darklyさん
レビュアー:
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本当は死ぬまで終わらない
内容紹介にあるように、昔から、特に昭和時代に働き盛りであり、高度成長期にがむしゃらに働いてきた人が陥る定年後の彷徨についての物語です。
なんかの雑誌で書評を見て、一応同じ業界にいるので読んで見ようと思った次第です。よく取材されているのか私もかつての上司の振る舞いを見て、「申し訳ないけどみっともないなあ」と思うような「OBあるある」的なことが満載でなかなか楽しめました。実際に私の年上の部下にもそういう人がいました。
人間の体は沢山の細胞からできてますが、それはどんどん入れ替わってます。新しい細胞に入れ替えながら一人の人間として維持されています。入れ替えなければ生命を維持することはできません。
会社における人間とは冷たい言い方ながら、この細胞のようなものです。会社という組織を維持していくためには常に新しい人材を入れながら古い人間には出て行ってもらわなければなりません。しかし、問題なのは何も考えない細胞と違い人間には「個」という概念を捨て去ることができません。
結局、この会社(組織)と個の利害衝突というのは永遠のテーマです。SFでよくあるような「種」と「個」の葛藤とよく似ています。
主人公も色々な葛藤を抱えながら、もがいていき、運命を変えてしまう大きな出来事が起こり、それによって妻との関係が変わっていき、また故郷とのかかわりも変わっていくというストーリーです。
以前も新聞連載の小説を読んでまとまり切れていない印象を受けたことがありますが、これも新聞連載小説のようです。そして、私としてはこれもイマイチすっきりしない物語だと感じました。
というのは、主人公が出会う女性との関係はいったいどういうものだったのか、妻との関係はどういうことなのか、経済的な苦境を田舎に帰ったところでどうにもならないだろうにどうするのか、主人公は物語の最期に本人的にはすっきりとした感じで終わってますが、私は何もすっきりしませんでした。
確かに仕事は人生で最も長く重要なイベントかもしれませんが、あくまで人生の一部であり、仕事が終わったら「終わった人」という考えは違和感があります。人生は人生であり、死ぬときに終わるだけだと思います。
なんかの雑誌で書評を見て、一応同じ業界にいるので読んで見ようと思った次第です。よく取材されているのか私もかつての上司の振る舞いを見て、「申し訳ないけどみっともないなあ」と思うような「OBあるある」的なことが満載でなかなか楽しめました。実際に私の年上の部下にもそういう人がいました。
人間の体は沢山の細胞からできてますが、それはどんどん入れ替わってます。新しい細胞に入れ替えながら一人の人間として維持されています。入れ替えなければ生命を維持することはできません。
会社における人間とは冷たい言い方ながら、この細胞のようなものです。会社という組織を維持していくためには常に新しい人材を入れながら古い人間には出て行ってもらわなければなりません。しかし、問題なのは何も考えない細胞と違い人間には「個」という概念を捨て去ることができません。
結局、この会社(組織)と個の利害衝突というのは永遠のテーマです。SFでよくあるような「種」と「個」の葛藤とよく似ています。
主人公も色々な葛藤を抱えながら、もがいていき、運命を変えてしまう大きな出来事が起こり、それによって妻との関係が変わっていき、また故郷とのかかわりも変わっていくというストーリーです。
以前も新聞連載の小説を読んでまとまり切れていない印象を受けたことがありますが、これも新聞連載小説のようです。そして、私としてはこれもイマイチすっきりしない物語だと感じました。
というのは、主人公が出会う女性との関係はいったいどういうものだったのか、妻との関係はどういうことなのか、経済的な苦境を田舎に帰ったところでどうにもならないだろうにどうするのか、主人公は物語の最期に本人的にはすっきりとした感じで終わってますが、私は何もすっきりしませんでした。
確かに仕事は人生で最も長く重要なイベントかもしれませんが、あくまで人生の一部であり、仕事が終わったら「終わった人」という考えは違和感があります。人生は人生であり、死ぬときに終わるだけだと思います。
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昔からずっと本は読み続けてます。フィクション・ノンフィクション問わず、あまりこだわりなく読んでます。フィクションはSF・ホラー・ファンタジーが比較的多いです。あと科学・数学・思想的な本を好みます。
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- 出版社:講談社
- ページ数:378
- ISBN:9784062197359
- 発売日:2015年09月17日
- 価格:1728円
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