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yukoさん
yuko
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中宮定子に出会い、華と崇め、尽くした・・・清少納言は「枕草子」をなぜ書いたのでしょうか。
紫式部とライバルとして描かれることの多い清少納言。
源氏物語が大好きなので、あまりいいイメージのなかった清少納言のこの物語を読んで、
紫式部とは全く違うタイプの清少納言について、
なぜ「枕草子」を書いたのか、そして華やかな宮廷で巻き込まれた権力争いについて、など、とても楽しく読むことができました。


その当時権勢をふるっていたた藤原道長は、
帝の御子を産んだ定子、そして定子一族を蹴落とそうと、もともと中宮(=正妻)であった定子がいたにもかかわらず、己の娘、彰子を中宮にし、一条帝は一帝二后という状態になってしまいます。


その二人の妻である、定子に仕えたのが清少納言。
彰子に仕えたのが紫式部。


まだ定子の父、道隆が生きていた時から定子に仕えることになった清少納言。
その栄華を見て、華とはまさにこのような人のことだ!と思うのですが、
あっけなく道隆は亡くなり、その息子、つまり定子の兄である伊周も失脚。
道隆の弟、つまり定子にとっては叔父である道長が権力を握り、定子は後ろ盾をなくし、非常につらい立場に追い込まれていきます。

栄華を極めていた頃から、どんどん転落していく定子にずっと仕え続けた清少納言は、
定子を喜ばせようと「枕草子」を書いたのです。


よく、清少納言と紫式部がライバルであったと言われるのは、一条帝をめぐる二人の正妻である、定子と彰子にそれぞれ仕えていたためだと思うのですが、
ライバル関係であったのは二人、ではなく、その仕えた中宮を巡る権力争いであったはずで、物語の中でも、紫式部に対するライバル意識というものは出てきませんでした。


小説ですので、史実を絡めつつ、こういう気持ちで書いたのであろうな、という内容ではあるのですが、きっとそうであったに違いないと思えて、
紫式部推しだった私も、清少納言って、こんな人だったのかぁととても楽しめました。


いつか枕草子も読んでみなくちゃねー。
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yuko
yuko さん本が好き!1級(書評数:302 件)

仕事のことで鬱状態が続いており全く本が読めなかったのですが、ぼちぼち読めるようになってきました!

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この書評へのコメント

  1. ef2018-03-22 06:25

    そうか、そういう作品だったのか。タイトルからてっきり少女漫画もの、あるいはその辺りの作品かと……(+_+)\バキッ!

  2. かもめ通信2018-03-22 06:58

    枕草子、なかなか面白いですよ。スカッとしますw
    古文を読み慣れていないなら、こういう本で読んでみるのもありかと。

  3. yuko2018-03-22 07:36

    efさん>そのまんまじゃーん(笑)!

  4. yuko2018-03-22 07:40

    かもめ通信さん>ぜひとも読まなくちゃ、と思って…これなら私でもいけるかも!
    探してみます。ありがとうございます(*゚▽゚)ノ

  5. かもめ通信2018-03-22 07:49

    ちなみに清少納言を主人公にした小説なら、
    田辺聖子の「むかし・あけぼの」も面白いですよ。
    長編ですが文庫化かもされているし読みやすいのであっという間に読めると思います。
    機会がありましたら。
    (って、セールストークになっているよね!私w好きなんですよ。平安ものw)

  6. yuko2018-03-22 09:34

    かもめ通信さん>「はなとゆめ」より「むかし・あけぼの」の方が面白い!って人がいたんです!
    探してみますー(*゚▽゚)ノ
    私も平安もの大好き!セールス、大歓迎ー\(^^)/

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