はにぃさん
レビュアー:
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これぞ読書の醍醐味!!16世紀のアイルランドを舞台に活躍した、誇り高き海賊女王の物語。
(上下巻あわせて)
夢中になれる小説が好きだ。
先を知りたい、早く続きが読みたいと、時を忘れて読みふけるような。
読んでいる間は、嫌なことも忘れて本の世界にどっぷり浸っていられるような。
そんな小説に出合えた時、ささやかな幸せを感じるのだ。
そして今回、この「海賊女王」を読み、読書の醍醐味を味わうことができた。
本書は、16世紀に実在した女海賊・ グラニュエル・オマリー をモデルにした壮大な物語である。
海賊女王の波瀾万丈の生涯を、従者であるアランの視点から描いていく。
16世紀のアイルランドで生まれたグラニュエル・オマリー、通称 グローニャ は、幼い頃から活発で、クラン(氏族)の族長である父と共に海賊船に乗り、その後自ら船団を率いて「海賊女王」と呼ばれるようになる。
グローニャは、イングランドの支配に抵抗し、クラン同士の争いに巻き込まれながらも、自分のクランを守るために戦い続けていく。
私利私欲のためではなく、クランのために率先して戦う強い女なのである。
騙し騙され、ときには女を武器に妖艶な魅力を振りまきながら、命をかけて戦い続け、荒くれ男たちから絶大な信頼を得ていく。
一方、もう一人の女王・イングランドのエリザベス女王もまた、煌びやかな宮廷で、噂や陰謀・老いと戦っていた。
同じ年に生まれた二人の女王。
女王という孤独な鎧を身につけている女。
そんな女の波乱に満ちた物語である。
なんという瑞々しさだろうか。
荒々しい男たち、波しぶきや血しぶきが飛び交う戦場、苦しくても逞しく生きる人々。
生き生きと描かれている彼らの中に、私も飛び込んでしまったような気になってくるのだ。
そして、歴史の渦に巻き込まれながらも芯を貫き通した海賊女王に「どこまでもあなたについて行きます。」とひれ伏したくなってくる。
皆川博子さん(83歳)は、現存しているアイルランド・クレア島にあるグローニャの城まで、取材のため足を運んだのだという。
そのバイタリティと少女のような想像力には、驚きを禁じ得ない。
もしかしたらあなたは、本書を手に取り、上下巻で1000ページ超の分厚さに怯んでしまうかもしれない。
冒頭の登場人物一覧を見て、73人という人数の多さに驚き、読むのを躊躇するかもしれない。
読み始めて、見慣れない単語や地名、複雑な人間関係に戸惑い、放り出したくなるかもしれない。
でも、それはもったいないことだ。
もう少し進めば、読むのを止められなくなってしまうのだから。
極上の物語、そして大人の愉しみが待っているのだから。
夢中になれる小説が好きだ。
先を知りたい、早く続きが読みたいと、時を忘れて読みふけるような。
読んでいる間は、嫌なことも忘れて本の世界にどっぷり浸っていられるような。
そんな小説に出合えた時、ささやかな幸せを感じるのだ。
そして今回、この「海賊女王」を読み、読書の醍醐味を味わうことができた。
本書は、16世紀に実在した女海賊・ グラニュエル・オマリー をモデルにした壮大な物語である。
海賊女王の波瀾万丈の生涯を、従者であるアランの視点から描いていく。
16世紀のアイルランドで生まれたグラニュエル・オマリー、通称 グローニャ は、幼い頃から活発で、クラン(氏族)の族長である父と共に海賊船に乗り、その後自ら船団を率いて「海賊女王」と呼ばれるようになる。
グローニャは、イングランドの支配に抵抗し、クラン同士の争いに巻き込まれながらも、自分のクランを守るために戦い続けていく。
私利私欲のためではなく、クランのために率先して戦う強い女なのである。
騙し騙され、ときには女を武器に妖艶な魅力を振りまきながら、命をかけて戦い続け、荒くれ男たちから絶大な信頼を得ていく。
一方、もう一人の女王・イングランドのエリザベス女王もまた、煌びやかな宮廷で、噂や陰謀・老いと戦っていた。
同じ年に生まれた二人の女王。
女王という孤独な鎧を身につけている女。
そんな女の波乱に満ちた物語である。
なんという瑞々しさだろうか。
荒々しい男たち、波しぶきや血しぶきが飛び交う戦場、苦しくても逞しく生きる人々。
生き生きと描かれている彼らの中に、私も飛び込んでしまったような気になってくるのだ。
そして、歴史の渦に巻き込まれながらも芯を貫き通した海賊女王に「どこまでもあなたについて行きます。」とひれ伏したくなってくる。
皆川博子さん(83歳)は、現存しているアイルランド・クレア島にあるグローニャの城まで、取材のため足を運んだのだという。
そのバイタリティと少女のような想像力には、驚きを禁じ得ない。
もしかしたらあなたは、本書を手に取り、上下巻で1000ページ超の分厚さに怯んでしまうかもしれない。
冒頭の登場人物一覧を見て、73人という人数の多さに驚き、読むのを躊躇するかもしれない。
読み始めて、見慣れない単語や地名、複雑な人間関係に戸惑い、放り出したくなるかもしれない。
でも、それはもったいないことだ。
もう少し進めば、読むのを止められなくなってしまうのだから。
極上の物語、そして大人の愉しみが待っているのだから。
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趣味はダンスと読書と食べること。
こちらに復帰してから読書計画が破綻気味です。
図書館の本も、期限内に読めずに返すということが増えてきました。
積読本も減らず。
それなのに読みたい本はどんどん増えていく・・・(´-ω-`)
気が向いたときに出没します。
どうぞよろしくお願いします。
この書評へのコメント
- Wings to fly2014-02-19 16:20
はにぃさん、この本を読んでらしたんですね♪
私も登場人物一覧表を見た時には怯みましたが、読み始めたら止まらない状態に^ ^ 昨年読んだ中では五本の指に入る 作品でした。極上の物語、大人の愉しみ!
同感です(=´∀`)人(´∀`=)クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - はにぃ2014-02-19 17:36
efさん 「皆川博子コレクション」5巻まであるんですね。読みたいなぁ。
私は、「開かせて~」と「双頭のバビロン」しか読んだことないのです。
初期の作品ってどんな感じなんだろう?興味あります。
皆川博子さんの作品はこれからも読んでいきたいと思っているので、図書館の予約本が落ち着いたら借りてみます。
efさんの書評もお待ちしています♪クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - はにぃ2014-02-19 17:37
Wings to flyさん そうなんです。この本だったんです。
登場人物一覧表は圧巻でしたね。
私も最初見たときは、読めるだろうかと不安になりました。
それと、読み始めは、船の種類や地名、人名なんかに手こずりました。
意味を把握するのに何度も読み返した箇所もありました(^^;
でも、「皆川博子さんだから」「きっと面白くなるから」と思っていたら、いつの間にか引きずり込まれていました。
少し時間はかかりましたが、本当に読んで良かったです。
今のところ今年読んだ中では、ベスト1小説です。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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