DBさん
レビュアー:
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新幹線よりも疾走する話
殺し屋三部作の第二作目です。
前作の『グラスホッパー』から数年、闇社会の入れ替わりは激しい。
今回は東北新幹線はやてを舞台にした走る密室サスペンスだ。
だが犯人が誰かと探す推理小説ではなくて誰が生き残るのかというのがテーマかな。
七尾は洗車をすれば雨が降り、町を歩けば誰かにコーヒーをこぼされ、レジの列に並べば彼の前でトラブルが起きて待たされるという不運の星を背負ったような男だ。
それでいて殺し屋というのも向いてない気がするが、土壇場の集中力に長けているようで呼び寄せてしまった最悪のトラブルの中でも生き残れるというのが身上だ。
そんな七尾が仲介業のマリアから受けた今回の依頼は、東京駅から東北新幹線に乗り込み、トランクをひとつ奪って上野で降りるというシンプルなものだった。
しかもトランクは荷物棚においてあるという。
「絶対にうまくいくはずがない」と呪いのように思いこむ七尾の予測通り、指示されたトランクを手に上野で降りようとしたら新幹線に乗り込んで来ようとしていた男が因縁ある相手だった。
「狼」という通り名の男は別件でその新幹線に用があったが、七尾に出合ったのを幸いに過去の恨みを晴らそうと襲い掛かってくる。
それを返り討ちにして首の骨を折ってしまったのももとはといえば新幹線が揺れたせいだった。
死体とトランクを抱えてパニックになった七尾は、マリアに上野で降りれなかった事情を説明する羽目に。
しかもトランクの持ち主だった檸檬と蜜柑という通り名の二人組に追われ、さらには何の因果か毒針を使う殺し屋と死闘を繰り広げる。
同じ新幹線に王子というこれは本名の中学生と木村という名の男が乗り込んでいたが、こちらもなにやら曰くがあるようで。
グラスホッパーで生き残った殺し屋たちも登場しつつ、トラブルがトラブルを呼び込み新幹線のように疾走する話だった。
原作を読む前に映画「ブラッド・トレイン」を見ていて、映画ではわけわかんない部分もあったけど、原作の方がすっきりまとまっていた。
檸檬のトーマスネタはそのままだが、登場人物たちの性別が変えてあったり狙いが違ったりと映画との脚色が違う部分もあったので結局どうなるのかわからず楽しく読めました。
七尾のちょっと情けない部分も含めてブラッド・ピットは名演だった。
引退した伝説の殺し屋も映画のように日本刀を振り回したりはしないが、ハリウッドってどれだけ刀が好きなんだろう。
次は『AX』ですね。
前作の『グラスホッパー』から数年、闇社会の入れ替わりは激しい。
今回は東北新幹線はやてを舞台にした走る密室サスペンスだ。
だが犯人が誰かと探す推理小説ではなくて誰が生き残るのかというのがテーマかな。
七尾は洗車をすれば雨が降り、町を歩けば誰かにコーヒーをこぼされ、レジの列に並べば彼の前でトラブルが起きて待たされるという不運の星を背負ったような男だ。
それでいて殺し屋というのも向いてない気がするが、土壇場の集中力に長けているようで呼び寄せてしまった最悪のトラブルの中でも生き残れるというのが身上だ。
そんな七尾が仲介業のマリアから受けた今回の依頼は、東京駅から東北新幹線に乗り込み、トランクをひとつ奪って上野で降りるというシンプルなものだった。
しかもトランクは荷物棚においてあるという。
「絶対にうまくいくはずがない」と呪いのように思いこむ七尾の予測通り、指示されたトランクを手に上野で降りようとしたら新幹線に乗り込んで来ようとしていた男が因縁ある相手だった。
「狼」という通り名の男は別件でその新幹線に用があったが、七尾に出合ったのを幸いに過去の恨みを晴らそうと襲い掛かってくる。
それを返り討ちにして首の骨を折ってしまったのももとはといえば新幹線が揺れたせいだった。
死体とトランクを抱えてパニックになった七尾は、マリアに上野で降りれなかった事情を説明する羽目に。
しかもトランクの持ち主だった檸檬と蜜柑という通り名の二人組に追われ、さらには何の因果か毒針を使う殺し屋と死闘を繰り広げる。
同じ新幹線に王子というこれは本名の中学生と木村という名の男が乗り込んでいたが、こちらもなにやら曰くがあるようで。
グラスホッパーで生き残った殺し屋たちも登場しつつ、トラブルがトラブルを呼び込み新幹線のように疾走する話だった。
原作を読む前に映画「ブラッド・トレイン」を見ていて、映画ではわけわかんない部分もあったけど、原作の方がすっきりまとまっていた。
檸檬のトーマスネタはそのままだが、登場人物たちの性別が変えてあったり狙いが違ったりと映画との脚色が違う部分もあったので結局どうなるのかわからず楽しく読めました。
七尾のちょっと情けない部分も含めてブラッド・ピットは名演だった。
引退した伝説の殺し屋も映画のように日本刀を振り回したりはしないが、ハリウッドってどれだけ刀が好きなんだろう。
次は『AX』ですね。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:角川書店
- ページ数:591
- ISBN:9784041009772
- 発売日:2013年09月25日
- 価格:780円
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