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ぷるーと
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異色のコンビが、大人たちを翻弄する。
岩波少年文庫100冊マラソン52冊目。

点子ちゃん(本名ルイーゼ)は、散歩用ステッキ製造所の支配人をつとめる父親を持つ裕福な家のお嬢さん。何不自由ない生活を送っているのだが、両親が全くかまってくれなくて退屈なのか、子ども特有の想像力からなのか、「貧しさのあまり物乞いをする少女」の芝居に夢中になっている。

点子ちゃんには、両親に内緒にしていることがあった。それは、道でばったり会って意気投合した同い年のアントンという友だちができたこと。
アントンは、病気で寝込んでいる母親の看病をしている。でも、貧しさや今の状況にも暗くもならず、明るく健気に日々を過ごしている。
点子ちゃんは家庭教師との散歩を日課にしていたから、家庭教師のアンダハト嬢が許嫁とダンスに行けるようはからい、自分はその間にアントンの家に行くことにした。アントンの家や彼の暮らしぶりは点子ちゃんには驚くことばかりだった。

この2人、全く違う環境に育ち、性格も全然違うのに、なぜかうまがあった。そして、2人で一緒に行動するだけでなく、独自の判断で相手のために動いた。
お母さんファーストな優しいアントンが点子ちゃんにひかれたのは、自分とは全く違う暮らしをしていながらいばることもなく、ちょっと奇抜な点子ちゃんの行動が新鮮で面白かったからだろうか。

後半では点子ちゃんの家庭教師が事件を起こすのだが、これは、自分たちがちゃんと子どもの世話をするどころかこんな家庭教師しか見つけられなかった点子ちゃんの両親(特に母親)への痛烈なあてつけなのだろう。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2943 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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