ソレイユさん
レビュアー:
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映画やミュージカルとはひと味違う
ミュージカルと映画、そしてあのジャジャジャジャジャーンの音楽で有名なオペラ座の怪人の原作。前から読んでみたかったんだ、これ!
そもそもこの作品との出会いは中学の修学旅行で見た劇団四季のミュージカル。それまで特に興味なかったのに、ミステリアスなファントムにたちまちハマッてしまった。
この作品は作者のガストン・ルルー(実は小説家ではなくジャーナリストだったらしい)が30年前に起こった謎の事件と『オペラ座の怪人』の調査結果を記事にしたという特殊な設定がある。
けれど、所々出てくるその客観的な設定が臨場感を台なしにしていて残念。「30年前、怪人がこんな恐ろしい事件を起こしたんだぜ!怖くない?」って言われてもなぁ。
その他の場面、つまり30年前のシーンは勢いがあってよかった。訳もかなりかみ砕いてあって読みやすい。
楽しんで読めたが、ミュージカル版やそれをもとにした映画版とは随分毛色が違う。ミュージカルはクリスティーヌとラウル、そしてファントムの三角関係が中心で、それによって奇妙な事件が起きるといった感じ。一方この原作は恋愛というよりホラー要素が強め。三角関係ではなくファントム→クリスティーヌ→←ラウルなので、作中の時間枠においてファントムはひたすらストーカーとして扱われている。ミュージカル版のクリスティーヌはファントムに怯えながらもどこか惹かれてしまうのに対し、原作は本気で怯えていた。
さらにミュージカルはクリスティーヌが話の中心なのに対し、原作はほとんどラウルの視点で描かれている。後半に至っては『ペルシャ人』の視点。
個人的には三角関係を強調したミュージカル(いわゆるウェバー版)のほうが好みだけど、やはりミュージカル史に残る傑作を生みだした作品だけあって、読みごたえは抜群。この作品に憑りつかれた人が全世界に存在するのも頷ける。なにせ私もその一人で、実際にフランスのガルニエ宮まで行ってしまうくらいなのだから。
クリスティーヌに選んでもらえなかったぶん、『オペラ座の怪人』は世界中で愛されているに違いない。
そもそもこの作品との出会いは中学の修学旅行で見た劇団四季のミュージカル。それまで特に興味なかったのに、ミステリアスなファントムにたちまちハマッてしまった。
この作品は作者のガストン・ルルー(実は小説家ではなくジャーナリストだったらしい)が30年前に起こった謎の事件と『オペラ座の怪人』の調査結果を記事にしたという特殊な設定がある。
けれど、所々出てくるその客観的な設定が臨場感を台なしにしていて残念。「30年前、怪人がこんな恐ろしい事件を起こしたんだぜ!怖くない?」って言われてもなぁ。
その他の場面、つまり30年前のシーンは勢いがあってよかった。訳もかなりかみ砕いてあって読みやすい。
楽しんで読めたが、ミュージカル版やそれをもとにした映画版とは随分毛色が違う。ミュージカルはクリスティーヌとラウル、そしてファントムの三角関係が中心で、それによって奇妙な事件が起きるといった感じ。一方この原作は恋愛というよりホラー要素が強め。三角関係ではなくファントム→クリスティーヌ→←ラウルなので、作中の時間枠においてファントムはひたすらストーカーとして扱われている。ミュージカル版のクリスティーヌはファントムに怯えながらもどこか惹かれてしまうのに対し、原作は本気で怯えていた。
さらにミュージカルはクリスティーヌが話の中心なのに対し、原作はほとんどラウルの視点で描かれている。後半に至っては『ペルシャ人』の視点。
個人的には三角関係を強調したミュージカル(いわゆるウェバー版)のほうが好みだけど、やはりミュージカル史に残る傑作を生みだした作品だけあって、読みごたえは抜群。この作品に憑りつかれた人が全世界に存在するのも頷ける。なにせ私もその一人で、実際にフランスのガルニエ宮まで行ってしまうくらいなのだから。
クリスティーヌに選んでもらえなかったぶん、『オペラ座の怪人』は世界中で愛されているに違いない。
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ファンタジー大好き!ライトノベルも大好き!な本の虫。特に西洋ものには目がない。
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- 出版社:角川書店
- ページ数:458
- ISBN:9784042840015
- 発売日:2000年02月01日
- 価格:780円
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