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kansasさん
kansas
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包み隠さず、感じていることをそのままエッセイにした。素朴な感性が伝わる作品。
「図書館で暮らしたい」
好きなものはたくさん。


ミステリー作家辻村深月のエッセイ集。作家になる前から、作家になってから、夢中で追いかけてきた小説、漫画、アニメ、音楽、映画、美味しいものなどなど、感じるままに書き綴っているエッセイで、彼女の人間性が垣間見える作品です。


色んな話題に触れているけれども、題名にある通り一番思い入れがあるのは、本であり図書館なんだと思います。一つ一つのエッセイも短くなく長くなく丁度いい。エッセイとしても作家としての面、主婦の面、女性の面など、描く側面がたくさんあり、様々なテーマを扱っている。読んでいても心地良い。個人的には、伊坂幸太郎のエッセイに並んで好きなタイプですね。


以下、ちょっと印象的なエッセイを紹介します。


☆ドッペルゲンガーの本棚
グアムのホテルでの体験。読みたいと思っていた本を持参し忘れていた悲劇に打ちひしがれていた彼女に起きた奇跡。まるで自分の本棚のようなそれが、まさかグアムにあるなんて。


☆図書館肝試し
自分になじみのないよその町の図書館に行くのが、妙に好きだという彼女。その気持ち、分かります。肝試しとは、中身を隠した本を一冊選んで貰って貸すということ。おしゃれな包み紙でプレゼントの様に貸し出される本。こんなイベントがある図書館に行きたい。


☆悩ましいレストラン
仕事場近くのレストランでの話。ある日訪れた時、客が私1人だけ。だからか、厨房ではおしゃべりが止まらない。心臓が痛い話題なのだ。料理は美味しいだけに通い続けるか悩んでしまう。このレストランの人が読んだらヒヤヒヤもんだろう。


☆インタビューの心情
知り合いのライターが取材を途中で打ち切られた。悪いインタビューとは何か?という深いエピソード。


☆なりたい大人
こんな大人って本当にいるの??と思わせる。いやー、こんな大人になりたいですね。


ちなみに、この本が面白い理由は、エッセイ以外にもあります。実は、第1部はエッセイで構成されているのですが、第2部は好きなものについて、第3部は育児生活、第4部は特別収録されたおじいちゃんとおひさまのかおり。第5部、6部は、自作解説と直木賞後の話が収められているんです。


ここまで種類が富んでいるものも珍しいですよね。
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kansas
kansas さん本が好き!1級(書評数:1052 件)

読むことが減ってきました。
モチベーションクラウドを入れる必要がある。

●書評について(2021〜)
・書評内の作者等は敬称略。
・★★★:がっかりはしない。面白さは人によるかも率高し。
・★★★★:結構オススメ
・★★★★★:オススメ

読んで楽しい:6票
参考になる:20票
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