かもめ通信さん
レビュアー:
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大判絵本の表紙いっぱいに描かれた船が遠い記憶を呼び覚ます?!
大判絵本の表紙いっぱいに描かれた船がとても印象的。
インパクトのある表紙だとは思っていたけれど、
添えられた画家ルーカ・カインミの紹介文を見てハッとした。
そうか!この絵はポスターアートで名をはせた
カッサンドルの作品へのオマージュなのか!
ああ、そうだ。
そう言われてみれば……と、いまさらながら、納得する。
カッサンドルといえば、私はすぐ
沢木耕太郎の『深夜特急』の表紙を思い浮かべてしまうけれど、
そういえば『深夜特急』にも船の表紙の巻があったような……。
それはさておき、『船を見に行く』だ。
イタリアの港町で暮らしている主人公の少年は船を見に行く
時にはパパと二人で
時にはたったひとりで。
ママには内緒だ。
たぶん、バレているとは思うけれど。
働いている人を見に行くわけではない。
ゆっくりといきをしながらねむっている船を見に行く。
いつの日か、自分もまた
あのがんじょうな鉄のうでにだかれて、
この港からとおくの町へ旅立つのだと思いながら
少年は船を見に行く。
硬質な印象を受ける絵だ。
港は寒そうで
少年は少し寂しそうでもある。
けれどもそのタッチは力強く
大きな船はいつか港を出て
大海原へと旅立っていくんだと確信するには十分だ。
そしていつかは少年も……。
少年が船を見に行くのを嫌がるママの気持ちを思って
私の胸はちくりと痛んだ。
※版元がやまねこ翻訳クラブ会員の「きじとら出版」さんということで、
祝#やまねこ20周年記念読書会参加レビューになります。
※おまけ画像はいずれもAmazonからお借りしました。
インパクトのある表紙だとは思っていたけれど、
添えられた画家ルーカ・カインミの紹介文を見てハッとした。
そうか!この絵はポスターアートで名をはせた
カッサンドルの作品へのオマージュなのか!
ああ、そうだ。
そう言われてみれば……と、いまさらながら、納得する。
カッサンドルといえば、私はすぐ
沢木耕太郎の『深夜特急』の表紙を思い浮かべてしまうけれど、
そういえば『深夜特急』にも船の表紙の巻があったような……。
それはさておき、『船を見に行く』だ。
イタリアの港町で暮らしている主人公の少年は船を見に行く
時にはパパと二人で
時にはたったひとりで。
ママには内緒だ。
たぶん、バレているとは思うけれど。
働いている人を見に行くわけではない。
ゆっくりといきをしながらねむっている船を見に行く。
いつの日か、自分もまた
あのがんじょうな鉄のうでにだかれて、
この港からとおくの町へ旅立つのだと思いながら
少年は船を見に行く。
硬質な印象を受ける絵だ。
港は寒そうで
少年は少し寂しそうでもある。
けれどもそのタッチは力強く
大きな船はいつか港を出て
大海原へと旅立っていくんだと確信するには十分だ。
そしていつかは少年も……。
少年が船を見に行くのを嫌がるママの気持ちを思って
私の胸はちくりと痛んだ。
※版元がやまねこ翻訳クラブ会員の「きじとら出版」さんということで、
祝#やまねこ20周年記念読書会参加レビューになります。
※おまけ画像はいずれもAmazonからお借りしました。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:きじとら出版
- ページ数:25
- ISBN:9784908214059
- 発売日:2016年07月11日
- 価格:1728円
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