思い出袋




「私的な回想を手がかりに、歴史や思想へと接続するエッセイ集」(南陀楼綾繁:『図書』1月号)とあったので、手にとってみました。読み始めてみると…
ハーヴァード大学卒業の哲学者の書いたエッセイということで、かしこまって読み始めましたが、読み進むうち…

本が好き! 1級
書評数:778 件
得票数:15468 票
後期高齢者の立場から読んだ本を取り上げます。主な興味は、保健・医療・介護の分野ですが、他の分野も少しは読みます。でも、寄る年波には勝てず、スローペースです。画像は、誕生月の花「紫陽花」で、「七変化」ともいいます。ようやく、700冊を達成しました。




「私的な回想を手がかりに、歴史や思想へと接続するエッセイ集」(南陀楼綾繁:『図書』1月号)とあったので、手にとってみました。読み始めてみると…
ハーヴァード大学卒業の哲学者の書いたエッセイということで、かしこまって読み始めましたが、読み進むうち…




昨年亡くなった、著者が、雑誌『図書』に2010年から13年に連載した、同名のエッセイをもとにしてつくった本です。
『図書』2024年1月号は、「岩波新書〈新赤版2000点突破記念〉特集号です。そのなかで、南陀楼綾繁…




「道草を食う」とは、〈馬が路傍の草を食って進行が遅くなる〉という原義に対して、この本の「道草を食む」とは、本当に道端に生えている草を食べることです。
春の七草で、この本に登場しているのは、ナズナ、ハコベですが、ナズナは、ゴマ油と中華だしでナムル風の和…




2020年7月~2023年8月まで、政府の新型コロナウィルス感染症対策分科会会長を務めた筆者の、100の提言の裏にあった、100のドラマを自ら描いた「唯一のコロナ手記」です。まだ、生々しい気がします。
400頁を超えるこの本の構成は、次の通りです。 プロローグ 第1部 パンデミックと専門家(3…





落合恵子さんの「クレヨンハウス」が吉祥寺に移転したので、行ってきました。そこで、求めた「おとな(向き)の絵本)」の一冊です。イタリア人作家の本を、須賀敦子が訳しています。
最初に「太陽は雲にかくれている。」が描かれています。 扉を開くと、「~雲はゆっくりとうごいて、空に…




2005年に69歳で死去した、倉橋由美子の短編作品を、桜庭一樹が編纂し、「はじめに」と「対談 永遠の憧れ、倉橋由美子」で王谷晶と再評価を試みたのが、この本の成り立ちのようです。解説は、小平麻美子です。
この本に収められているのは、短編小説で、夏の終り(1960年)、合成美女(61年)、亜依子たち(65…



1948年のユダヤ人国家としてのイスラエル建設は、どのような背景のもとになされたのか?それは、今から2600年以上も前の「バビロニア捕囚」という出来事に始まることを示す、ユダヤ史の専門家が書た本です。
「バビロニア捕囚」とは、「紀元前597年および紀元前587/6年、新バビロニア王国のネブカドネツァル…




この本でいう「エコクリティシズム」とは、文学と環境の関係を研究することであり、この分野を研究することで、地球と向き合う想像力を掘り起こし、未来を切り開く実践ができると、筆者はいいます。新しい視点です。
現在、問題になっている「環境の危機」とは、突き詰めると「共感的な想像力」の欠如が招いた結果であるとい…




2023年3月28日に亡くなった、坂本龍一を追悼した「総特集」です。
坂本龍一、って何者なのか?亡くなってから、10か月で出されたこの「総特集」には、46人もの筆者がそれ…



心療内科医の書いた中高年者の質問に答えた本です。そこでは、一人の人間として尊重され、他の人との温かいつながりがあれば、幸せに生きることができるということのようです。では、具体的にはどうすればいいのか?
人生百年時代になると、引退(後)のステージだけが、途方もなく長くなり、悠々自適の生活を送る、という旧…



この二年ばかりの間に書いた30編の評論集です。取り上げているテーマは、老い、幸福、人間、天才、怪獣、体験、箱庭、物語、正義、リア充、悪、震災、左翼、日常系、謎解き、老成、家族…と多岐にわたっています。
筆者が、この本で強調していることは、次のような点です。 ①今日の情報環境下では、「虚構」の位置づけ…




鴨長明から永井路子に至るまでの、40人を超える作家たちの生家や旧居を訪ねて、写真に撮り、そのたたずまいや所縁などを記した本です。昔の作家たちは、立派な家を構えていたことが分かります。
この本に収録されている建物の中で、国の史跡、重要文化財や登録文化財に指定されているのは、太宰治の生家…



筆者は、糖尿病の専門医ですが、食事で認知症を防ぎ、100歳まで生きることができると言います。
筆者は、次のように言っています。 ◎アルツハイマー病は脳の糖尿病 ◎認知症という病気は、20…



介護保険が、始められてから、20年以上たった今でも「魂のケア」主役が、家族であることには、変わりありません。そのような中で、家族や友人はどうすればいいのか。
この本のはじめに、筆者のまわりで、ケア中心の社会とは何かを考え、三つの例を、述べています。 そ…




エッセイとは何か、時代とエッセイ、女性とエッセイ、エッセイの未来について書いています。
1.エッセイとは何か 「エッセイ」という言葉は、もともとフランス語で「試み」の意なのだそうです。筆者…




大学卒業後、おもちゃメーカーに入社して、開発に携わった「メロディボール」は目の不自由な子供たちに人気商品になったそうです。その後、玩具業界全体に広がった意外な波とは、どのようなものだったのでしょうか。
この本は、障害のあるなしにかかわらず、老若男女の誰もが安心して暮らせる社会にするための、ヒント集です…



筆者の昆虫愛は、年季が入っていて、小学生になる前から、ファーブル『昆虫記』にハマっていたというのですから、尋常ではありません。そして、自分で、憧れの未知の虫を探し、体当たりで取材した成果がこの本です。
この本は、一般的な「昆虫」を扱った本ではありません。目次と、項目は次の通りです。 第1章 咬ま…




「グローバルヘルス」とは、あまり聞きなれない言葉ですが、「世界中のすべての人々の健康の公平性を達成することと人々の健康の改善に優先順位を置く、研究・調査・実施のための一分野」と定義されているそうです。
筆者は、2020年に、アフリカ・コートジボアール共和国保健大臣顧問を最後に、22年間にわたるJICA…




アメリカ人は、先進国で最も宗教的な国民となり、一応世界一の大国として君臨している。世俗的な意味での「神の国」とか「宗教大国」と呼ばれることも、むべなるかなと思う。と「はじめに」に筆者は書いています。
巻頭に「アメリカの地域別宗教熱心度」というのが掲載されています。宗教熱心度を「最も熱心」から「最も熱…





2020年4月3日に79歳で死去した、C・Wニコルの生涯をたどり、彼が一生かけて求めたものを、地元の元小学校校長で黒姫童話館館長であった、作家の目を通して書いた評伝です。
C.W.ニコルは、1940年7月に英国ウェールズ・ニースに生まれ、実父はシンガポールで日本軍と戦い、…