Kuraraさん
レビュアー:
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苦しくたって~悲しくったって~♪ 江戸の人々と過ごす1年は何が起きてもなんだか楽しい!
お江戸もの、久々読みましたがいいですね~。
江戸の庶民の生活や人々のやり取りは、
読んでいるだけで元気が出る。
とかくあれこれ不安や心配事が絶えない現代人。
江戸時代の人々だってもちろんいろんな悩みを
抱えてはいるんだけど、「明日のことより今日のこと、
なんとかなるさ!」的な大らかな気持ちで生活している
姿勢にものすごく憧れるものがある。
そんな江戸庶民の日常がつぶさに見えてくるのが本書。
神田で小間物屋を商う27歳のお葛。
大正初期の古い洋館から彼女の日記が
発見されたことからこの話は始まります。
日記はある年のお正月から大晦日までのまる一年。
各月ごとにくくられる日記から、江戸庶民の
風俗や行事が覗ける。
だいたいいつも注釈ってきちんと読まないのですが、
本書は注釈もとてもためになるので必見です。
話の流れから江戸の知識が刷り込まれてゆくような感じで、
自然に学べるのがこれまた良い。
さて、お葛の日常は・・・。
働くことよりお酒とお祭り好きのお気楽夫を伴侶にもつ彼女。
家計はいつもぎりぎり状態で、喧嘩が絶えない夫婦。
お店のことは、デキタ使用人がいてなんとかなってはいるが・・・。
もはやお葛は夫に諦めモードであるが、
家計も喧嘩も時が過ぎればなんとかなっているところが爽快。
読んでいるといつの時代も男と女の関心ごととか
生態は変わらないなーと思わされる場面も数多く、
クスリと笑わされる。
男がコソコソ出掛けて行くシーンや、
ちょっと褒められただけで図に乗るとか。
女房たるもの本当に夫の習性をよく解っているものです。
お葛の皮肉めいた言葉が可笑しい、可笑しい。
女たちも日々是美容と格闘したり、お団子を食べに行ったり、
男前にうっとりしたり。 an・anの特集記事になるような
女性の関心ごとって本当に昔から変わらないんだなぁ~。
お葛は今で言う「消防士萌え」の人で、
彼ら見たさに火消し現場についつい駆けつけてしまうという、
哀しい性を持つ。
また、他人の恋愛現場に遭遇してドキドキしたりやきもきしたり。
その都度見えるお葛の人柄に触れ、こんな人がご近所に
居たら楽しいだろうな~なんて思ったりした。
おっちょこちょいの夫婦が見せた各々の湯屋の失敗話は、
どちらの話も爆笑。なんだかんだ似たもの夫婦なんだなぁ。
暗い湯屋を活かし、とてもウマイ話になっている。
まるまる1年、私もこの長屋で生活した気分で読了。
すっかり馴染んだ長屋の生活とご近所の人々と離れ難くもあり・・・。
除夜の鐘の音を
お葛さんと一緒にしみじみ聴いている自分がそこにいた。
江戸の庶民の生活や人々のやり取りは、
読んでいるだけで元気が出る。
とかくあれこれ不安や心配事が絶えない現代人。
江戸時代の人々だってもちろんいろんな悩みを
抱えてはいるんだけど、「明日のことより今日のこと、
なんとかなるさ!」的な大らかな気持ちで生活している
姿勢にものすごく憧れるものがある。
そんな江戸庶民の日常がつぶさに見えてくるのが本書。
神田で小間物屋を商う27歳のお葛。
大正初期の古い洋館から彼女の日記が
発見されたことからこの話は始まります。
日記はある年のお正月から大晦日までのまる一年。
各月ごとにくくられる日記から、江戸庶民の
風俗や行事が覗ける。
だいたいいつも注釈ってきちんと読まないのですが、
本書は注釈もとてもためになるので必見です。
話の流れから江戸の知識が刷り込まれてゆくような感じで、
自然に学べるのがこれまた良い。
さて、お葛の日常は・・・。
働くことよりお酒とお祭り好きのお気楽夫を伴侶にもつ彼女。
家計はいつもぎりぎり状態で、喧嘩が絶えない夫婦。
お店のことは、デキタ使用人がいてなんとかなってはいるが・・・。
もはやお葛は夫に諦めモードであるが、
家計も喧嘩も時が過ぎればなんとかなっているところが爽快。
読んでいるといつの時代も男と女の関心ごととか
生態は変わらないなーと思わされる場面も数多く、
クスリと笑わされる。
男がコソコソ出掛けて行くシーンや、
ちょっと褒められただけで図に乗るとか。
女房たるもの本当に夫の習性をよく解っているものです。
お葛の皮肉めいた言葉が可笑しい、可笑しい。
女たちも日々是美容と格闘したり、お団子を食べに行ったり、
男前にうっとりしたり。 an・anの特集記事になるような
女性の関心ごとって本当に昔から変わらないんだなぁ~。
お葛は今で言う「消防士萌え」の人で、
彼ら見たさに火消し現場についつい駆けつけてしまうという、
哀しい性を持つ。
また、他人の恋愛現場に遭遇してドキドキしたりやきもきしたり。
その都度見えるお葛の人柄に触れ、こんな人がご近所に
居たら楽しいだろうな~なんて思ったりした。
おっちょこちょいの夫婦が見せた各々の湯屋の失敗話は、
どちらの話も爆笑。なんだかんだ似たもの夫婦なんだなぁ。
暗い湯屋を活かし、とてもウマイ話になっている。
まるまる1年、私もこの長屋で生活した気分で読了。
すっかり馴染んだ長屋の生活とご近所の人々と離れ難くもあり・・・。
除夜の鐘の音を
お葛さんと一緒にしみじみ聴いている自分がそこにいた。
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ジャンルを問わず、年間200冊を目標に読書をしています。
「たしかあの人が、あんなことを言っていたな…」というような、うっすら記憶に残る書評を書いていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:中央公論新社
- ページ数:274
- ISBN:9784122055605
- 発売日:2011年11月22日
- 価格:680円
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