たけぞうさん
レビュアー:
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久しぶりに壁投げしたくなりました。
辻村深月さんは非常に人気があり、三冊ほど読んでいます。
それぞれ、凡庸な学生もの、ぎとぎとなガールズもの、オタクものでした。
作風の振れ幅が大きく、どれが辻村さんらしい作品なのかつかみ損ねていますが、
この作品でますます分からなくなりました。
読ませる文章力があるので読了は容易なのですが、それにしても
趣味の合わない作品でした。
考えの少し足りない人に、次々と予期せぬことが降りかかることで、
読む方にもどかしさや憐れみ、同情を抱かせます。
考えてみると、これは作者お得意のパターンの一つかもしれません。
先に読んだ三冊とも共通点を感じる部分がありますし。
それにしてもこの作品はあまりにも演出過多で、やり過ぎ感にあふれた
くどさを味わいました。
読むのを途中で止めるのは自分の性格的に難しいので、後半をわーっと
一気読みにして強制終了しました。じっくりと味わわず、とにかく先に進んで
筋を追う読み方です。たまに使う手です。
これから辻村さんを同情系作家と整理しようか、そんな風に思いました。
栗原家と一人息子の朝斗君。幼稚園の年長です。
第一章は、朝斗君の巻き込まれた事件により、モンスターペアレントに
からまれるお話です。自分たちの考えることは100%正しく、意見の違う相手は
向こうが100%間違っているという、とても狭い考え方の人たちです。
たしかにこういう傾向の人はいますが、それにしても極端すぎて嫌な気分に
なります。
なんだかなあと思いながら頑張って40ページほど進んだところで、
新たな展開が待ち受けます。
それがこの作品の本編であり、救いようのない最悪のクズ女が出てくるのです。
それをクズっぽくなく書けてしまう文章力を恨みがましく思います。
詭弁にまんまとはめられて同情が引き出されそうになり、なんちゅうものを
読ませるんだとため息が出てしまいました。
作品の雰囲気は前半の十数ページで分かるといいますが、この作品もまさに
そうなんでしょうね。思い返せば、モンスターがうようよいたのです。
ところでクズ女はというと、あろうことか朝斗の秘密をたてにゆすりを
かけてきたのです。しかし栗原家にとっては、それは秘密でもなんでもない
ことが知らされます。そのことでクズ女の馬鹿さ加減が浮き彫りになるのです。
この展開はどうなるんだといろいろ思わせぶりにしながら話は進んでいきます。
それを、何だか可哀想に書けてしまうあたりが、悪魔的ではあるのですが。
第二章は良かったのですよ。
不妊治療の夫婦の考え方が、暗い中でもどこか救いがあって。
問題は第一章と三章です。読書はできる限りストライクゾーンを広くしたいと
は思っているのですが、これはいくならんでも受け止めきれません。
辻村作品には、こういう頭の弱い系が登場することがあります。
とても楽しんだ作品もあるだけに、この手の趣味に合わなさすぎる系統は
回避したいです、本当。
それぞれ、凡庸な学生もの、ぎとぎとなガールズもの、オタクものでした。
作風の振れ幅が大きく、どれが辻村さんらしい作品なのかつかみ損ねていますが、
この作品でますます分からなくなりました。
読ませる文章力があるので読了は容易なのですが、それにしても
趣味の合わない作品でした。
考えの少し足りない人に、次々と予期せぬことが降りかかることで、
読む方にもどかしさや憐れみ、同情を抱かせます。
考えてみると、これは作者お得意のパターンの一つかもしれません。
先に読んだ三冊とも共通点を感じる部分がありますし。
それにしてもこの作品はあまりにも演出過多で、やり過ぎ感にあふれた
くどさを味わいました。
読むのを途中で止めるのは自分の性格的に難しいので、後半をわーっと
一気読みにして強制終了しました。じっくりと味わわず、とにかく先に進んで
筋を追う読み方です。たまに使う手です。
これから辻村さんを同情系作家と整理しようか、そんな風に思いました。
栗原家と一人息子の朝斗君。幼稚園の年長です。
第一章は、朝斗君の巻き込まれた事件により、モンスターペアレントに
からまれるお話です。自分たちの考えることは100%正しく、意見の違う相手は
向こうが100%間違っているという、とても狭い考え方の人たちです。
たしかにこういう傾向の人はいますが、それにしても極端すぎて嫌な気分に
なります。
なんだかなあと思いながら頑張って40ページほど進んだところで、
新たな展開が待ち受けます。
それがこの作品の本編であり、救いようのない最悪のクズ女が出てくるのです。
それをクズっぽくなく書けてしまう文章力を恨みがましく思います。
詭弁にまんまとはめられて同情が引き出されそうになり、なんちゅうものを
読ませるんだとため息が出てしまいました。
作品の雰囲気は前半の十数ページで分かるといいますが、この作品もまさに
そうなんでしょうね。思い返せば、モンスターがうようよいたのです。
ところでクズ女はというと、あろうことか朝斗の秘密をたてにゆすりを
かけてきたのです。しかし栗原家にとっては、それは秘密でもなんでもない
ことが知らされます。そのことでクズ女の馬鹿さ加減が浮き彫りになるのです。
この展開はどうなるんだといろいろ思わせぶりにしながら話は進んでいきます。
それを、何だか可哀想に書けてしまうあたりが、悪魔的ではあるのですが。
第二章は良かったのですよ。
不妊治療の夫婦の考え方が、暗い中でもどこか救いがあって。
問題は第一章と三章です。読書はできる限りストライクゾーンを広くしたいと
は思っているのですが、これはいくならんでも受け止めきれません。
辻村作品には、こういう頭の弱い系が登場することがあります。
とても楽しんだ作品もあるだけに、この手の趣味に合わなさすぎる系統は
回避したいです、本当。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
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- 出版社:文藝春秋
- ページ数:346
- ISBN:9784163902739
- 発売日:2015年06月15日
- 価格:1620円
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