かもめ通信さん
レビュアー:
▼
当たり前のことだけど、芥川にだって学生時代はあったんだよねえ。
7月24日は河童忌だから、いつものように芥川を読んでみた。
四、五年前のことだと断りをいれながら芥川が綴るのは自らの学生時代の思い出。
マクベスの講義を聴きながら居眠りして、ノオトをとりそこねたこと
授業中に描いた落書き
「ジアン・クリストフ」を読んで読友と意気投合する
始終つるんでいたらしいその友人は
後にフランス文学者となり松方コレクション収集にも一役買ったという成瀬正一だ。
2人は一緒に久米正雄のところにいき
田山花袋や武者小路実篤をどう評価するかや
同人雑誌『新思潮』をめぐるあれこれなど
文学談義に花を咲かせる。
京都の菊池寛から送られてきた戯曲を三人で回し読みしたあげく
などと手厳しい評価を下したりもする。
英文学科の学生でありながら
そもそも純文学科などというものは大学に必要なのか?と考え込む。
またあるときは帝劇にオーケストラを聴きに行き
谷崎潤一郎をみかけて耽美主義をこねくり回す。
小難しいことをあれこれと書き連ねながらも
どこか青臭くて頭でっかちで
まったくもって青春そのもの!
あの芥川にもこんな青春時代があったんだと
なんだか嬉しくなってしまう。
もちろん芥川に言わせれば
大きなお世話だろうけれど……ね!
<関連レビュー(順不同)>
● 疑惑(青空文庫)/芥川竜之介
●芥川の事ども(青空文庫)/菊池寛
●芋粥(青空文庫)/芥川竜之介
●藪の中(講談社文庫)/芥川龍之介
●桃太郎(青空文庫)/芥川竜之介
●芥川の原稿(青空文庫)/室生犀星
●文芸的な、余りに文芸的な(青空文庫)/芥川竜之介
四、五年前のことだと断りをいれながら芥川が綴るのは自らの学生時代の思い出。
マクベスの講義を聴きながら居眠りして、ノオトをとりそこねたこと
授業中に描いた落書き
「ジアン・クリストフ」を読んで読友と意気投合する
始終つるんでいたらしいその友人は
後にフランス文学者となり松方コレクション収集にも一役買ったという成瀬正一だ。
2人は一緒に久米正雄のところにいき
田山花袋や武者小路実篤をどう評価するかや
同人雑誌『新思潮』をめぐるあれこれなど
文学談義に花を咲かせる。
京都の菊池寛から送られてきた戯曲を三人で回し読みしたあげく
テエマが面白いのにも関わらず、無暗に友染縮緬のような台詞が多くて、
どうも永井荷風氏や谷崎潤一郎氏の糟粕を嘗めてゐるような観があった。
などと手厳しい評価を下したりもする。
英文学科の学生でありながら
そもそも純文学科などというものは大学に必要なのか?と考え込む。
またあるときは帝劇にオーケストラを聴きに行き
谷崎潤一郎をみかけて耽美主義をこねくり回す。
小難しいことをあれこれと書き連ねながらも
どこか青臭くて頭でっかちで
まったくもって青春そのもの!
あの芥川にもこんな青春時代があったんだと
なんだか嬉しくなってしまう。
もちろん芥川に言わせれば
大きなお世話だろうけれど……ね!
<関連レビュー(順不同)>
● 疑惑(青空文庫)/芥川竜之介
●芥川の事ども(青空文庫)/菊池寛
●芋粥(青空文庫)/芥川竜之介
●藪の中(講談社文庫)/芥川龍之介
●桃太郎(青空文庫)/芥川竜之介
●芥川の原稿(青空文庫)/室生犀星
●文芸的な、余りに文芸的な(青空文庫)/芥川竜之介
お気に入り度:







掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
- この書評の得票合計:
- 35票
| 読んで楽しい: | 9票 |
|
|---|---|---|
| 参考になる: | 26票 |
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。
この書評へのコメント

コメントするには、ログインしてください。
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:
- ページ数:16
- ISBN:B009IWM8UQ
- 発売日:2012年09月27日
- Amazonで買う
- カーリルで図書館の蔵書を調べる
- あなた
- この書籍の平均
- この書評
※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。






















