Kuraraさん
レビュアー:
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パリのリトグラフ工房を舞台に遠明寺美智之輔、乙女心全開!!!
原田マハさんは好きな作家ですが、コメディ系に関しては、
どうも私の中で評価が揺れてしまう状況がずっと続いています。
今回もすごく楽しいのだけれども、途中で息切れしてしまう・・・。
そろそろちょっとキツイかなーと思っていると、ラストに来てまた盛り返す
展開になって、じんわり感動しちゃって。
この止むに止まれぬ流れ、内容は違ってもいつも同じように
起こるのが不思議なくらい。
それはともかく、本作は乙女度全開ですぞ!!
遠明寺美智之輔(おんみょうじみちのすけ)は、政治家の息子。
小さい時から絵を描くことが好きな美大に通うイケメンおぼっちゃま。
そして彼の心は女の子という。
そんな美智之輔は卒業間近、大好きな同級生高瀬君への告白を断念し、
パリの美術学校へ留学する。
憧れのパリでの生活をスタートするも、学校のほうはどうも思っていたものとは違う。
そんな中、カフェでバイトをするようになった美智之輔は、羽生光晴(はぶみはる)
という女性に出会う。
彼女はなんと、美智之輔が愛して止まない超人気小説家だったのだ。
光晴は今、訳があって伝統あるリトグラフ工房idemに匿われているという。
この出会いを皮切りに、美智之輔のパリの生活は、一気に華やぎ、
やがて美智之輔は自分らしく生きる心地よさや、高瀬くんの訪仏により
再び燃え上がる恋心等、後半のドタバタ劇へと向かう。
徹底的な乙女心を実況しているような描写はちょっとすごい。
マハさん、少女マンガも相当読んできたのかしら?
たぶんご本人、ものすごく美智之輔を描くのが楽しかったんじゃないかな。
乙女描写の部分はもう本当に弾んでいる。弾みすぎてどこかに飛んでゆきそうな勢いが!
ダジャレも結構入っているけど、昭和っぽくてこれがまたなんとも(笑)
さて、美智之輔、ビザは切れる寸前だ。
パリに残れるのか?
恋の行方は?
謎の小説家の今後は一体?
ラストに近づくほど問題が山積み。
そこに結局引き込まれ、途中の中だるみ感はすっかり吹っ飛んでしまった。
うーむ。これなんですよねぇ。
途中でもういいわ・・・からの展開がねぇ。
しかし、あんなにドタバタした展開の中にもしっかりリトグラフの素晴らしさや、
工房の雰囲気がきちんと伝わっていたようで、読後、「リトグラフ工房IDEM」
のホームページを見てきたが、小説の中で見た世界そのものであった。
また、東京ステーションギャラリーで開催された
「パリ・リトグラフ工房idemから ―現代アーティスト20人の叫びと囁き」
が、リアルに小説と連動していて、ちょっと鳥肌が立った。
まるで読者も小説の一部に取り込まれたような・・・。
こういう試みってすごいですね!
すでに展覧会は終わってしまったようですが、本を読んでそのまま
この展覧会へ向かえば、きっとどっぷり世界に浸れたんじゃないかと。
原田マハさんは「文字」の世界と「絵」の世界のかけ橋を着々とされているなぁ・・・
と改めて感じました。今後もさまざまな小説から美術の世界を覗かせてもらいたいです。
どうも私の中で評価が揺れてしまう状況がずっと続いています。
今回もすごく楽しいのだけれども、途中で息切れしてしまう・・・。
そろそろちょっとキツイかなーと思っていると、ラストに来てまた盛り返す
展開になって、じんわり感動しちゃって。
この止むに止まれぬ流れ、内容は違ってもいつも同じように
起こるのが不思議なくらい。
それはともかく、本作は乙女度全開ですぞ!!
遠明寺美智之輔(おんみょうじみちのすけ)は、政治家の息子。
小さい時から絵を描くことが好きな美大に通うイケメンおぼっちゃま。
そして彼の心は女の子という。
そんな美智之輔は卒業間近、大好きな同級生高瀬君への告白を断念し、
パリの美術学校へ留学する。
憧れのパリでの生活をスタートするも、学校のほうはどうも思っていたものとは違う。
そんな中、カフェでバイトをするようになった美智之輔は、羽生光晴(はぶみはる)
という女性に出会う。
彼女はなんと、美智之輔が愛して止まない超人気小説家だったのだ。
光晴は今、訳があって伝統あるリトグラフ工房idemに匿われているという。
この出会いを皮切りに、美智之輔のパリの生活は、一気に華やぎ、
やがて美智之輔は自分らしく生きる心地よさや、高瀬くんの訪仏により
再び燃え上がる恋心等、後半のドタバタ劇へと向かう。
徹底的な乙女心を実況しているような描写はちょっとすごい。
マハさん、少女マンガも相当読んできたのかしら?
たぶんご本人、ものすごく美智之輔を描くのが楽しかったんじゃないかな。
乙女描写の部分はもう本当に弾んでいる。弾みすぎてどこかに飛んでゆきそうな勢いが!
ダジャレも結構入っているけど、昭和っぽくてこれがまたなんとも(笑)
さて、美智之輔、ビザは切れる寸前だ。
パリに残れるのか?
恋の行方は?
謎の小説家の今後は一体?
ラストに近づくほど問題が山積み。
そこに結局引き込まれ、途中の中だるみ感はすっかり吹っ飛んでしまった。
うーむ。これなんですよねぇ。
途中でもういいわ・・・からの展開がねぇ。
しかし、あんなにドタバタした展開の中にもしっかりリトグラフの素晴らしさや、
工房の雰囲気がきちんと伝わっていたようで、読後、「リトグラフ工房IDEM」
のホームページを見てきたが、小説の中で見た世界そのものであった。
また、東京ステーションギャラリーで開催された
「パリ・リトグラフ工房idemから ―現代アーティスト20人の叫びと囁き」
が、リアルに小説と連動していて、ちょっと鳥肌が立った。
まるで読者も小説の一部に取り込まれたような・・・。
こういう試みってすごいですね!
すでに展覧会は終わってしまったようですが、本を読んでそのまま
この展覧会へ向かえば、きっとどっぷり世界に浸れたんじゃないかと。
原田マハさんは「文字」の世界と「絵」の世界のかけ橋を着々とされているなぁ・・・
と改めて感じました。今後もさまざまな小説から美術の世界を覗かせてもらいたいです。
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ジャンルを問わず、年間200冊を目標に読書をしています。
「たしかあの人が、あんなことを言っていたな…」というような、うっすら記憶に残る書評を書いていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
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- ページ数:333
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- 価格:1620円
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