efさん
レビュアー:
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しんみりさせる良い結末ではないでしょうか
6分冊だった本作も、図書館からまとめて借りてきて、結局一気に読んでしまいました。
次の巻を読めるまで1か月待つというキングのコンセプトを全く無視した勝手読み!(笑)
でも、良い作品でしたよ。
この物語は、老人介護施設に入所している物語執筆時のポールが、刑務所に勤務していた過去を回想して書くというスタイルになっているのですが、老人介護施設でのポールの生活も並行して、各巻の冒頭で語られます。
ポールは、回想物語を、施設で知り合ったエレインという女性に読ませるために書いていたのですね。
第6巻は、刑務所長の妻を助けるために刑務所から連れ出されたコーフィーのその後と、狂暴な死刑囚のウォートン及びとんでもない刑務官のパーシーのその後が描かれます。
やや都合の良い決着ではありますが、読者にとってはある意味で望ましい決着になっているのではないでしょうか。
そして、物語を書き終えたポールとエレインの姿が描かれ、最後に、エレインに話すことができなかったポールの妻が亡くなった時のことが回想されます。
しんみりとしたラストで、良い作品だと感じました。
最後に、キングがあとがきを書いており、そこで、この作品を一冊ものにまとめるのはどうだろうか?と読者に問いかけています。
良いんじゃないでしょうかね。
次の巻を読むためには1か月待つというシステムは、最初の刊行時にしか経験することができないもので、既に全巻刊行済みになった今となってはその効果は望めないのですから。
分冊刊行しなくても、この作品の良さは失われないと思いますので、出版された1996年から随分時間が経っていることでもありますし、全冊まとめて刊行するというのは良い考えだろうと思います(なんか、もう出ているようですね)。
さて、1巻読み終えるごとに書いてきたレビューですが、第2巻のレビューで、「時制の混乱があるようだ。これはキングが何か仕掛けているのではないか?」と勘ぐりを書いてしまいましたが、そんなことはまったくありませんでした。
私の誤読でしたのでお詫びして訂正いたします。
ちょっと深読みし過ぎましたね。
この作品、第1巻目を読んだところではそれ程面白そうだという印象は正直無かったのです。
第1巻が導入部的だったこともあって、それはやむを得ないことでしょう。
しかし、2巻目以降は一気に読ませる力のある作品でした。
平易に書かれており、また、読者を引き込むツボを巧く押さえていて、さすがにキングは達者だなぁと感じました。
ちょっと甘いよという感想を持たれる方もいらっしゃるかなとも思いますが、まあ、いいじゃないですか。
その甘さは決して不快な甘さではなかったのですし。
素直にじ~んとくれば良いのかなと思っています。
良作でした。
読了時間メーター
□□ 楽勝(1日はかからない、概ね数時間でOK)
『グリーン・マイル1 ふたりの少女の死』
『グリーン・マイル2 死刑囚と鼠』
『グリーン・マイル3 コーフィの手』
『グリーン・マイル4 ドラクロアの悲惨な死』
『グリーン・マイル5 夜の果てへの旅』
次の巻を読めるまで1か月待つというキングのコンセプトを全く無視した勝手読み!(笑)
でも、良い作品でしたよ。
この物語は、老人介護施設に入所している物語執筆時のポールが、刑務所に勤務していた過去を回想して書くというスタイルになっているのですが、老人介護施設でのポールの生活も並行して、各巻の冒頭で語られます。
ポールは、回想物語を、施設で知り合ったエレインという女性に読ませるために書いていたのですね。
第6巻は、刑務所長の妻を助けるために刑務所から連れ出されたコーフィーのその後と、狂暴な死刑囚のウォートン及びとんでもない刑務官のパーシーのその後が描かれます。
やや都合の良い決着ではありますが、読者にとってはある意味で望ましい決着になっているのではないでしょうか。
そして、物語を書き終えたポールとエレインの姿が描かれ、最後に、エレインに話すことができなかったポールの妻が亡くなった時のことが回想されます。
しんみりとしたラストで、良い作品だと感じました。
最後に、キングがあとがきを書いており、そこで、この作品を一冊ものにまとめるのはどうだろうか?と読者に問いかけています。
良いんじゃないでしょうかね。
次の巻を読むためには1か月待つというシステムは、最初の刊行時にしか経験することができないもので、既に全巻刊行済みになった今となってはその効果は望めないのですから。
分冊刊行しなくても、この作品の良さは失われないと思いますので、出版された1996年から随分時間が経っていることでもありますし、全冊まとめて刊行するというのは良い考えだろうと思います(なんか、もう出ているようですね)。
さて、1巻読み終えるごとに書いてきたレビューですが、第2巻のレビューで、「時制の混乱があるようだ。これはキングが何か仕掛けているのではないか?」と勘ぐりを書いてしまいましたが、そんなことはまったくありませんでした。
私の誤読でしたのでお詫びして訂正いたします。
ちょっと深読みし過ぎましたね。
この作品、第1巻目を読んだところではそれ程面白そうだという印象は正直無かったのです。
第1巻が導入部的だったこともあって、それはやむを得ないことでしょう。
しかし、2巻目以降は一気に読ませる力のある作品でした。
平易に書かれており、また、読者を引き込むツボを巧く押さえていて、さすがにキングは達者だなぁと感じました。
ちょっと甘いよという感想を持たれる方もいらっしゃるかなとも思いますが、まあ、いいじゃないですか。
その甘さは決して不快な甘さではなかったのですし。
素直にじ~んとくれば良いのかなと思っています。
良作でした。
読了時間メーター
□□ 楽勝(1日はかからない、概ね数時間でOK)
『グリーン・マイル1 ふたりの少女の死』
『グリーン・マイル2 死刑囚と鼠』
『グリーン・マイル3 コーフィの手』
『グリーン・マイル4 ドラクロアの悲惨な死』
『グリーン・マイル5 夜の果てへの旅』
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幻想文学、SF、ミステリ、アート系などの怪しいモノ大好きです。ご紹介レビューが基本ですが、私のレビューで読んでみようかなと思って頂けたらうれしいです。世界中にはまだ読んでいない沢山の良い本がある!
この書評へのコメント
- nist2018-09-03 18:02
書評を拝見しました。
仰るように、この作品は既に一冊のも出ています。
また、映画もかなり高く評価されてます。
すごく長いんですけどトム・ハンクスが主演です。
コーフィーを演じた俳優はマイケル・クラーク・ダンカンです。
アカデミー賞にもノミネートされました。
また彼は、「アルマゲドン」にも掘削チームの一員で出てました。
2012年の今日、9月3日に亡くなってます。
この作品は、「刑務所のリタ・ヘイワース」と比較されることが多いかと思います。
刑務所が舞台という共通点があります。
映画では「ショーシャンクの空に」という題名です。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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- 出版社:新潮社
- ページ数:221
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