星落秋風五丈原さん
レビュアー:
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終わって始まる家族もある
ハチミツドロップスの著者、草野さんの作品。
両親の離婚を前に、父親の希望で家族で北海道旅行に出かける中学生・双葉が、物語の主人公。『ハチミツ~』では、主人公の妹が「或るモノ」を食べるシーンがさりげなく出てくる。
そしてこの「或るモノを食べる行為」が、家族の秘密と繋がっている。『メジルシ』でも、『ハチミツ~』と同じく、主人公がこだわっている「或るモノ」が冒頭からさりげなく出て来て、家族の秘密と繋がる。好意を素直に表す父・健一と、感情を表に表せない母・美樹。夫の好意を鬱陶しく感じる美樹も、受け入れてもらえない健一も、どちらの心も痛い。
「好きな人に喜んでもらいたい」という思いと、「喜んでもらって、自分を好きになってもらえればいい」という気持ちを線引きするのは、とても難しいから。祖母と母・美樹と双葉、母娘三代の関係は、よしながふみさんの漫画『愛すべき娘たち』の最終話を彷彿とさせた。
草野たき作品
ハチミツドロップス
両親の離婚を前に、父親の希望で家族で北海道旅行に出かける中学生・双葉が、物語の主人公。『ハチミツ~』では、主人公の妹が「或るモノ」を食べるシーンがさりげなく出てくる。
そしてこの「或るモノを食べる行為」が、家族の秘密と繋がっている。『メジルシ』でも、『ハチミツ~』と同じく、主人公がこだわっている「或るモノ」が冒頭からさりげなく出て来て、家族の秘密と繋がる。好意を素直に表す父・健一と、感情を表に表せない母・美樹。夫の好意を鬱陶しく感じる美樹も、受け入れてもらえない健一も、どちらの心も痛い。
「好きな人に喜んでもらいたい」という思いと、「喜んでもらって、自分を好きになってもらえればいい」という気持ちを線引きするのは、とても難しいから。祖母と母・美樹と双葉、母娘三代の関係は、よしながふみさんの漫画『愛すべき娘たち』の最終話を彷彿とさせた。
草野たき作品
ハチミツドロップス
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2005年より書評業。外国人向け情報誌の編集&翻訳、論文添削をしています。生きていく上で大切なことを教えてくれた本、懐かしい思い出と共にある本、これからも様々な本と出会えればと思います。
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- 出版社:講談社
- ページ数:194
- ISBN:9784062146203
- 発売日:2008年05月16日
- 価格:1260円
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