かもめ通信さん
レビュアー:
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わずか15ページそこそこの間に、スリルもサスペンスも、謎も謎ときも、愛も嫉妬も、そしてなにより笑い(時には苦笑のこともあるが)をとるオチも、過不足なく盛り込まれている。
いったいどれだけ沢山書いたのだろう。
『ジャック・リッチーのあの手この手』に続いて、またまたジャック・リッチーの短編集がハヤカワのポケット・ミステリから出たという。
しかも前回同様収録されている全作が初邦訳の日本オリジナル短編集だというから驚きだ!
編集を手がけたのは、先頃亡くなられた小鷹信光さん。
収録された25篇の作品を年代に順にならべ、1950年代から10年ごとに、その年代のリッチーの創作活動を紹介する文章が添えられている。
300ページ余りの1冊に25篇が収録されているとなれば、単純に考えても1篇1篇がどれだけ短いかがわかるだろう。
強盗殺人やら復讐劇やらと物騒な話が多い。
すでに遺体が横たわっているところから始まる作品もあれば、動機から始まって殺人に至るまでの話もあるし、1作に複数の死体が登場するものもあり、この1冊でいったいどれだけの人が死んでいるのだ?!と思うほど、とにかくおびただしい数の死体が登場する。
とはいえ、これがまた不思議なことにちっとも凄惨な印象はなく、むしろ妙に面白おかしいのだ。
わずか15ページそこそこの間に、スリルもサスペンスも、謎も謎ときも、愛も嫉妬も、そしてなにより笑い(時には苦笑のこともあるが)をとるオチも、過不足なく盛り込まれている。
短編小説にありがちな「余韻」という名の置いてきぼり感を味あわせられる心配もないので、安心して身をゆだねられる。
久々に再会したカーディラや迷刑事ヘンリー・ターンバックルとの再会も楽しかった。
<ジャック・リッチー関連レビュー>
・クライム・マシン
・カーディラ探偵社
・ジャック・リッチーのあの手この手
『ジャック・リッチーのあの手この手』に続いて、またまたジャック・リッチーの短編集がハヤカワのポケット・ミステリから出たという。
しかも前回同様収録されている全作が初邦訳の日本オリジナル短編集だというから驚きだ!
編集を手がけたのは、先頃亡くなられた小鷹信光さん。
収録された25篇の作品を年代に順にならべ、1950年代から10年ごとに、その年代のリッチーの創作活動を紹介する文章が添えられている。
300ページ余りの1冊に25篇が収録されているとなれば、単純に考えても1篇1篇がどれだけ短いかがわかるだろう。
強盗殺人やら復讐劇やらと物騒な話が多い。
すでに遺体が横たわっているところから始まる作品もあれば、動機から始まって殺人に至るまでの話もあるし、1作に複数の死体が登場するものもあり、この1冊でいったいどれだけの人が死んでいるのだ?!と思うほど、とにかくおびただしい数の死体が登場する。
とはいえ、これがまた不思議なことにちっとも凄惨な印象はなく、むしろ妙に面白おかしいのだ。
わずか15ページそこそこの間に、スリルもサスペンスも、謎も謎ときも、愛も嫉妬も、そしてなにより笑い(時には苦笑のこともあるが)をとるオチも、過不足なく盛り込まれている。
短編小説にありがちな「余韻」という名の置いてきぼり感を味あわせられる心配もないので、安心して身をゆだねられる。
久々に再会したカーディラや迷刑事ヘンリー・ターンバックルとの再会も楽しかった。
<ジャック・リッチー関連レビュー>
・クライム・マシン
・カーディラ探偵社
・ジャック・リッチーのあの手この手
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:早川書房
- ページ数:337
- ISBN:9784150019037
- 発売日:2016年01月08日
- 価格:1836円
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