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有坂汀さん
有坂汀
レビュアー:
「現代の魔法使い」の異名を取り、月刊『文藝春秋』(2016年2月号)では「日本を元気にする逸材125人」に選ばれた落合陽一氏の語る若者たちへのメッセージです。彼が見つめている「未来」がよく分りました。
本書は筑波大学助教として学生を指導する一方でメディアアーティストとして国内外で活躍する落合陽一氏による自分より下の若い世代に向けて送った熱いメッセージです。しかし、僕は本書が想定しているような読者層には所属しておらず、若干の後ろめたさを感じながらも、落合氏が見ている「ヴィジョン」を共有でき、大いに感銘を受けました。

個人的に落合氏が前回上梓した『魔法の世紀』(PLANETS)よりもより「一般向け」に書かれており、本書を読んだ後で落合氏にツイッターで
「先日「これセカ」読了させて頂きました。正直なところ「魔法の世紀」よりも「一般向け」なのかなと。」
と話しかけると、落合氏からなんと返事が返ってきて
「はい,まさしく,ありがとうございます!」
とのことで、あぁ、自分の読み方は間違えていなかったのだなと。さらに
「ですので個人的には「これセカ」→「魔法の世紀」の順番に読んだほうが落合さんのおっしゃっていることを寄り深く理解できるのかなと。」
と続けると、落合氏からは
「その通りです!」
とのことでであり、僕は『魔法の世紀』から『これセカ』と読んだのですが、より確実に落合氏のおっしゃるように読むには『魔法―』から『これセカ』のように読んだほうがよろしいかなと。

本書の中で落合氏は中々衝撃的な予言をいくつもされており、一部を抜き出していくとインターネットやコンピュータが人間の生き方に根本的な変革を迫っており、その中でもホワイトカラーの担っていた大半の仕事は、コンピュータに置き換えられていくという話は落合氏に限らず、他の方の著作でも取り上げられておりますが、こうまで論理的に語られると、背筋がぞっとするかたもおおかったのではないのでしょうか?

今まで勉強した知識が一気に役に立たなくなるかも知れない、そんな変化の激しい時代に生き残るこれからの世代の人間が生き残るには
「魔法をかけられる側になってはいけない。魔法をかける人間になれ」
と落合氏は熱く彼らに向かって語りかけるのです。

落合氏はスマホやコンピュータ爆発的な進化を遂げ、それがどのようにして世の中を動かしている落合氏がおっしゃるところの「魔法」の仕組みを理解できず、ただ使っているだけのユーザーの大半は
「魔法をかけられている人」
と断じ、その存在が非常に多くなっていることを憂い、スマホのアプリや、SNSなどテクノロジーを単に「便利」と思って使っているうちは、
「魔法をかけられている人」
にすぎないと、凄いことをずばりと言ってのけており、すごく印象に残っております。

落合氏が語るこれからの時代を生き残るための「発想の転換」や「思考法」についての具体的なことは本書に譲るとして、落合氏の語ることや動向には今後も目が離せません。
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有坂汀
有坂汀 さん本が好き!1級(書評数:2673 件)

有坂汀です。偶然立ち寄ったので始めてみることにしました。ここでは私が現在メインで運営しているブログ『誇りを失った豚は、喰われるしかない。』であげた書評をさらにアレンジしてアップしております。

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この書評へのコメント

  1. 三太郎2016-05-19 05:32

    僕はもう引退間近なのですが、最近はAI(人工知能)やクラウドの技術に興味を感じています。ロボットが発達すると、最初は単純作業がロボット化されるでしょうが、将来は医師などの高給な専門職がロボット化されるだろうと思っています。10年したら世界はすっかり変わっているかも・・・僕自身はまだスマートフォンも持っていませんけど。

  2. 有坂汀2016-05-19 13:18

    >三太郎さま
    コメント有難うございます。
    人工知能やアルリズムの発達によって、少し前まで会社組織で資本と人材を大量に投入しなければ出来なかったことが、極端な話スマホ1台でできるようになってしまった。それが吉と出るか凶と出るかは僕のもわかりませんが…。

  3. No Image

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