morimoriさん
レビュアー:
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陶芸家が焼いたこれまでにない美しい青い壺、売られた先々で数々のドラマが展開される。
陶芸家牧田省造が焼いた青い壺、デパートの美術品コーナーに展示されやがて、定年を迎えた夫婦が購入する。お世話になった上司へのお礼の品として贈り贈られ、時に盗まれ、ある時、お世話になったシスターへと贈られとうとう、スペインへと旅立った。贈答品として旅する青い壺、贈られる先々で起こるドラマが織りなす人生模様。
夫が定年を迎えると、妻は1日を思うように過ごせない。1日3食作り、掃除をしようにも夫がデーンと座っていれば気も使う。そんな夫婦がお世話になった上司へと選んだ品が青い壺。贈られた先では、花を活けるにも合う花を選ぶのが難しい。ある日、急に早く帰ってきた夫が青い壺を見て、家に置いておきたくないと言い挙句、花の稽古仲間に譲ることに。ひとつ所に留まらない青い壺、贈られた先々でその家庭のドラマが展開されある時は、上流階級の家に行きついたが、空き巣に入られやがて東寺の弘法さんの縁日で売られていた。それを買ったのは、同窓会で京都に来ていたマダム。そして、その孫娘がお世話になったシスターへと贈られ海外進出かと思いきや、東京へと舞い戻り評論家が12世紀の竜泉窯と言う。
いろいろな家を巡ることになる青い壺、だが置かれる家庭は決して不幸ではない。空き巣被害にあっても、貴重な装飾品は幸いなことに身に付けていたし、青い壺を巡ってどのような花を活けたら映えるのかと悩んだり、久しぶりの同窓会で楽しい時を過ごしたマダムが手にするのが青い壺。どの時代でも、青い壺は静かに置かれた場所で家族を見守る。
NHKの放送で話題になったとかで、図書館でも予約が多くなかなか順番が回ってこない小説のひとつ。読んでみると今の時代でも、通用する内容で共感できる箇所もありマダムたちの同窓会では、みんなそれぞれ言いたいことを言い、幹事役がしまいに怒ってしまう描写についつい笑ってしまった。久しぶりに再会した旧友と過ごす時間、少女時代に戻る様子がカワイイ。有吉佐和子氏の作品は、初めて読んだがスーッと心に入ってきて爽快な読後感だった。
夫が定年を迎えると、妻は1日を思うように過ごせない。1日3食作り、掃除をしようにも夫がデーンと座っていれば気も使う。そんな夫婦がお世話になった上司へと選んだ品が青い壺。贈られた先では、花を活けるにも合う花を選ぶのが難しい。ある日、急に早く帰ってきた夫が青い壺を見て、家に置いておきたくないと言い挙句、花の稽古仲間に譲ることに。ひとつ所に留まらない青い壺、贈られた先々でその家庭のドラマが展開されある時は、上流階級の家に行きついたが、空き巣に入られやがて東寺の弘法さんの縁日で売られていた。それを買ったのは、同窓会で京都に来ていたマダム。そして、その孫娘がお世話になったシスターへと贈られ海外進出かと思いきや、東京へと舞い戻り評論家が12世紀の竜泉窯と言う。
いろいろな家を巡ることになる青い壺、だが置かれる家庭は決して不幸ではない。空き巣被害にあっても、貴重な装飾品は幸いなことに身に付けていたし、青い壺を巡ってどのような花を活けたら映えるのかと悩んだり、久しぶりの同窓会で楽しい時を過ごしたマダムが手にするのが青い壺。どの時代でも、青い壺は静かに置かれた場所で家族を見守る。
NHKの放送で話題になったとかで、図書館でも予約が多くなかなか順番が回ってこない小説のひとつ。読んでみると今の時代でも、通用する内容で共感できる箇所もありマダムたちの同窓会では、みんなそれぞれ言いたいことを言い、幹事役がしまいに怒ってしまう描写についつい笑ってしまった。久しぶりに再会した旧友と過ごす時間、少女時代に戻る様子がカワイイ。有吉佐和子氏の作品は、初めて読んだがスーッと心に入ってきて爽快な読後感だった。
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多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。
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- 出版社:文藝春秋
- ページ数:345
- ISBN:9784167137106
- 発売日:2011年07月08日
- 価格:660円
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