たけぞうさん
レビュアー:
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#カドブン夏フェア2022 笑って泣いて感動した。
ショートカット先「カドブン夏フェア2022」参加書評です。
西加奈子さんは、本が好き! で教えてもらった作家で、
初めて読んだ「円卓」を気に入って読み続けています。
最近は、直木賞を受賞したりして本格的な作品が増えており、
すごいな! と楽しめるのですが、初期の頃のこの作品を読むと、
小説って楽しいな! と気分が高揚し、西加奈子さんの魅力の原点を知る
気持ちになりました。
読んでみて、笑いましたね。言葉にぐっと詰まりましたね。
そして、じーんときましたよ。
きりこは、ぶすである。
最初の一文です。
そこ、強調するかなーと思いつつ、続く段落からも、このキラーワードが
ばんばん投げ込まれてくるのです。
アホ男子が、わーわーと爆竹を投げ込み、喜んでいるのとほとんど同じです。
この始まりは、言うなればこの作品らしさにあふれているんですね。
タブー的なものを、なあんだそんなもんとぶっ飛ばしてくれるのです。
きりこは、小さいころから可愛いと言われ続けてきました。
両親は本当にそう思って育ててくれたのです。
そして、きりこが小学校一年生のときに、体育館の裏で出会った黒猫の
ラムセス2世も、ネコ的に見るときりこは最高なのでした。
きりこの目は水に戻す前のひじきのような、何にでも寄り添える愛嬌があり、
大きく右にひしゃげた鼻は頼もしい目印となり、
ぶわぶわの頬っぺたをきりこが眠っているときに踏むと、
肉球が気持ちよくてたまらないのです。
なんといっても、ガチャガチャの歯並びは最大の魅力で、
難解な生え方は冒険心と探求心をあおられ、
何時間も見つめていられるのです。
こうして黒猫のラムセス2世をすっかりとりこにしたきりこ。
自信にあふれた態度で、小学生のときにクラスメートを仕切っていたきりこ。
あるとき、バカ男子の投げつけた心ない言葉で
ルッキズムの罠にはまるのですが、きりこはまったくめげないのです。
そんな物語を読んでいると、こちらも面白おかしく勇気づけられるのですね。
ルッキズムには無理に対抗せず、猫とともに新しい世界を開いていく
きりこの潔さは感動的ですらあります。
とても著者らしい作品だと思いました。
いい話を笑い飛ばして書くことのできる稀有な才能を持った人だと思います。
最近、著者の作品はいいものが続いていますが、
こういう原点のような楽しい作品も読んでみたいなと思いました。
西加奈子さんは、本が好き! で教えてもらった作家で、
初めて読んだ「円卓」を気に入って読み続けています。
最近は、直木賞を受賞したりして本格的な作品が増えており、
すごいな! と楽しめるのですが、初期の頃のこの作品を読むと、
小説って楽しいな! と気分が高揚し、西加奈子さんの魅力の原点を知る
気持ちになりました。
読んでみて、笑いましたね。言葉にぐっと詰まりましたね。
そして、じーんときましたよ。
きりこは、ぶすである。
最初の一文です。
そこ、強調するかなーと思いつつ、続く段落からも、このキラーワードが
ばんばん投げ込まれてくるのです。
アホ男子が、わーわーと爆竹を投げ込み、喜んでいるのとほとんど同じです。
この始まりは、言うなればこの作品らしさにあふれているんですね。
タブー的なものを、なあんだそんなもんとぶっ飛ばしてくれるのです。
きりこは、小さいころから可愛いと言われ続けてきました。
両親は本当にそう思って育ててくれたのです。
そして、きりこが小学校一年生のときに、体育館の裏で出会った黒猫の
ラムセス2世も、ネコ的に見るときりこは最高なのでした。
きりこの目は水に戻す前のひじきのような、何にでも寄り添える愛嬌があり、
大きく右にひしゃげた鼻は頼もしい目印となり、
ぶわぶわの頬っぺたをきりこが眠っているときに踏むと、
肉球が気持ちよくてたまらないのです。
なんといっても、ガチャガチャの歯並びは最大の魅力で、
難解な生え方は冒険心と探求心をあおられ、
何時間も見つめていられるのです。
こうして黒猫のラムセス2世をすっかりとりこにしたきりこ。
自信にあふれた態度で、小学生のときにクラスメートを仕切っていたきりこ。
あるとき、バカ男子の投げつけた心ない言葉で
ルッキズムの罠にはまるのですが、きりこはまったくめげないのです。
そんな物語を読んでいると、こちらも面白おかしく勇気づけられるのですね。
ルッキズムには無理に対抗せず、猫とともに新しい世界を開いていく
きりこの潔さは感動的ですらあります。
とても著者らしい作品だと思いました。
いい話を笑い飛ばして書くことのできる稀有な才能を持った人だと思います。
最近、著者の作品はいいものが続いていますが、
こういう原点のような楽しい作品も読んでみたいなと思いました。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
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- 出版社:角川グループパブリッシング
- ページ数:210
- ISBN:9784048739313
- 発売日:2009年04月29日
- 価格:1365円
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