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たけぞう
レビュアー:
文豪たちを題材にした愛らしい漫画。
これは一読の価値がありますよ。
知っているようで知らない文豪たちのあれこれを、漫画の力でつっこんでいます。

国語の授業で習うし、聞きかじりも多い作家さんたち。
そう、いつの間にか読んだ気になっているのが文豪とよばれる存在です。
つまり「読んだ気になる指数高め=文豪」の定義でいいのではないかと、、、
勝手な意見ですが。

取り上げられる文豪は十五人です。
昭和初期前後の、夏目漱石や太宰治を筆頭としたあのころの人たちです。
名作に引っかけた三篇のお遊びも楽しいですね。
RPGになぞらえたり、もし桃太郎をあの文豪が書いたらとかのお題でまとめています。

太宰治の桜桃忌。お墓のあるお寺で開かれているとは知りませんでした。
マイクを準備し、しゃべりたい人が手を挙げて語り合うスタイルです。

あなたなら自分の心のうちを見せてもいいと、うっかり思わせてしまう作家。
ものすごくよく分かりました。このセリフだけですっきりです。

中原中也と小林秀雄の関係は小耳にはさんでいましたが、
漫画になるとくっきりしてきますね。
一面的な解釈になりそうで怖く感じるくらいです。

中島敦は苦手感があったので、ガイドしてもらい感謝です。
逆に、樋口一葉や梶井基次郎は、自分の印象とずれている感じがしました。
そんな捉え方の違いが分かるくらい、しっかり描けています。

ほかの文豪たちの話も、自分ではとらえきれていなかった部分を
肉付けしてもらったという感じです。
最近の作品はさくさく読めるという評価が目につく場合がありますが、
長く楽しむには多面的な解釈の余地が必要だとあらためて思いました。

川端文学のエロ解釈部分とか、谷崎文学の偏執愛、三島文学の背徳の美など、
自分が苦手としていた部分について漫画できっかけをもらった気がします。
いつか読めるといいなという気持ちにさせてもらえました。
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たけぞう
たけぞう さん本が好き!免許皆伝(書評数:1473 件)

ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。

自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。

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この書評へのコメント

  1. はるほん2018-05-08 08:22

    タニザキにお立ち寄りの際はゼヒお声かけくだいねw
    タニザキファイブ(勧誘し過ぎて何人いるのかもう分からんですけど)
    ぺっちょりお待ちしています!

    >「読んだ気になる指数高め=文豪」 この定義面白いっ!

  2. たけぞう2018-05-08 17:27

    >はるほんさん
    実はうちの子がタニザキにはまっていまして。陰翳礼讃からスタートしていました。刺青・秘密に収録されている母を恋ふる記を薦められました。ということで、わが家にはすでに数冊が収蔵されているのです。困ったことに(小さい声
    「読んだ気になる指数高め=文豪」、賛同いただき何よりです。

  3. かもめ通信2018-05-08 20:45

    ひえー!たけぞうさんのところのお姉ちゃん(お姉ちゃんの方だよね?)タニザキおっちゃんにはまっているの?!すごいわあ!

    『陰翳礼讃』からはいったというところがまた素敵!
    ちなみに鳥のおばちゃんはタブッキ&須賀敦子から『陰翳礼讃』に派生したんだよ~(←聞かれていません!)

  4. たけぞう2018-05-08 21:30

    >かもめ通信さん
    メッセージ伝えておきましたよ。須賀敦子は何冊か本棚に入っているので、そのうち読んでくれるのではないかと。

  5. No Image

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