かもめ通信さん
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果たしてこれは“虚構”なのか“真実”なのか?!どちらでもいいではないか面白ければ?!
作家はもう三日ばかり、紙類が不足しているのにもったいないと思いつつも、書いては破り、また書いては破りを繰り返している。
言いたいことはあるが、言って良いことと悪いことの区別がつかない。
どうも随筆は苦手なのだ。
などとうそぶく。
本棚から『枕草子』と『伊勢物語』を取り出してヒントを得ようとするも上手くいかず、果ては妻の日記を借りようと思い立つ。
当たり前である。
そうした顛末を書き記して、新聞の締め切りに間に合わせるわけだが、果たしてどこまでが“真実”でどこからが“虚構”なのか、あまりにらしい気がする自虐ネタの演出に(騙されたって良いではないか!)という気になって読者は思わずニヤニヤ笑ってしまうのだった。
言いたいことはあるが、言って良いことと悪いことの区別がつかない。
どうも随筆は苦手なのだ。
随筆には虚構は、許されないのであって、などと書きかけて、またあわてて破ったりする。
随筆は小説と違って、作者の言葉も「なま」であるから、よっぽど気を付けて書かない事には、あらぬ隣人をさえ傷つける。決してその人の事を言っているのでは無いのだ。大袈裟な言いかたをすれば、私はいつでも、「人間歴史の実相」を、天に報告しているのだ。私怨では無いのだ。けれども、そう言うとまた、人は笑って私を信じない。
などとうそぶく。
本棚から『枕草子』と『伊勢物語』を取り出してヒントを得ようとするも上手くいかず、果ては妻の日記を借りようと思い立つ。
「おまえ、日記をつけているようだね。ちょっと貸しなさい。」と何気なさそうな口調で言ったのであるが、家の者は、どういうわけだか、がんとして応じない。
当たり前である。
貸さなくても、いいが、それでは僕は、酒を飲まなくてはならぬ。と言ってまた、飲みに出かけて、出かけた先で酔いつぶれる。
そうした顛末を書き記して、新聞の締め切りに間に合わせるわけだが、果たしてどこまでが“真実”でどこからが“虚構”なのか、あまりにらしい気がする自虐ネタの演出に(騙されたって良いではないか!)という気になって読者は思わずニヤニヤ笑ってしまうのだった。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
この書評へのコメント
- かもめ通信2015-06-30 05:59
本日、太宰祭り♪最終日!!
http://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no222/index.html?latest=20
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- 出版社:
- ページ数:6
- ISBN:B009AKL0DW
- 発売日:2012年09月13日
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