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DBさん
DB
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伝説と巨石の文化の本
図書館の旅行記の棚に置いてありました。
アイルランドの巨石文化やそれにまつわる伝説を紹介しています。
これを読んでアイルランド旅行の参考になるかといえば謎ですが。
奈良の石舞台にまつわる伝説を読んで奈良観光に行くようなものかと思ったが、読んでケルトに行きたくはなったので間違いでもないかも。

というわけでアイルランドの歴史として『アイルランド来寇の書』が紹介されています。
それによれば、アイルランドに初めてやってきたのはノアの孫娘クェーサルに率いられた一族だったという。
やがて一人を除いて死に絶え、残った一人は魚や鳥に姿を変えて5000年生き延びバルローホンの一族と共にメイヨーに移り住んだが、この一族も疫病で滅びてしまう。
次にやってきたのがフォモール族と呼ばれる巨人を西に追い払ったネヴェズの一族で、その後ネヴェズの一族はアイルランドを離れるがフィル・ヴァルク族となった五人が戻ってアイルランドに5つの王国が誕生する。
その後トゥアハ・デ・ダナーン族がやってくるが、この一族の祖が男神ダグザでようやく知っている名前が出てきた。
その後ミレの一族がやってきてトゥアハ・デ・ダナーン族はこの世で暮らすことができなくなって異界の神となる。

古代アイルランドでは畏怖の念を石で表現したため、巨石遺跡が数多く残っている。
そしてアイルランド五王国にはそれぞれ集会や祭祀を行う丘があり異界への門ともなって伝説語り継がれています。
北部のアルスターの山や丘には多数の神が住んでいるが、やはり有名なのはノックマニーの丘に住む太陽神ダグザだろう。
南部のマンスターでは妖精の丘が三つあり、ミレの息子たちとトゥアハ・デ・ダナーン族の女王バンバが対決したという山もある。
そして西部のコナハトには聖パトリックが異界の最大の敵を打ち破ったクロー・パトリック山や女神メイヴの石塚があるノックナレアの丘が、東部のレンスターには羨道墳がある丘や英雄フィン・マクールの伝承が伝えられるアレンの丘がある。
もちろん川や湖にも無数の神話に結びついた伝説が残っていて、アイルランドが巨石と伝説の土地というのがよくわかる。

ストーンサークルやメンヒルについても紹介してあったが、興味深かったのは聖なる泉で見つかるブランという平らな意思に丸いくぼみをつけて、そのくぼみに水で摩滅した丸井氏を置いたものの話だ。
丸石を回すことで呪いをかけることもできれば癒しの効果もあるとか。
ケルトに行ったら泉で石を回して願いごとをするか、それともゲッシュをかけるか…。
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DB
DB さん本が好き!1級(書評数:2034 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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『ケルト、神々の住む聖地: アイルランドの山々と自然 (アルケミスト双書)』のカテゴリ

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