Kuraraさん
レビュアー:
▼
誰もいないのに犬が何かに向かって吠えまくってる…「え?なに?なんなの?」という、感覚がよみがえる小説でありました。
めちゃくちゃ怖いものを想像していたのですが、
なんと言うか、ひとつのドキュメンタリーを
見ているようなそんなホラー小説でした。
ホラー小説と書いたけど、それすらもちょっと違う気がするほど、
実際にあったことを読んだって感じが今もしています。
作中には作家の平山夢明さんの名前なんかも出てくるので、
「あれ?これ実話なの?」と何度思ったことか…。
いわゆる「家」にとりつく得体の知れないものを取り上げて
それが何であるのか、今まで住んでいた人々や出来事を
次々に調べてゆく形で話が進みます。
その部屋で何かあったのか?とか、その土地は昔…的なものを
想像していたのですが、読んでいくうちにそんな単純なものではないことが判る。
「残穢」というタイトルの意味が初めはよくわからなかったですが、
読み進めていくうちにその意味が、その輪郭がくっきり
判っていくような不気味さがあった。
これが一番怖い。
どうやっても防ぎようがない。知らないうちに自分が感染して
いろんなものを連れて来ちゃう可能性はあるんだものね。
畳を擦る音が聞こえる。
いるはずのない赤ん坊の泣き声がする。
何かが床下を這い回る気配がする。
こんな現象を発端に、主人公が地元のみならず、
全国へ出向き、大勢の人々の証言から探ろうと試みる。
長い年月をかけてのインタビュー。
途中で止めることも出来たはずなのに、まるで降りられない
ゲームのように次々と証言者が現れる。
取材に関わった人々に起きる身体の不調など、偶然か何なのか気になることが
あれこれ見え隠れし、最後までこの不気味さを読者も共有する。
とにかく時代を遡ってその土地に関わった人々が
わんさか出てくるので、「えっと、この人は誰だっけ…」という感じで
そのたびに冷静になってしまった。
なので、どーっぷり怖さにハマることはなかった。
ただ言えることは「実際にありそうだ」ということと、
やっぱり判らないなぁ…という途方に暮れる感。
人の居つかない賃貸物件も確かにあるだろうし、
お店がしょっちゅう変わる場所もあるだろう。
決して何かがあったわけじゃないのに、そうなる原因は一体何なんだろう。
それは単なる偶然なのだろうか?…と、ついつい考えてしまう。
さて、この本。結構読んだなぁーと思って次に読もうと手に取ると
これが意外にもページが進んでいない。
読んでも読んでもページが増えているような…。
そんな不気味な錯覚がちょっと怖かった(笑)
なんと言うか、ひとつのドキュメンタリーを
見ているようなそんなホラー小説でした。
ホラー小説と書いたけど、それすらもちょっと違う気がするほど、
実際にあったことを読んだって感じが今もしています。
作中には作家の平山夢明さんの名前なんかも出てくるので、
「あれ?これ実話なの?」と何度思ったことか…。
いわゆる「家」にとりつく得体の知れないものを取り上げて
それが何であるのか、今まで住んでいた人々や出来事を
次々に調べてゆく形で話が進みます。
その部屋で何かあったのか?とか、その土地は昔…的なものを
想像していたのですが、読んでいくうちにそんな単純なものではないことが判る。
「残穢」というタイトルの意味が初めはよくわからなかったですが、
読み進めていくうちにその意味が、その輪郭がくっきり
判っていくような不気味さがあった。
怨みを伴う『死』は穢れとなる。穢れは怪異となり伝染し、拡大する
これが一番怖い。
どうやっても防ぎようがない。知らないうちに自分が感染して
いろんなものを連れて来ちゃう可能性はあるんだものね。
畳を擦る音が聞こえる。
いるはずのない赤ん坊の泣き声がする。
何かが床下を這い回る気配がする。
こんな現象を発端に、主人公が地元のみならず、
全国へ出向き、大勢の人々の証言から探ろうと試みる。
長い年月をかけてのインタビュー。
途中で止めることも出来たはずなのに、まるで降りられない
ゲームのように次々と証言者が現れる。
取材に関わった人々に起きる身体の不調など、偶然か何なのか気になることが
あれこれ見え隠れし、最後までこの不気味さを読者も共有する。
とにかく時代を遡ってその土地に関わった人々が
わんさか出てくるので、「えっと、この人は誰だっけ…」という感じで
そのたびに冷静になってしまった。
なので、どーっぷり怖さにハマることはなかった。
ただ言えることは「実際にありそうだ」ということと、
やっぱり判らないなぁ…という途方に暮れる感。
人の居つかない賃貸物件も確かにあるだろうし、
お店がしょっちゅう変わる場所もあるだろう。
決して何かがあったわけじゃないのに、そうなる原因は一体何なんだろう。
それは単なる偶然なのだろうか?…と、ついつい考えてしまう。
さて、この本。結構読んだなぁーと思って次に読もうと手に取ると
これが意外にもページが進んでいない。
読んでも読んでもページが増えているような…。
そんな不気味な錯覚がちょっと怖かった(笑)
お気に入り度:





掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
ジャンルを問わず、年間200冊を目標に読書をしています。
「たしかあの人が、あんなことを言っていたな…」というような、うっすら記憶に残る書評を書いていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
この書評へのコメント
コメントするには、ログインしてください。
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:新潮社
- ページ数:335
- ISBN:9784103970040
- 発売日:2012年07月20日
- 価格:1680円
- Amazonで買う
- カーリルで図書館の蔵書を調べる
- あなた
- この書籍の平均
- この書評
※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。