yukoさん
レビュアー:
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すでに明治も二十年。江戸の頃であれば旗本の若様たち。士族で元朝敵側、旧幕臣の子息である彼らが収入を得るために警官になろうと巡査教習所へ。若様組、無事にみんな揃って警官になれるでしょうか?!
江戸の頃であれば二千石の旗本の若殿様であった、長瀬健吾。
彼を頭とする、世が世であれば、若という名で呼ばれた者たち、若様組。
幼なじみである元旗本の若殿様たち、8人。
しかしすでに明治も二十年。
彼らの父親は、明治維新後、新政府に仕える道を選んだが、元朝敵ゆえ出世の見込みもなく、本当に気をすり減らす大変な日々を過ごしてきました。
彼らもあれこれ短期の仕事を得ては何とか家に金子をいれているものの、
抱えている家人らが多い故、いつまでも身の振り方が定まらないと心細い。
8人は、新たに設置された巡査教習所へ。
試験会場ではあれこれ違う立場の者が集まっていました。
一、現政府を動かす官軍側、薩摩組
二、四民平等となったかつての町人、平民組
三、徳川とともに静岡へ移った元幕臣、静岡組
四、明治政府に出仕した元幕臣、若様組
いきなりいがみ合うそれぞれの立場の若者たち。
厳しい教官。
ピストル強盗と渡り合った若様組。
教習所内でも銃に絡む事件が・・・
このシリーズは三作出ていて、じつは今作は二作目。
一作目は『アイスクリン強し』
今作でもちょくちょく登場する、健吾の幼なじみの西洋菓子職人志望の皆川真次郎、小泉商会当主の娘、小泉沙羅の出てくる文明開化スイーツ物語なのですが、
二作目である今作の方が、時間はその数年前になるので、
先にこちらを読んでみました。
江戸から明治への転換期、新政府は幕臣達に三つの選択を強いました。
ひとつは武士の身分を捨て、商いや農業を始めること。
ひとつは今までの十分の一にも満たない所領に減らされて、徳川家の新領、静岡に移住すること。
ひとつは新政府に仕えること。
健吾ら若様組の面々の親たちは新政府に仕えることを選んだため、屋敷はそのまま残されました。
しかし、広い屋敷の中で畑を耕したりしつつ、家作を建てて家賃収入を得ても、
家族や、困窮し頼ってくるたくさんの元家臣たちを養うために、親たちは大変な苦労を重ねているのです。
士族は商いが苦手。
そこで健吾が考えた、職につき給料を得る手立ては、警官になることでした。
薩摩組、旧朝敵である若様組、町人である平民組、静岡組、士族組と、
最初からいがみ合う若者たち。
しかし。
健吾のまっすぐな性格と、誰からも愛される人柄。
人を取りまとめる才能。
そして教習所内で起こった銃にまつわる事件。
事件解決に向けて若者たちは身分の違い、立場の違いを越えて結束します。
四民平等となった混乱の時代。
旧朝敵側となった旗本たちが、明治の時代を生き残るということは本当に大変だったのですね・・・
物語は男子学生の青春謎解き物語なのですが、
警官になるしか食べていく道がなかったり、
好きな人も幸せにはしてやれないし、結婚も到底許してもらえない悲しい運命だったり、
明るく楽しい青春物語の底にある物悲しさが、ちょっと切なかったです・・・
一作目はスイーツ男子物語とのこと。
ぜひ読まねば!
8人も男前が出てくるので、どのお方が好みか、読んだ人それぞれで意見がわかれそうな。
私はオーソドックスに健吾さま!
彼を頭とする、世が世であれば、若という名で呼ばれた者たち、若様組。
幼なじみである元旗本の若殿様たち、8人。
しかしすでに明治も二十年。
彼らの父親は、明治維新後、新政府に仕える道を選んだが、元朝敵ゆえ出世の見込みもなく、本当に気をすり減らす大変な日々を過ごしてきました。
彼らもあれこれ短期の仕事を得ては何とか家に金子をいれているものの、
抱えている家人らが多い故、いつまでも身の振り方が定まらないと心細い。
8人は、新たに設置された巡査教習所へ。
試験会場ではあれこれ違う立場の者が集まっていました。
一、現政府を動かす官軍側、薩摩組
二、四民平等となったかつての町人、平民組
三、徳川とともに静岡へ移った元幕臣、静岡組
四、明治政府に出仕した元幕臣、若様組
いきなりいがみ合うそれぞれの立場の若者たち。
厳しい教官。
ピストル強盗と渡り合った若様組。
教習所内でも銃に絡む事件が・・・
このシリーズは三作出ていて、じつは今作は二作目。
一作目は『アイスクリン強し』
今作でもちょくちょく登場する、健吾の幼なじみの西洋菓子職人志望の皆川真次郎、小泉商会当主の娘、小泉沙羅の出てくる文明開化スイーツ物語なのですが、
二作目である今作の方が、時間はその数年前になるので、
先にこちらを読んでみました。
江戸から明治への転換期、新政府は幕臣達に三つの選択を強いました。
ひとつは武士の身分を捨て、商いや農業を始めること。
ひとつは今までの十分の一にも満たない所領に減らされて、徳川家の新領、静岡に移住すること。
ひとつは新政府に仕えること。
健吾ら若様組の面々の親たちは新政府に仕えることを選んだため、屋敷はそのまま残されました。
しかし、広い屋敷の中で畑を耕したりしつつ、家作を建てて家賃収入を得ても、
家族や、困窮し頼ってくるたくさんの元家臣たちを養うために、親たちは大変な苦労を重ねているのです。
士族は商いが苦手。
そこで健吾が考えた、職につき給料を得る手立ては、警官になることでした。
薩摩組、旧朝敵である若様組、町人である平民組、静岡組、士族組と、
最初からいがみ合う若者たち。
しかし。
健吾のまっすぐな性格と、誰からも愛される人柄。
人を取りまとめる才能。
そして教習所内で起こった銃にまつわる事件。
事件解決に向けて若者たちは身分の違い、立場の違いを越えて結束します。
四民平等となった混乱の時代。
旧朝敵側となった旗本たちが、明治の時代を生き残るということは本当に大変だったのですね・・・
物語は男子学生の青春謎解き物語なのですが、
警官になるしか食べていく道がなかったり、
好きな人も幸せにはしてやれないし、結婚も到底許してもらえない悲しい運命だったり、
明るく楽しい青春物語の底にある物悲しさが、ちょっと切なかったです・・・
一作目はスイーツ男子物語とのこと。
ぜひ読まねば!
8人も男前が出てくるので、どのお方が好みか、読んだ人それぞれで意見がわかれそうな。
私はオーソドックスに健吾さま!
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仕事のことで鬱状態が続いており全く本が読めなかったのですが、ぼちぼち読めるようになってきました!
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- 出版社:講談社
- ページ数:464
- ISBN:9784062775403
- 発売日:2013年07月12日
- 価格:730円
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