終わり>



ストーリーはほとんどなく、うさと私の小さなやりとりを積み重ねて作られた一冊です。ふたりの会話は、ふかふかした何かを抱きしめた時のような癒しと微笑みを生み出します。また、「眠り玉」や「ゆめだまり」、「猫のあたため隊」や「野の姫」のお話など、詩や物語が生まれ出そうな小さな繭が方々に転がっているのです。

「わたしの前世はダンゴムシ」と呟きながら丸まってお布団を被り、「こわいひとおことわり」と立札をたてて閉じこもりたい気分になったら、この本を開いてみてください。
うさぎ村では、何か怖いことがあっても意地を張っていると・・・
「そんな時逃げなくてどうするんだ、君にはうさぎ魂がないのか!」
って言われるんだそうですよ。

この本は、ほんわかキュートな異空間、夢と微笑みの“うさぎ時間”への招待状です。
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Wings to fly
Wings to fly さん本が好き!免許皆伝(書評数:862 件)

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この書評へのコメント

  1. 薄荷2017-04-25 08:01

    >「そんな時逃げなくてどうするんだ、君にはうさぎ魂がないのか!」・・・素敵!
    うさぎ魂のある私には、大変心強い言葉です(笑)
    怖いことがあったらバンバン逃げちゃっお~☆⌒(*^∇゜)v

  2. Wings to fly2017-04-25 08:37

    薄荷さん
    うさぎ魂、私にも心強い言葉でしたよ>_<
    反対語ってイノシシ魂かなあ(笑)
    うさぎ魂仲間には、うさぎ時間のこともお伝えしなければ!
    色々あるんだけどね、ひとつはこれ。
    「ときどきこれでいいのかな、と思うけれども、そのうちに、あれ、何悩んでたのかな、と考えるとき。」
    でも幸せなとき。…素敵でしょ(^^)

  3. No Image

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