Yasuhiroさん
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ソフト・シュール、ヒロインの肺に睡蓮が生える、「世界一美しくて切ない恋愛物語」
前回紹介したエルンストの「百頭女」は良く言えばハード・シュール、悪く言えば「悪趣味の極み」、で、お口直しにソフト・シュールの名作ヴィアンの「うたかたの日々」を紹介したいと思います。
こんな文章から物語は始まります。
こんな素敵な文章で始まる物語で、「世界一美しくて切ない恋愛物語」と呼ばれています。確かにコランとクロエ、シックとアリーゼ、ニコラとイジス、三組三様の不思議で美しくて悲しくて残酷でそして無茶苦茶な恋愛模様が語られていくのですが、個人的にはやっぱりシュールレアリスムと呼んで支障ない小説だと思います。
なにしろカクテルピアノは音符からカクテルが作れるし、水道からはうなぎが出てきます。人は無駄に死ぬし殺されます。なにしろ「心臓抜き」なんて道具が出てきます。
そしてこの小説の一番有名なシーンですが、ヒロインの肺に睡蓮が生えます。
更には部屋は変形するし、本屋は燃やされます。貧乏人に落ちぶれた主人公が死んだ妻にしてやれる葬式はとんでもなく悲惨。最後には主人公を気の毒に思ったハツカネズミが自ら猫の口に頭を入れて自殺します。
これをシュールレアリスムと言わずして何と言えばいいでしょう?SF?スラップスティック?はたまた狂人の妄想?
いやいややはりこれはシュールの鉢の中で咲いた美しい一輪の花なんだろうと思います。その花はさすがにラテン系らしい明るさと華やかさと少々の残酷さを兼ね備えた美しさで見る者を魅了します。例えばこんな一文。
ちなみにこの小説、何度か映画化されています。個人的にはオドレイ・トトゥのクロエが好みです。
こんな文章から物語は始まります。
「大切なことは二つだけ。きれいな女の子相手の恋愛。そしてデュ-ク・エリントンの音楽。他のものは消えていい。なぜなら醜いから。」
こんな素敵な文章で始まる物語で、「世界一美しくて切ない恋愛物語」と呼ばれています。確かにコランとクロエ、シックとアリーゼ、ニコラとイジス、三組三様の不思議で美しくて悲しくて残酷でそして無茶苦茶な恋愛模様が語られていくのですが、個人的にはやっぱりシュールレアリスムと呼んで支障ない小説だと思います。
なにしろカクテルピアノは音符からカクテルが作れるし、水道からはうなぎが出てきます。人は無駄に死ぬし殺されます。なにしろ「心臓抜き」なんて道具が出てきます。
そしてこの小説の一番有名なシーンですが、ヒロインの肺に睡蓮が生えます。
更には部屋は変形するし、本屋は燃やされます。貧乏人に落ちぶれた主人公が死んだ妻にしてやれる葬式はとんでもなく悲惨。最後には主人公を気の毒に思ったハツカネズミが自ら猫の口に頭を入れて自殺します。
これをシュールレアリスムと言わずして何と言えばいいでしょう?SF?スラップスティック?はたまた狂人の妄想?
いやいややはりこれはシュールの鉢の中で咲いた美しい一輪の花なんだろうと思います。その花はさすがにラテン系らしい明るさと華やかさと少々の残酷さを兼ね備えた美しさで見る者を魅了します。例えばこんな一文。
「玄関のドアは、裸の肩にキスしたような音を立てて閉まった・・・・・・」
ちなみにこの小説、何度か映画化されています。個人的にはオドレイ・トトゥのクロエが好みです。
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馬鹿馬鹿しくなったので退会しました。2021/10/8
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- 出版社:光文社
- ページ数:388
- ISBN:9784334752200
- 発売日:2011年09月13日
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