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DBさん
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スズメの生態を追った本
春から見守っていた職場近くのツバメの巣ですが、無事に巣立っていったらしく巣は空き家になっていました。
前に読んだツバメの本で、ツバメの巣に間違ってスズメの雛を入れちゃったけど無事に巣立っていったという話を読んだ。
ということはスズメも同じくらいに巣作りしているはずだが、ツバメと違って一年中姿は見かけるけど巣を見たことはない。
どんなところに巣をつくるんだろうと思い本著を読んでみました。

日本人にはお馴染みすぎてあまり顧みられることがない鳥がスズメだと思う。
でも鳥に詳しくない人でもスズメだけはわかるというくらい身近な鳥でもある。
その割には人間が近寄るとさっと飛び去ってしまう野生の鳥としての一面も持ち続けているけれど。
そんなスズメについて本著ではその生態や歴史について詳しく見ていっています。
子供向けなのかとてもわかりやすく書いてあった。

よく見かける頬に黒い丸模様が入ったスズメとは別に、森に住んでいる色の薄いニュウナイスズメと、ヨーロッパのほうにいる赤茶色だけど黒い丸模様がないイエスズメがいるそうだ。
それぞれに性格が違うようですが、普通のスズメは2~3センチの尻尾込みで14センチくらいと小ぶりのピーマンくらいの大きさで重さも20~25グラムくらいと片手に収まるくらいだ。
2月くらいにカップリングし、3月に巣作りを、4月に卵を産んで5月に子育てといったスケジュールだそうです。
夏の今頃は大きな群れでねぐらを作りつつせっせと餌を探している頃ですね。

昔は水田が広がっていて、スズメがお米を食べてしまいつつも害虫も退治してくれてといった関係だったようです。
実際にスズメを駆除すると害虫が発生して収穫率が減ってしまうのだとか。
虫専門のツバメのように大事にされたわけでもないけれどね。
舌切り雀の説話も、こんな人間との関係から生まれたらしい。

そんなスズメだが最近は数が減ったとよく言われる。
筆者は本当に数が減ったかの確認と、その理由について検証しています。
やはり建築方法が変わったことで巣を作る場所が減ったことが影響しているらしい。
そして農薬の影響も否定できないだろう。
だがスズメは人の手が入っていない山では生息していないけれど、山を住宅地にするとスズメも進出してくるという生態系を持っているそうです。
まさしくつかず離れずの関係ですね。

慣れれば人にも慣れるみたいで、手に持ったパンみたいな塊を直接ついばんでいくスズメの写真が載っていた。
オープンカフェで大胆にも人が席を立った直後にお皿からケーキの屑をついばむ雀を見かけたことがあります。
我が家のベランダには睨みをきかせてる猫が窓越しにいるからこなさそうだけど。
個人的にはスズメがうるさいくらいに増えてほしいと思う。
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DB さん本が好き!1級(書評数:2027 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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この書評へのコメント

  1. keena071511292019-08-14 21:05

    >個人的にはスズメがうるさいくらいに増えてほしいと思う。

    最近 暑くて窓を開けて寝ている為 
    朝 スズメの鳴き声で目を覚まします 
    目覚ましで起きるよりも良いのですが 
    時間が5時前だったりするのが残念なところです

  2. DB2019-08-14 21:55

    keena07151129さんのところにはキジもいるんですよね。
    鳥の鳴き声が目覚ましとは自然が豊かなんですね。

    まえに旅行した時に、ニワトリや小鳥の合唱で朝賑やかだったのにびっくりしたのを思い出しました。

  3. keena071511292019-08-15 01:48

    “自然が豊か”というより 
    単に田舎なだけですが 
    庭でブヨに噛まれるのは勘弁してほしいです 
    僕がブヨのヤバさを知ったのは大学生の時に 
    授業で山に行った際でした 
    (無防備に噛まれまくって何週間か夜 眠れなかった)
    そんなのがそこら辺にいるのですから 
    まいったものです 

  4. DB2019-08-15 12:27

    虫は確かに嫌ですね。
    祖父母の住む田舎ではブトと呼ばれていましたが、噛まれて腫れあがったことがあります。
    対抗策があるといいですけど、虫除けスプレーは気持ち程度しかかわらなかったような記憶があります。

  5. No Image

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