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ぷるーと
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満州にも雪女がいた。満州の雪女は日本の雪女とどう違うのか。
大正の初期、満州で仕事をしていた日本人堀部が、吹雪で目的地まで行くことかなわず、とある小さな村の農家で一夜の宿を借りることになった。

場所は奉天に近い荒涼たる寒村、1月の寒さ雪の量は半端ではない。

そんな地方に、雪の姑娘の伝説があった。清の太祖の侍妾が近臣の美少年とできていると讒言されて、雪の日に川に投げ込まれて殺された。それ以来、雪の降る夜彼女の幽霊が現れては若い娘を招き去るのだという。

それを聞いた堀部は、いやいや馬賊が拐って行くのだろうという。案内の中国人の少年は、なるほどと納得し、二人は眠りにつくのだが・・・。

日本の雪女よりはるかに怖い中国の雪女の言い伝えは、自然現象への畏怖から生まれた存在ではなく、怨霊だった。いかにも中国的だが、それを「いや、馬賊だろう」という堀部は、いかにも近代的思考の持ち主だ。
彼らが見たものは、本当に雪女だったのか、やっぱり馬賊だったのか、明らかにせずロマンを残しているのがいい。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2931 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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