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かもめ通信
レビュアー:
見た目は子ども、頭脳は大人?!その実態は天才科学者のお祖父ちゃん?!やまねこ翻訳クラブ20周年おめでとう! #やまねこ20周年
エリーはそれなりにうまくやってきた。
両親は離婚していて、舞台俳優のパパはいつも旅暮らしだけれど
連絡もくれるし、その愛情を疑ったことはない。

いつも突飛な格好をしてはいるママとは楽しく暮らしているし、
ママの恋人とも関係は悪くない。

小さい頃から親友だと思ってきた友達が
バレーボールに夢中で一緒に遊ぶこともなくなってしまったことは
すごく悲しいことだけれど……。

ある日、ママがやせっぽっちでジジ臭い格好の男の子を連れて帰ってきた。
ママはぴりぴり、彼はぷりぷり
なんだか変だと思ったら
その少年はママと不仲なママのパパ、エリーのおじいちゃんがだったのだ!

天才科学者のおじいちゃんはついに若返りに成功したらしい。

そうしてエリーとママとエリーの従兄を装うおじいちゃんと3人の
奇妙な同居生活が始まったのだ。


実のところこの物語、
おじいちゃんが若返ってしまった!という以外には
さほど大きな事件が起きるわけでもなく、
おじいちゃんの指揮の下
あれこれと練られる“作戦”も案外あっさりとしている。
にもかかわらず、この物語が面白いのは
それまでほとんど交流のなかったお祖父ちゃんとの暮らしの中で
エリーの視界が大きく開けていくところだ。

それは一つのリンゴをめぐっての会話だったり
料理と科学との密接な関係だったりするのだけれど
そうした日常のあれこれが
可能性を広げることや、価値観を見直すことに繋がっていることに、
エリーとおじいちゃんの会話にニヤニヤしながら、
読者も気づいていくのだ。

このおじいちゃん、
かつて“期待を裏切った”ママに今でも不満を持っていて
ママのことをいつまでも子ども扱いしてあれこれと口うるさかったりと
本当に頑固で独善的なところもあるのだけれど
そんな困った欠点も
ユニークな性格も亡くなったおばあちゃんへの想いも
みんなひっくるめて魅力的なので、
ロウジンスキーの皆様にもお勧めしたい1冊だ。
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2238 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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この書評へのコメント

  1. かもめ通信2017-08-07 05:36

    「やまねこ翻訳クラブ」は沢山の翻訳家さんを世に送り出している「翻訳」と「子どもの本」に興味のある人が集まったWEB上のクラブ。
    創立二〇周年を迎える今年は各地でブックフェアやイベントなどが行われる予定だとか。
    詳しくはこちらの特設サイトをどうぞ。
    やまねこ翻訳クラブ https://yamaneko20.jimdo.com/

    本が好き!でも年内にお祝いネット読書会ができたらいいなあ。

  2. かもめ通信2017-08-07 05:52

    この本を読むきっかけになった翻訳者POPはこちら
    https://twitter.com/SUGO_ohanasi/status/883571312794386432

  3. No Image

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