かもめ通信さん
レビュアー:
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シェトランド本島からフェリーに飛び乗り今度はウォルセイ島に行ってみた。(ただいまシェトランド諸島旅行中!)
ロンドンから北へ960キロ。
イングランド本島とノルウェーを橋渡しするかのように、
北海の北辺に浮かぶシェトランド諸島に
どうしてこんなに惹かれるのだろうかと自問しながら読み始めたこの本は、
イギリスのミステリー作家、
アン・クリーブスの「シェトランド四重奏」シリーズ第3弾だ。
今回の舞台はこれまでと違って
シェトランド本島ではなく海峡を挟んで東側に位置するウォルセイ島。
本シリーズの主役をはるペレス警部の部下で
これまでの2作では、ドジで間抜けな脇役だったサンディ刑事の故郷でもある。
帰省したウォルセイ島でサンディは
一寸先が見えないほどの濃霧の中
身体に染みついた土地勘をたよりに祖母の家に向かう。
だがしかし、サンディを待ち受けていたのは
ぬかるみに横たわる祖母ミマの遺体だった。
畑を荒らす野兎を狙った銃に誤って撃たれたように見えるその死に、
漠然とした疑惑を抱いたペレス警部はサンディと二人で、
彼の親族やミマの土地で遺跡を発掘していた大学院生らに接触し、
事情を探ることにしたのだが……。
事件の真相はまたまた意外な方向で
私はまたもやミスリードにまんまと乗せられてしまったのではあるけれど
真相究明もさることながら
この物語に厚みをもたらしているのは何組もの親と子をめぐるあれこれだ。
そしてまたペレス警部を通してみる理想の上司像も興味深い。
<関連レビュー>
●『大鴉の啼く冬』
●『白夜に惑う夏』
イングランド本島とノルウェーを橋渡しするかのように、
北海の北辺に浮かぶシェトランド諸島に
どうしてこんなに惹かれるのだろうかと自問しながら読み始めたこの本は、
イギリスのミステリー作家、
アン・クリーブスの「シェトランド四重奏」シリーズ第3弾だ。
今回の舞台はこれまでと違って
シェトランド本島ではなく海峡を挟んで東側に位置するウォルセイ島。
本シリーズの主役をはるペレス警部の部下で
これまでの2作では、ドジで間抜けな脇役だったサンディ刑事の故郷でもある。
帰省したウォルセイ島でサンディは
一寸先が見えないほどの濃霧の中
身体に染みついた土地勘をたよりに祖母の家に向かう。
ああ、この感じすごくよくわかる。
北国の海辺の町に移り住むまで
濃霧なんて本当に体験したことがなかったよ!と、
読者である私はまたひとつ
シェトランドに親しみを感じる理由を見つけた気になってうきうきする。
だがしかし、サンディを待ち受けていたのは
ぬかるみに横たわる祖母ミマの遺体だった。
畑を荒らす野兎を狙った銃に誤って撃たれたように見えるその死に、
漠然とした疑惑を抱いたペレス警部はサンディと二人で、
彼の親族やミマの土地で遺跡を発掘していた大学院生らに接触し、
事情を探ることにしたのだが……。
シェトランド諸島を管轄する警察に勤務しているとはいえ
ペレスにとってウォルセイ島はなじみのない土地だ。
外の人間はシェトランド諸島をひとつの共同体と考えがちだが
それは誤解もいいろころだとペレスは思う。
本島の住人のうちどれぐらいの人が
他の島々ににいったことがあるだろう?
われわれ地元民なんかより、
観光客のほうがよっぽどいろんなところに出かけているはず…
そう考えるペレスの言葉に、
私はまた、ブンブンと首を縦に振る。
そうそう、北海道に住んでいるからって
札幌や函館のことを知っているだとうと思ったら大間違いだ。
利尻礼文に行ったことがないからって驚かれたって困るよねえ!
それはさておき……。
事件の真相はまたまた意外な方向で
私はまたもやミスリードにまんまと乗せられてしまったのではあるけれど
真相究明もさることながら
この物語に厚みをもたらしているのは何組もの親と子をめぐるあれこれだ。
そしてまたペレス警部を通してみる理想の上司像も興味深い。
それにしてもサンディ!よく頑張ったよ!
ずっと見守ってきたような気になっている、
おばちゃんはおもわず嬉しくなったよ。と、
すっかり島の住人気取りのかもめのシェトランド諸島巡りは
まだまだ続くのだった。
<関連レビュー>
●『大鴉の啼く冬』
●『白夜に惑う夏』
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:東京創元社
- ページ数:492
- ISBN:9784488245078
- 発売日:2011年07月27日
- 価格:1365円
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