薄荷さん
レビュアー:
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作家、映画監督、写真家、漫画家、詩人、評論家、作曲家、演出家・・・と、多種多様な分野で活躍した人たちの愛した「おやつ」にスポットを当てた本です。
表紙のおいしそうなホットケーキは、池波ファンならご存知の『万惣フルーツパーラー』の品です。
このシンプルなホットケーキの、ひと目で美味しさがわかる気品ときたら・・・。
作品にも多くの『美味しいもの』を書いている池波氏については、6ページに渡って美味しくて粋なおやつが語られています。
特に『村上開新堂』さんの『好事福盧(キュラソー入りオレンジゼリー)』!可愛らしくて上品で真面目に美味しそうなのです。
作家たちが訪れた素敵なお菓子屋さん&喫茶店・パーラーも写真付きで紹介されているので、行きたくてたまらなくなります。
でも・・・小津安二郎監督のお気に入りだった神保町の洋菓子店『柏水堂』さんは、ショックなことに去年の春に閉店されてました。オシャレでクラシカルな店内、創業当時から残るステンドグラス、手作りのプードルケーキ・・・ああ、憧れのお店が行く前に消えているなんて…。
現在も元気に営業中の『フランス菓子のカド』さんは、川端康成の友人の息子が開いた洋菓子店で、開店の折に書いた直筆推薦文が今もお店にあるんだとか。
三島由紀夫もここのプチ・ガトーがお気に入りで、配達を頼むほどだった・・・とのことです。
そんなプチ・ガトーもクッキーもお店自慢のシェル型マドレーヌも美味しそうですが、食べログみてたらものすごく可愛い『コショネ』というブタさんケーキに目を奪われまして…ぶたぶたさんもこのお店に来るのかしら・・・とか妄想に浸ってしまいました(笑)。
作家たちの書斎+おやつの情景を復元した写真はどれも物語を感じさせます。
久世光彦氏の書斎の壁に張り付けてある大量の切り抜きとメモと、ワープロのそばに置かれたウエファースとカルケット。
瀧口修造氏の書斎を埋め尽くす本とオブジェと絵画の数々と、低いテーブルに置かれたケーキとコーヒーとタバコ。
澁澤龍彦氏の書斎の壁全てに作りつけられた書棚から溢れんばかりの本の中に佇む、四谷シモンの人形と巨大な地球儀とテーブルに置かれた木の実たち。
その部屋の主は現世にはいないけれど、その個性と物語は強烈にその場に留まっているのです。(そして本好きならページに目をくっつけて、書名を確認しようとするはず)
好みの食=その人となりを映し出す魔法の鏡です。
まして毎日の基本的な食事ではなく、別に無くてもいい「おやつ」は本当に好みだけが表れる、記憶と感性に直結した主張の強い食べ物だと思います。
だからこそ殊更に、あの人はこんなおやつをこんな風に食べてたんだ~と、読んで楽しい眺めて美味しい本なのです。
・・・が。
ページが全然はかどらない&レビューも全然はかどらない・・・。
何故なら、紹介された作家の気になる作品や、食べたいお菓子の名前と店をいちいちメモしていたからです。(エクセルで一覧表作っちゃいましたよ(笑))
まずは作品を図書館検索ページでチェック。そしてここから他の本の内容やら、関連本やらを見始めて・・・すわっ!脱線してる!Σ( ̄□ ̄;)
お菓子店をグーグルマップで検索して自宅からのルートをチェックし、食べログでメニューやら内装やらを確認し、情報だけが豊富になったところで≪そのお店を訪ねる場合、できたら近くの本屋とかにも寄って・・・≫などの妄想にふけり・・・すわわっ!また脱線してる!!Σ( ̄□ ̄;)
そんなこんなで、全部読み終わるまで&レビューをここまで書くのに、どれだけの余計な(楽しい)時間がかかった事か・・・(笑)
そんなカンジに1冊でページの100倍くらいお楽しみいただける本ですので、本と美味しいもの(特に甘いもの)好きの方すべてに、お勧めいたします。
このシンプルなホットケーキの、ひと目で美味しさがわかる気品ときたら・・・。
作品にも多くの『美味しいもの』を書いている池波氏については、6ページに渡って美味しくて粋なおやつが語られています。
特に『村上開新堂』さんの『好事福盧(キュラソー入りオレンジゼリー)』!可愛らしくて上品で真面目に美味しそうなのです。
作家たちが訪れた素敵なお菓子屋さん&喫茶店・パーラーも写真付きで紹介されているので、行きたくてたまらなくなります。
でも・・・小津安二郎監督のお気に入りだった神保町の洋菓子店『柏水堂』さんは、ショックなことに去年の春に閉店されてました。オシャレでクラシカルな店内、創業当時から残るステンドグラス、手作りのプードルケーキ・・・ああ、憧れのお店が行く前に消えているなんて…。
現在も元気に営業中の『フランス菓子のカド』さんは、川端康成の友人の息子が開いた洋菓子店で、開店の折に書いた直筆推薦文が今もお店にあるんだとか。
三島由紀夫もここのプチ・ガトーがお気に入りで、配達を頼むほどだった・・・とのことです。
そんなプチ・ガトーもクッキーもお店自慢のシェル型マドレーヌも美味しそうですが、食べログみてたらものすごく可愛い『コショネ』というブタさんケーキに目を奪われまして…ぶたぶたさんもこのお店に来るのかしら・・・とか妄想に浸ってしまいました(笑)。
作家たちの書斎+おやつの情景を復元した写真はどれも物語を感じさせます。
久世光彦氏の書斎の壁に張り付けてある大量の切り抜きとメモと、ワープロのそばに置かれたウエファースとカルケット。
瀧口修造氏の書斎を埋め尽くす本とオブジェと絵画の数々と、低いテーブルに置かれたケーキとコーヒーとタバコ。
澁澤龍彦氏の書斎の壁全てに作りつけられた書棚から溢れんばかりの本の中に佇む、四谷シモンの人形と巨大な地球儀とテーブルに置かれた木の実たち。
その部屋の主は現世にはいないけれど、その個性と物語は強烈にその場に留まっているのです。(そして本好きならページに目をくっつけて、書名を確認しようとするはず)
好みの食=その人となりを映し出す魔法の鏡です。
まして毎日の基本的な食事ではなく、別に無くてもいい「おやつ」は本当に好みだけが表れる、記憶と感性に直結した主張の強い食べ物だと思います。
だからこそ殊更に、あの人はこんなおやつをこんな風に食べてたんだ~と、読んで楽しい眺めて美味しい本なのです。
・・・が。
ページが全然はかどらない&レビューも全然はかどらない・・・。
何故なら、紹介された作家の気になる作品や、食べたいお菓子の名前と店をいちいちメモしていたからです。(エクセルで一覧表作っちゃいましたよ(笑))
まずは作品を図書館検索ページでチェック。そしてここから他の本の内容やら、関連本やらを見始めて・・・すわっ!脱線してる!Σ( ̄□ ̄;)
お菓子店をグーグルマップで検索して自宅からのルートをチェックし、食べログでメニューやら内装やらを確認し、情報だけが豊富になったところで≪そのお店を訪ねる場合、できたら近くの本屋とかにも寄って・・・≫などの妄想にふけり・・・すわわっ!また脱線してる!!Σ( ̄□ ̄;)
そんなこんなで、全部読み終わるまで&レビューをここまで書くのに、どれだけの余計な(楽しい)時間がかかった事か・・・(笑)
そんなカンジに1冊でページの100倍くらいお楽しみいただける本ですので、本と美味しいもの(特に甘いもの)好きの方すべてに、お勧めいたします。
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スマホを初めて買いました!その日に飛蚊症になりました(*´Д`)ついでにUSBメモリーが壊れて書きかけレビューが10個消えました・・・(T_T)
この書評へのコメント
- Wings to fly2016-06-21 08:35
神田の万惣さん、閉店しちゃったんですよね(-_-) 平松洋子さんも残念がってエッセイに書いてました。黒蜜がけのホットケーキ、もう一度食べたい〜〜!
そして私も、薄荷さんの体験レポートが読みたいです。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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- 出版社:平凡社
- ページ数:130
- ISBN:9784582634426
- 発売日:2009年01月01日
- 価格:1680円
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