DBさん
レビュアー:
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ホームズの兄と宿敵の話
シャーロック・ホームズの短編集です。
ホームズの冒険と比較してしまうと、どうしても新鮮味にかけてしまう部分もあるが。
それを補っているのがホームズがまだ学生の時の事件の話とマイクロフトの登場でしょう。
友人がいなかったと公言するホームズだが、たまにワトソン君のような交流が持てる相手がいたようです。
学生時代の唯一の友人に誘われ彼の自宅へと訪れた日の思い出が語られる。
悲劇を防ぐことはできなかったが、探偵ホームズの道を開いたエピソードですね。
そしてマイクロフトも登場回数は少ないものの、存在感は大きい。
兄弟の推理合戦は笑えます。
このふたりがカフェにでも並んで座って、道行く人を観察して意見交換なんかしていた日にはまる一日聞いていても飽きないかも。
そしてホームズ兄弟を生んだ両親がどんな人たちだったのかが気になる。
きっと聖人のような人の良い親か芸術肌系か、どちらにしても突き抜けてるんだろうと思っているのだけど。
この巻で一番の事件はやはりモリアティ教授が出てくるところでしょう。
アーサー王といえばモルドレッド、ホームズといえばモリアティというくらい有名な最強の敵役です。
ホームズをして悪事の天才と呼ばしめたモリアティ教授ですが、ホームズシリーズでモリアティ教授が出てくるのはこの短編のみなんだよね。
あとは部下がちょっと出てきたり、ホームズの口からたまに名前が出てくるくらいです。
ただ、作者が話を御終いにしようとひねり出したエピソードのような雰囲気もなくはない。
ワトソン相手に巨大な敵を相手に危険を冒していると繰り返してはいるけれど、どんな罠を仕掛け合っているのかがまったくもって語られていないんだもの。
しかしこのホームズとモリアティ教授の直接対決のシーンはどんな映画でもはずせない山場になるので、やはり重要なエピソードであることに変わりはないのでしょう。
これで終わりにならなくてよかったと思うので、ドイルが医者として成功しなかったのは運命でしょう。
他にもちょっと猟奇的な雰囲気もあるマスグレーヴ家の事件、それにホームズ唯一の黒星とも言うべき黄色い顔の事件などなど。
ギリシャ語通訳の話も死人が出て犯人が消え失せているからどちらかといえば黒星じゃないかと思うんだけど、ホームズにとっての事件とは犯人を捕まえられたというよりは謎を解いたというところで白黒判定してるようなのでよしとしよう。
競馬馬の疾走に絡んだ殺人事件や、軍隊絡みの殺人事件など背景が変化していくのが飽きないコツなのかもしれない。
どれもうまくまとまっていて楽しめました。
ホームズの冒険と比較してしまうと、どうしても新鮮味にかけてしまう部分もあるが。
それを補っているのがホームズがまだ学生の時の事件の話とマイクロフトの登場でしょう。
友人がいなかったと公言するホームズだが、たまにワトソン君のような交流が持てる相手がいたようです。
学生時代の唯一の友人に誘われ彼の自宅へと訪れた日の思い出が語られる。
悲劇を防ぐことはできなかったが、探偵ホームズの道を開いたエピソードですね。
そしてマイクロフトも登場回数は少ないものの、存在感は大きい。
兄弟の推理合戦は笑えます。
このふたりがカフェにでも並んで座って、道行く人を観察して意見交換なんかしていた日にはまる一日聞いていても飽きないかも。
そしてホームズ兄弟を生んだ両親がどんな人たちだったのかが気になる。
きっと聖人のような人の良い親か芸術肌系か、どちらにしても突き抜けてるんだろうと思っているのだけど。
この巻で一番の事件はやはりモリアティ教授が出てくるところでしょう。
アーサー王といえばモルドレッド、ホームズといえばモリアティというくらい有名な最強の敵役です。
ホームズをして悪事の天才と呼ばしめたモリアティ教授ですが、ホームズシリーズでモリアティ教授が出てくるのはこの短編のみなんだよね。
あとは部下がちょっと出てきたり、ホームズの口からたまに名前が出てくるくらいです。
ただ、作者が話を御終いにしようとひねり出したエピソードのような雰囲気もなくはない。
ワトソン相手に巨大な敵を相手に危険を冒していると繰り返してはいるけれど、どんな罠を仕掛け合っているのかがまったくもって語られていないんだもの。
しかしこのホームズとモリアティ教授の直接対決のシーンはどんな映画でもはずせない山場になるので、やはり重要なエピソードであることに変わりはないのでしょう。
これで終わりにならなくてよかったと思うので、ドイルが医者として成功しなかったのは運命でしょう。
他にもちょっと猟奇的な雰囲気もあるマスグレーヴ家の事件、それにホームズ唯一の黒星とも言うべき黄色い顔の事件などなど。
ギリシャ語通訳の話も死人が出て犯人が消え失せているからどちらかといえば黒星じゃないかと思うんだけど、ホームズにとっての事件とは犯人を捕まえられたというよりは謎を解いたというところで白黒判定してるようなのでよしとしよう。
競馬馬の疾走に絡んだ殺人事件や、軍隊絡みの殺人事件など背景が変化していくのが飽きないコツなのかもしれない。
どれもうまくまとまっていて楽しめました。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:新潮社
- ページ数:350
- ISBN:9784102134030
- 発売日:1986年11月03日
- 価格:540円
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