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有坂汀さん
有坂汀
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作家の佐藤優氏と漫画家の西原理恵子画伯の名(迷?)コンビによる、「漫画とコラムで社会を切る」週刊新潮誌連載単行本化第4弾です。一見何の関係もない二人の作品が一つになると、禍々しくも妖しい光を放ちます。
作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏と、破壊的なギャグと叙情的な作風を描き分ける漫画家の西原理恵子画伯による「最凶コンビ」による週刊新潮誌の名物エッセイの単行本化第4弾です。僕も週刊新潮を読むときにはまずこの連載から読むようになり、西原画伯の漫画でゲラゲラ笑い、佐藤氏のコラムで唸らされる「1ページで2度おいしい」つくりは単行本になると漫画とコラムが見開きになっており、一見別々の作品のように見えても一つに交じり合うことによって凄まじい「ケミストリー」が生まれ、禍々しくも妖しい魅力に今回も溢れた一冊となっております。

佐藤氏の文章も自信の外交官時代の経験からこのシリーズでは
「総理大臣にブリーフィングをするように書いている。」
と言う趣旨のことをかつておっしゃっており、佐藤氏の文章の中でもサクサク読むことができ、西原画伯の漫画も持ち前の破壊力に加え、西原画伯の周辺にいらっしゃる「サイバラファミリー」の面々! エロがらみやディープな「オトナのガールズトーク」では中瀬ゆかりさんと岩井志麻子先生がそれぞれ援護射撃を加え、西原画伯の恋人兼主治医兼タニマチ兼包皇兼ゴーストライターの「タカスのかっちゃん」こと高須克弥先生の鋭い見識が漫画に反映されております。

「元祖ブラック企業は、外務省」(佐藤教授)
「割烹着といえば、私だろうが!」(サイバラ教授)。

などなどのことが次から次へと繰り出され、コピーにある
「危険度、Fランク!最凶の教授陣が、マンガとコラムで白熱講義!毒と笑いは、東大以上。」
に偽りはないなと、読み終えてこの文章を書きながら噛み締めております。

本書には13〜15年の時事問題が収録されているのですが、ページをめくっていて
「あぁ、あんなこともあったなぁ。こんなこともあったなぁ。」
と妙な感慨にふけることが多かったのが、それだけ世の中の動きが早くなっている(もしくは僕がそう感じている)ことの証左なのでしょう。

最後に、西原画伯の手によって描かれている表紙などの佐藤氏のイラストが最早「原型」をとどめていないレベルになっており、そういったところも「みどころ」の一つであると、僕は「勝手に」思っております。
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有坂汀
有坂汀 さん本が好き!1級(書評数:2673 件)

有坂汀です。偶然立ち寄ったので始めてみることにしました。ここでは私が現在メインで運営しているブログ『誇りを失った豚は、喰われるしかない。』であげた書評をさらにアレンジしてアップしております。

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