書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

はにぃさん
はにぃ
レビュアー:
年下夫に貢いだ金額3億円以上⁉愛とはこうも「残酷」なものなのか?
「残酷な天使のテーゼ」や「淋しい熱帯魚」で知られる作詞家の及川眠子さんが、18歳年下のトルコ人元夫に3億円以上費やした顛末記である。

及川さんは、40歳の時訪れたトルコで、23歳の男と知り合った。
当初は、胡散臭い・面倒くさいと思っていたものの、つい欲情に負けてしまう。
その後、日本人の恋人と別れて、遠距離恋愛の末、遠距離結婚をするのである。

そこから著者の「むしりとられる」人生が始まった。
飛行機代や生活費だけでなく、親族の面倒までみる。
絨毯屋を買い取る。
旅行会社を設立する。
ホテルを建設……

元夫は、日本人にはできない過剰な愛情表現と巧みな話術で、どんどんお金を引き出していく。
純情そうな青年が、残酷な天使、残忍な悪党、非道な詐欺師と化して、著者を苦しめるのだ。

13年間の結婚生活が終焉を迎えた時、3億円以上がトルコに消えた上、7000万円の借金まで背負うことになったという。

魔が差したのか?
マインドコントロールだったのか?
どうしてお金を渡してしまうのか?
なぜ?
と誰もが疑問に思うことだろう。
本書で及川さんは、「彼の保護者のような立場になってしまった」「お金の無心があまりにしつこいので折れてしまった」などとおっしゃっているのだが。

「残酷な天使のテーゼ」はカラオケランキングで6年以上ベストテンに入っている異例の大ヒット曲である。
カラオケで1回歌われると作詞家には1円入るというから、相当な収入があることが伺える。
しかし、私やあなたが歌った事による印税が、トルコに流れていたとは……

実際、及川さんは年収が1億円を越えたこともあったという。
そんな資産家の及川さんだからこその出来事ともいえるだろう。
庶民は、ない袖は振れないのだから。

終盤は無関係の私でさえ、もうやめて‼勘弁して‼と心の中で何度も叫んだほどだったので、及川さんの苦しみは相当だっただろう。
しかし全てが終わった現在、吹っ切って新しい道を歩み始め、「話のネタにできる」と笑い飛ばせるくらいになったようで、なんとか安堵して本を閉じた。

元夫は、出会った当初からこういうことを計画していたのだろうか?
いや、結果的に大変なことになってしまったが、当初は二人に真実の愛があったのだと信じたい。
お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
はにぃ
はにぃ さん本が好き!1級(書評数:483 件)

趣味はダンスと読書と食べること。

こちらに復帰してから読書計画が破綻気味です。
図書館の本も、期限内に読めずに返すということが増えてきました。
積読本も減らず。
それなのに読みたい本はどんどん増えていく・・・(´-ω-`)

気が向いたときに出没します。
どうぞよろしくお願いします。

読んで楽しい:16票
参考になる:15票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. 祐太郎2016-12-01 06:55

    実はご近所にトルコ人旦那と日本人妻の家がある・・・

  2. かもめ通信2016-12-01 09:44

    そういえば、その昔、エジプトで日本語ガイドをしている青年が、母娘で旅行していた女性を口説いている場面に遭遇しましたが、端で見ていても母娘共々その青年に夢中になっているのが手に取るようにわかりました。
    お嬢さんの方は日本に帰ってからも青年と連絡を取り合っていて、今度彼が日本に遊びに来るとか言っていたけれど……あれからどうなったんだろうなあ。。。。

  3. はにぃ2016-12-01 22:55

    祐太郎さん そうなんですか。日本に定住されているご夫妻なんですね。
    それならこの本のようにはならない…かも?

  4. はにぃ2016-12-01 22:56

    かもめ姐さん イスラム教徒の女性は結婚前の恋愛に慎重ですから、エジプトの男性も自国の女性とはなかなか遊べず、声をかけやすい日本人女性に目をつけるんでしょうね。
    お金も持ってそうだし(笑)
    それにしてもお母さんも夢中とは!
    そのエジプト人男性は本当に素敵な方で、二人はその後結婚して日本で幸せに暮らしましたとさ。おしまい。
    となってますよ、たぶん・・・

  5. kansas2017-01-06 00:14

    まじっすかー、これ(°_°)。にわかには信じ難い話ですね、しかもテーゼの作詞家なんて、、、

  6. はにぃ2017-01-14 18:13

    kansasさん (遅くなりました(^-^;)
    「残酷な天使のテーゼ」は好きな曲なので、私もびっくりしました。
    どうして?なぜお金だすの?もうやめて!と思いながら読んでいました。
    結構衝撃的な話ですので、興味があったらお手に取ってみてください!

  7. きこ・ペロ・レオ2017-01-20 21:22

    はにぃさんの書評で、俄然読みたくなった私はミーハーなのでしょうね(笑)

  8. はにぃ2017-01-20 23:22

    きこ・ペロ・レオさん 私も雑誌で見て読みたくなったミーハー仲間です(笑)

  9. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『破婚: 18歳年下のトルコ人亭主と過ごした13年間』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ