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かもめ通信
レビュアー:
6月23日は独歩忌だと聞いたから、独歩の描いた恋バナを読んでみた。
秋の初めの頃、若い男性が2人連れ立って温泉巡りの旅をしていた。
旅先で片方の物思いに沈みながら男がもう片方に問う。
「君はどう思う、縁とは何ぞやと言われたら?」
すると問われた方の男はたしかこの本に書いてあったっけと
読みさしの本のページをめくる。
「まさか水力電気論の中には説明してあるまいよ。」
と最初に問うた男がいうと“いやあったそうだ思い出したぞ”ともう一方。
「円とは無限に多数なる正多角形とか何とか言ッたッけ。」と、真面目である。

そんな親父ギャグから始まる物語は
実は2人の青年の恋バナではなく
2人が宿を取った旅館を紹介してくれたという
もう1人の男と
旅館ゆかりの娘の恋の話だった。

数年前、男は失恋の痛手を癒やしに訪れた温泉で
給仕してくれた娘を相手にその哀しみをうちあける。
他の中居だったなら、聞き流したであろうその話を
たまたま手伝いにでていた娘は
涙を流して聞いたのだった。

やがて月日は流れ
今や人妻となった娘と男は再会を果たすのだが……

さてさて、誰が誰に恋をして
誰が恋に恋をしたのかは
読んでのお楽しみ……ということに。

それにしても冒頭のギャグは果たして必要だったのか?
そればかりがどうにも気になってしょうが無い。


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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2237 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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