たけぞうさん
レビュアー:
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著者のチャレンジ作品。 #カドイカ
「カドイカさんとひらけば夏休みフェア2024に挑戦!」参加書評です。
著者の作品をそこそこ読んでいて、好きな作品が多いです。ミステリーの評判が高いのですが、ミステリー以外もあるんですね。わたしは、秘密という恋愛系の作品が好きです。映画化もされたヒット作です。ほかにも、初期のころには本格ミステリーでトリック重視にチャレンジもしています。
この作品は、2004年初出なので、出世作の容疑者の献身よりも前のリリースです。不倫を物語の中心におき、謎要素を少し混ぜた作品です。著者の作品群の中で、わたしは初めて読んだ題材です。この作品以降、ミステリーで大ヒット作をいくつも出していることを考えると、成功しているとは言いにくいのですが、作風を広げるための試行錯誤だと考えるとファンには面白い立ち位置なのかもしれません。
不倫する奴なんで馬鹿だと思っていた、という一文で物語は始まります。主人公は渡部。建設会社の電気一課の主任で、四十才くらいです。職場に、秋葉という派遣社員が入ってきました。変に意固地な人で、渡部も負けじと張り合ううちになんだか仲良くなってしまうという、頭だけで考えたような展開で不倫関係になっていきます。
その後の二人のやり取りや、奥さんに隠すときの態度も、どうにも迫力不足で著者が無理している感がありました。途中で謎要素が挟まれていることに気がついたのですが、結末が見え透いていて、やはり物語の主題は不倫なんだと思いました。実は、自分の予想は違っていたのですが、ずれても驚かず、ああ、そうなったのねという感覚でした。冷めちゃったのです。
一番の課題は、不倫の場面に子どもっぽさを感じたところでしょうね。背徳の恋愛は、もっとどろどろした心情に陥るはず、、、でも、それこそが思い込みなのかもしれません。わたしは不倫どころか、はるか手前の関係すらかすりもしないのですが、不倫の現実は案外これくらいあっさりしたものだよとなったら驚愕でしょうね。
エピローグのおまけは不要でした。その代わりに、不倫の真実性を高めるものが書かれていたら、この物語はとんでもない作品になったかもしれません。著者にとってのお試し作品です。
著者の作品をそこそこ読んでいて、好きな作品が多いです。ミステリーの評判が高いのですが、ミステリー以外もあるんですね。わたしは、秘密という恋愛系の作品が好きです。映画化もされたヒット作です。ほかにも、初期のころには本格ミステリーでトリック重視にチャレンジもしています。
この作品は、2004年初出なので、出世作の容疑者の献身よりも前のリリースです。不倫を物語の中心におき、謎要素を少し混ぜた作品です。著者の作品群の中で、わたしは初めて読んだ題材です。この作品以降、ミステリーで大ヒット作をいくつも出していることを考えると、成功しているとは言いにくいのですが、作風を広げるための試行錯誤だと考えるとファンには面白い立ち位置なのかもしれません。
不倫する奴なんで馬鹿だと思っていた、という一文で物語は始まります。主人公は渡部。建設会社の電気一課の主任で、四十才くらいです。職場に、秋葉という派遣社員が入ってきました。変に意固地な人で、渡部も負けじと張り合ううちになんだか仲良くなってしまうという、頭だけで考えたような展開で不倫関係になっていきます。
その後の二人のやり取りや、奥さんに隠すときの態度も、どうにも迫力不足で著者が無理している感がありました。途中で謎要素が挟まれていることに気がついたのですが、結末が見え透いていて、やはり物語の主題は不倫なんだと思いました。実は、自分の予想は違っていたのですが、ずれても驚かず、ああ、そうなったのねという感覚でした。冷めちゃったのです。
一番の課題は、不倫の場面に子どもっぽさを感じたところでしょうね。背徳の恋愛は、もっとどろどろした心情に陥るはず、、、でも、それこそが思い込みなのかもしれません。わたしは不倫どころか、はるか手前の関係すらかすりもしないのですが、不倫の現実は案外これくらいあっさりしたものだよとなったら驚愕でしょうね。
エピローグのおまけは不要でした。その代わりに、不倫の真実性を高めるものが書かれていたら、この物語はとんでもない作品になったかもしれません。著者にとってのお試し作品です。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:角川書店
- ページ数:336
- ISBN:9784048737883
- 発売日:2007年07月01日
- 価格:1680円
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