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風竜胆さん
風竜胆
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山口弁ネイティブの風竜胆による、初の山口弁でのレビューです。
 牧野信一の「I Am Not A Poet, But I Am A Poet.」。タイトルが横文字じゃからちゅうて、別に英語で書かれちょるんじゃあないいね。みな、日本語じゃけぇね。

 海を見ながら、二人の人物が話りよるんよ。おおかた、片方が作者で、もう片方がその知り合いじゃろうか。その知り合いの方が、あんた文科に通うちょるんじゃから、歌や詩が上手じゃろう。海を眺めながら、歌をつくりあおうちゅうんよ。まず知り合いの方が歌を作って、今度はあんたの番じゃあちゅうんじゃけど、作者の方は、どうにも詩になりそうな気持ちを書き表すことができんみたいなんよ。

<「最後のものを歌ひ度い。」――美しい、と思つた瞬間、悲しいと思つた瞬間、それは俺にとつて「最後のものだ。」それが書ければ文句はないのだが……俺は常にその刹那に出遇つた時、ふとある空虚を感ずる、何といふ悲惨なことだらう……悲しい、と感じた瞬間には、俺は、「余り悲しくない」と思つてしまふ>

 なかなかこの作者、複雑な人みたいじゃねぇ。

 そんなら、その知人の方が、「貴方は芸術家にならむがために文科へ通つてゐらつしやるのでせう。」とか「貴方は詩人じやないのですね。」と作者を責めるんいね。しまいに言うことにゃあ、「私は貴方のやうな非芸術的な――似非詩人とは絶交します。」と言って去って行くんじゃからたまげるいね。じゃけど、こんな勝手で独りよがりな奴、その辺ぎょうさんおるじゃろうね。表題に、”But I Am A Poet.”とあるのは、詩人の心は、あんたなんかにゃあ分からんということじゃろうか。一種の開き直りみたいじゃけど。


※別に、牧野信一とは関係ないのですが、お遊びで、山口弁のレビューを書いてみました。
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風竜胆
風竜胆 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2795 件)

昨年は2月に腎盂炎、6月に全身発疹と散々な1年でした。幸いどちらも、現在は完治しておりますが、皆様も健康にはお気をつけください。

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この書評へのコメント

  1. 風竜胆2014-01-02 08:09

    (注)
    一口に山口弁と言っても、場所によって、微妙な差異があるので、自分たちの話しているのと違うという苦情は受け付けませんw
    山口県以外の暮らしの方が長くなっているため、知らず知らずのうちに、外来語?が入っている可能性がありますww

  2. oyajidon2014-01-02 16:48

    はぁ、宣ないぃねww
    わしゃあ古語広島弁じゃが、たまにゃあしゃべりとぉなるいね。
    正月じゃけー、大目に見てもらおうやぁ。
    昔人間じゃけー、タブレットやらペーパーレスやらがしっくり来んで、紙の本が手放せんで往生しよるよ。

  3. 風竜胆2014-01-02 16:53

    >oyajidonさん
    広島弁と山口弁は、お隣さんじゃからよ~似ちょるいねぇ~。
    じゃけど、山口のもんが聞くと、広島弁はちょっときつう聞こえるいねぇ~。
    わしも、電子書籍はだめじゃぁ。紙の本じゃあないといけんいねぇ~。

  4. 風竜胆2014-01-03 08:31

    誰か、「じぇじぇじぇ」で書評書いてみいねw

  5. Merci2014-01-04 14:22

    あけましておめでとうございます。方言書評いいですねー!!
    私は悲しいことに転勤族一家だったので方言ネイティブ憧れます。
    また山口弁書評楽しみにしています♪

  6. 風竜胆2014-01-04 14:23

    ホンノワに「お国言葉で書く書評」をテーマとして登録しました。我と思わん方は、ぜひチャレンジしてみてください。http://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no170/index.html?latest=20

  7. 風竜胆2014-01-04 14:28

    >Merciさん
    あけましておめでとうございます。
    私の方は、ネイティブといっても、既にかなり怪しくなっていますが、またそのうち、お遊びでいろいろとやってみたいと思います。
    誰か、東北弁とか、関東の「だっぺ書評」などしてくれないかなあ・・・w

  8. 風竜胆2014-01-05 14:38

    実は、「じぇじぇじぇ!」書評にチャレンジしようとしてくじけました。一番の問題は、漢字を使ったときに、あの感じが再現できないこと。でも、ぜんぶ平仮名で書くというのも・・・

  9. 風竜胆2014-01-22 20:01

    意外に受けた山口弁・・・

  10. No Image

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