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DBさん
DB
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意識を持つ海との対話の話
タイトルとSFってことは知っていたが、どんな話なのかは全く知らなかった。
物語は惑星ソラリスを探査中の宇宙ステーションへ主人公のクリスが到着するシーンで始まります。
恒星ではなく惑星にソラリスと名付けているのに何か意味があるのかはわからないが、クリスは宇宙ステーションについたものの誰も出迎えに来ないことから不審を抱いた。
人気のないステーション内を歩いていて、ようやく一人の男を捕まえることができた。
スナウトという名のサイバネティクス学者はクリスの姿を見て怯えたような様子を見せ、クリスがステーションで何が起きたのか聞きだそうとしてもはっきりした答えを返さない。
スナウトとの会話にいら立ちを募らせるクリスだったが、ようやくクリスの知人だったギバリャンが亡くなったことを聞き出す。

惑星ソラリスは赤と青のふたつの太陽の周りをまわる二重星の惑星だった。
もし本当にそんな惑星に人類が下り立つことがあったら、空と太陽の色はどのように見えるんだろう。
だが地球の学者たちが注目したのはソラリスの海だった。
有機的な形成物であり、一連の変化を見せるプラズマの海が重力ポテンシャルに影響を及ぼしているのだといういかにもSF的な発見がなされたようだ。
宇宙に進出した人類が出会うかもしれないエイリアンはどんな姿をしているにせよ、ヒューマノイド型だろうという前提が打ち砕かれた話だ。
しかも惑星を覆う海が重力や惑星の軌道を操るほどの高度な知能を持つとして、はたしてそのような存在と意思の疎通は可能なのだろうか。

物語の中の世界でも未だ解決を見ていない問題に取り組むため、ソラリスの宇宙ステーションで研究をしていたのがギバリャンとスナウト、そしてサルトリウスという名の学者だった。
だが「何か」が起こって、スナウトは怯えサルトリウスは自分の研究室から出てこない。
そしてスナウトに警告されていた通り、クリスにもその「何か」が起こったのだった。

スナウトが「お客さん」と呼ぶものは対象者の記憶から呼び起こされるらしいことがわかっていく。
その「お客さん」によってある者は狂気の一歩手前まで追い詰めらっれ、または自殺してその状況を終わらせた。
クリスが自分の「お客さん」とどのように向き合っていくのか、そしてソラリスがなぜそのような出来事が起こる場所なのかがわかったようなわからないような。
最後まで何が起こるかわからない物語でした。
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DB
DB さん本が好き!1級(書評数:2052 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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