本書は、そのようなお客様を作っているために何が必要かを、「売場」、「接客」、「ツール」、「イベント」、「チーム」の5つの観点から、分かりやすく解説している。書かれていることは実に明快だ。要は、どのようにしたら、お客様にその店のファンになっていただけるかということと、そのために行った活動については、きちんと振り返って評価し、よりよい活動に繋げていくということだろう。本書の内容は、お店に関することが多いが、実は色々な分野にも応用できるのではないかと思う。
本書の内容をヒントに、ひとつ練習問題を考えてみよう。この本を献本していただいたサイト「本が好き!」にはレビュアーが居つかないという大きな問題がある。登録者数は増えても、アクティブなレビュアーの数は、昔からそれほど変わっていないのではないか。それでは、レビュアーを顧客に見立てて、10年レビュアーを育てるにはどうしたらいいのだろう。もちろん、このサイトはお店ではないので、本書のすべてが応用できる訳ではない。しかし、考え方としては取り入れられるものも多いと思う。
例えば、<「10年通ってもらうために、どんな活動を届ける必要があるのか?」を丁寧に考えて、活動の一工夫を増やしていく>(p021)とある。これをレビュアーに当てはめれば、目的は、質の良いレビューをずっと書き続けてもらうということだから、例えば以下のようなものはどうだろうか。
・悪平等的な抽選ではなく、レビュアーのモチベーションを上げるために、もっと指名献本率を上げる。
・活動が停滞しているレビュアーも含め、もっともその本のレビュアーにふさわしい人に、指名献本の打診をする。
・科学書月間やミステリー月間といったお祭りを仕掛ける。
・サイト側から、お勧めの本を紹介するコーナーを作り、そこにレビュアーの書いた書評がリンクできるようにする。
・著者との交流をもっと活発にするための仕掛けをつくる。
・各レビュアーのある節目(例えば長文書評○○件、ポイント○○点等)で、献本逆指名権を与えたり、読書グッズをプレゼントしたりする。
また<お店前の演出で、お店の中のことを知ってもらう>(p026)については、「他の類似のサイトとの差異化をもっと明確にPRできるような工夫をする」というように捉えて、以下のような「本が好き!」の特徴を訴求できるような見せ方をするということだろう。
・献本がもらえる。
・会員間のコミュニケーションが図れる。
・書評を書くことにより、本の内容をより深く理解する訓練になる。
・本格書評から、かなりの変化球まで、色々なタイプの書評が揃っている。
・図書新聞などにも自分の書評が掲載される場合がある。
本を読むというのは、結局はこういうことなのだ。それは決して、著者のご高説をありがたく拝聴し、ちょっと賢くなった気になって満足したり、単に感想を述べて決意表明したりするというようなことではない。書かれていることをヒントに、自分の身の回りの問題に適用して考えてみるという事が重要なのである。そうやってこそ、本の知識が本当に自分のものとなるし、自分で考えるという習慣が身につくのだ。さあ、みなさん(当然「本が好き!」の中の人も)もいっしょに、考えてみようではないか。
昨年は2月に腎盂炎、6月に全身発疹と散々な1年でした。幸いどちらも、現在は完治しておりますが、皆様も健康にはお気をつけください。
- この書評の得票合計:
- 57票
| 読んで楽しい: | 17票 | |
|---|---|---|
| 素晴らしい洞察: | 14票 |
|
| 参考になる: | 24票 | |
| 共感した: | 2票 |
この書評へのコメント
- 風竜胆2015-09-17 11:09
なぜか、この書評思いのほか受けて、「壇蜜祭り」に迫る勢いですw
ここでの私への献本に対する書評では、一番人気になりました。
投票していただいた皆様、ありがとうございます。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。
2019-12-09 17:52(コメントは消去されました。)
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2019-12-09 17:52(コメントは消去されました。)
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2019-12-09 17:52(コメントは消去されました。)
クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。- 風竜胆2015-12-26 13:14
>ちょわ
誰がメッセージを送ったって。よくそんないい加減なことが言えるものだ。ツイッターで人の中傷をしているのを見つけたから、それをやめるようにツイッターでリプライ(メッセージではなく、オープンなツイートとして)を返しただけで、中傷された方の当然の権利だと思うが。それともおたくは、誰かが公開のネットで自分の中傷をしていたら、ごもっともとありがたく承るのか。100%悪いのは中傷をした方だというのは小学生でもわかる理屈。
普通なら見つかったら潔く謝るのが筋だと思うが、あの開き直った対応は人間として許せない。
言っておくが、私は自分のほうから、他人に対して中傷したことは一度もない。
なお、ここは人を誹謗中傷するのは規約違反なのだが、それもわからないでケンカをしかけてくるとは呆れる限り。
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2019-12-09 17:53(コメントは消去されました。)
クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。- 風竜胆2015-12-26 18:02
>ちょわ
間違ったことを根拠のないままに決めつけて言うのが誹謗中傷だとわからないのか?あちこちで聞いたといっても、どうせムラの何人かが言っていただけ(それもおそらく出所は想像がつくが)だと思うが? また聞きだというところに、すでに正当性がなくなっていることが分からいのかな?なんなら誰と誰かを挙げてみる。嘘つきだということで、直々に抗議するけど。それに、嘘つきが言っていることになんて、全く私には責任が持てない。
そうして、悪意を持って、どんどんと話をつくりこんでいくのはやめたほうがいいだろう。あの件に対しては、既に何度も書いているし、本人も暴言だったと一応は認めていたはずだ(そのことは掲示板のどこかに本人の書き込みが残っている)。それを確かめもせず、どっちが本当かわからないようなことを言うのは、単に自分が間違っていることを認めたくないだけ。
その他の件にしても、思うところがあれば意見をいうのは当然の権利。端的に言えば、こういったろくに書評も書かない連中が井戸端会議でわいわいやるのではなく、きちんと書評を書いている人にインセンティブが働くように提言したにすぎない。
>そのじつさん
失礼しました。私も相手をしたくないのですが、もう来るなというのにしつこくケンカを売ってくるものですから。ただ、今まではだいぶ遠慮と我慢をしていましたが、これからはケンカを売られたら倍返しにすることにいたしました。もちろん、こちらから仕掛けることはありませんが。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。
2019-12-09 17:53(コメントは消去されました。)
クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。- 風竜胆2015-12-26 21:36
もう来るなと言っているのにまた来る。いったいどんな精神構造をしているのやら・・・
>読んだ皆様がそれぞれご判断くださることと思います
まさに、自分の言うことに自信が無くなってきた者が言いそうな最後っ屁の典型。誹謗中傷、風評をさんざんふりまいて、自分が正しいと思い込んでいるということか。
しかし、このコメント欄、投稿者が削除する機能が必要だろう。それがあればいちいち相手をする必要もないので。その旨サイト側に連絡しておくか。誹謗中傷の件も併せて。
もうひとつ。人の記事を荒らすからには、それが自分に返ってくるという覚悟はできているんだろうから、次がもしあれば、あちらの方に書くことにしよう。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - 風竜胆2019-12-11 15:50
>くにたちきちさん
これは、大分前の書評ですが、私としては、本の読み方の一例を示したつもりです。このサイトがライブドアのやっていたプロジェクト時代から参加している私としては、昔参加していた人の名前がどんどんなくなるので、淋しく思っていたころですね。
私自身としては、人の権利を侵さない限り、某国じゃあるまいし、あれを書いてはいけないというものはないと思います。事実と異なる誹謗中傷的なコメントでなければ、私もそう気にはしません。ただ、最近は、面倒臭さが先に立ち、なるべく意見の違う人間の相手をせずに済むような書き方をしているつもりです。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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