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はにぃさん
はにぃ
レビュアー:
「本を愛しすぎる」とはどういうことだろうか?稀少古書を盗む男と追う者たち。古書を巡るノンフィクション。
本書は、稀少な古書を数百冊も盗み続けた男と、彼を追う者たちを取材したノンフィクションである。

著者は、あるきっかけからジョン・ギルギーという本泥棒とその男を追う古書店主のことを知り、取材し始める。
このジョン・ギルギーという男が、とんでもない奴なのである。
彼は、読むことが目的で古書を盗むのではない。
古書をコレクションに加え、自分を裕福で学識のある人間に見せたいと願い、人から称賛されることこそが喜びであるという、なんとも自分勝手な男なのである。
そして、カード詐欺など巧妙な手口で古書を盗み、刑務所を出たり入ったりしているにもかかわらず、反省するどころか、自分の犯罪を誇らしげに正当化し、自己陶酔するような最低男なのだ。

「本を愛しすぎる」とはどういうことだろうか
寝食忘れて、読書に没頭する・・・私は、そんなちょっと憧れてしまうような生活を思い浮かべてしまう。
だから、この題名には違和感を覚えるのだ。
「自分を愛しすぎて本泥棒になった男」といった方が、しっくりくると思うのだが。

ただ、何かを集めたいというコレクター魂のようなものは理解できる。
私自身特に何かを集めているわけではないが、アジアン雑貨や絵本など、広い空間と豊富な資金さえあれば、買いまくりたいと願っているからだ。

ある教授が90t(!)にも及ぶ大量の本を購入し、自宅の最大荷重をオーバーしてしまった話や、古書店や古本市の話、古書コレクターの世界など、本に関するエピソードも満載で、本好きといっても様々なのだなと思い知らされた。
世の中には、読むことが目的ではなく、収集することが目的の本もたくさんあるようだ。

それにしても、ここまで古書が高騰し、投機の対象になっているとは驚いた。
稀少な本は個人で所有するのではなく、人類の共通財産としてずっと残しておいて欲しいと思うのだが、それは無理なのだろうか。
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はにぃ
はにぃ さん本が好き!1級(書評数:483 件)

趣味はダンスと読書と食べること。

こちらに復帰してから読書計画が破綻気味です。
図書館の本も、期限内に読めずに返すということが増えてきました。
積読本も減らず。
それなのに読みたい本はどんどん増えていく・・・(´-ω-`)

気が向いたときに出没します。
どうぞよろしくお願いします。

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この書評へのコメント

  1. Wings to fly2014-02-15 12:23

    >「自分を愛しすぎて本泥棒になった男」といった方が、しっくりくると思うのだが。
    はにぃさんスゴイ・・・事の本質をひと言で表現している!
    読後に「やっぱり紙の本は絶対に地上から消え去ることはないだろうなあ。値段は高くなるかもしれないけど。」と思いました。
    そして、希少な本は人類の共有財産ですね。

  2. はにぃ2014-02-15 12:32

    Wings to flyさん 本好きにも色々あるんだなぁと思わされました。
    でも、ギルギーって生い立ちも影響しているんでしょうが、本当に病的ですね。
    本を愛していると言って欲しくないです。

    (今、Wings to flyさんも前に読まれた長編に取り掛かっているところです。
    長い!でも面白い!と夢中です。)

  3. Wings to fly2014-02-15 12:48

    わあ、なんだろなんだろ♪
    書評が楽しみです~~~!!

  4. No Image

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