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yukoさん
yuko
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ストックホルム市警、エーヴェルト・グレーンス警部シリーズ第三弾。死刑制度のないスウェーデンで逮捕されたのは、アメリカで死んだはずの死刑囚だった!!!
ある日、船の上でダンス音楽を演奏するバンドの歌手が、ひとりの聴衆の頭を蹴りつけるとういう傷害事件を起こして逮捕されました。

しかし、彼のパスポートは別人のもの。

エーヴェルトは、インターポールで身元照会をするように命じ、正体を調べていると、なんと彼は、六年前、アメリカの監獄で死んだはずの死刑囚だとわかりました。


どうやって脱獄して、今までスウェーデンにいたのか?


娘を男に殺され、その死刑だけを心のよりどころとして生きてきた被害者遺族。
男を毎日見守ってきた看守。
息子の無実を信じてきた男の父親。


六年間、止まっていたそれぞれの時間が再び動き出したとき、
エーヴェルトたちにできることとは一体なんなのでしょうか?


シリーズ第三弾でなんとなく慣れてきましたが、
このシリーズは、謎解きをして、犯人はこいつだ!ハイ、めでたしめでたし、
と終わるシリーズではないんですよねー。
どちらかというと、毎回解決しません、全く。

「どうしようもないんですよ、警察にだって、いえ、誰にも解決できやしないんですって!」

という後味の悪い結末で必ず終わるんですねぇ。


わかっちゃいるのに、今回もラストはなんですってぇ!
と、またもや愕然とさせられました。


スウェーデンは死刑制度がありません。
なので今回、アメリカの死刑囚がスウェーデンで見つかったからといって、みすみす殺されるとわかっているアメリカに犯人を引き渡すことはありません。

が。
そこは外交官やら政治家たち・・・アメリカ、スウェーデン両国の政治家たちが策略をたてるのです。

政治的な、国際的な問題とまでなってしまうと、そこはもうエーヴェルトたちにはどうしようもなくなり・・・それでも最後の最後まで彼らは抗うのですけどね。
頑張って頑張って、やるな、エーヴェルト・グレーンス、と思わせてくれるのですが。


死刑囚であった男は無実であるだろうと、看守も、身内も信じて、
様々な人達が力を尽くして脱獄させました。

で、肝心の事件の真相はいかに?と。
本当に死刑囚は、死刑に値する犯行を行ったのか???


で、
ここが衝撃の結末でした。

目には目を歯には歯を、ってことでしょうけれど、
一体何人の全く無関係の人間を巻き込んで、
一体何年もの時を経て、
そこまでしてやる必要のあった犯行なのか・・・
その執念深さは全く理解できずで。

だって恨みや憎しみなら理解できるけれど、
こんな方法で大勢の人間を巻き込んで、己の主義主張を主張する犯罪だなんて、全く理解できない・・・


良かったのは、
前作でなかなかいい働きをしていた若い女性・・・マリアナ・ヘルマンソンが警部補となってチームに加わりました。

彼女はエーヴェルトをダンスに誘ったり、
親子のように年齢の違う二人なので、恋愛感情などはないのですが、
彼女のおかげで少し、エーヴェルトも人間らしい生活が出来てきたような・・・


スヴェンは少し苦々しく思っているようですが。


それにしても毎回毎回、なんでしょうねぇ、この後味の悪い結末。
でも、
面白いんだなぁ、本当に!
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yuko
yuko さん本が好き!1級(書評数:304 件)

仕事のことで鬱状態が続いており全く本が読めなかったのですが、ぼちぼち読めるようになってきました!

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