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ぷるーと
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ベトナム戦争がどれほど多くの人々に悲しみをもたらしたか。
1975年12月、平年なら始まっているはずの乾季にはならずまだ雨季が続いている中、ヴェトナム人民軍の戦時行方不明者捜索隊は、中部高原のジャングルを進んでいた。捜索隊員のキエンは、1969年ここで敵に包囲され大敗、所属していた部隊の生き残りは数人だけだった。ここであまりにもたくさんの兵士が亡くなったため、ここは「泣き叫ぶ魂の森」とよばれていた。

キエンは、ベトナム戦争に従軍し、生き残った。そんなキエンは、捜索隊としてジャングルに入っているとき、退役して故郷に戻ったとき、事あるごとに亡くなった仲間たちに思いを馳せた。
キエンには、ずっと思い続けている恋人がいた。そしてその美しい同級生ファンとの再会を果たした。だが、キエンが再会当初から違和感を感じていたように、戦争による暗い影が2人を引き裂いていた。

戦争の悲しみと、戦争によって引き裂かれてしまった恋人たちの悲しみ。この戦争が、どれほど多くの人々に悲しみをもたらしたか。戦争は、人間を翻弄し、その人の生活や境遇を一変させてしまう。ベトナム戦争では、200万人の民間人が殺され、両軍合わせて、若い兵士が130万人亡くなった。生き残った人々の心にも、暗く重い傷を残した。
キエンは、アルコール依存症になったが、自分が見聞きしたことは書き残そう、と筆をとる。戦争がいかに愚かで悲しいものかを伝えるために。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2943 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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