2312〈上下巻〉 (太陽系動乱)
うーむ、これがSFというものなのか。
2012年のネビュラ賞受賞作。書店で見かけた際に帯の煽り文句に惹かれて手に取るも、上下2冊という長さ…
本が好き! 2級
書評数:20 件
得票数:183 票
暇さえあれば書店めぐりをしている名古屋在住のおっさんです。日々ものすごい勢いで増殖する本と、それと裏腹に軽くなっていく財布との戦いの毎日ですが、やっぱり本が大好きです。
うーむ、これがSFというものなのか。
2012年のネビュラ賞受賞作。書店で見かけた際に帯の煽り文句に惹かれて手に取るも、上下2冊という長さ…
警察官が己れの信条に従い、法を超えて犯罪組織を私的に裁くことは許されるのか? 相棒の真実を知ったとき自分ならどう行動するだろうか。
狩人シリーズ最新作である。 「新宿鮫」シリーズが著者の代表作であることに異論は無いだろうが、個人的…
フィンランドで一番人気、女性刑事マリアを主人公とするシリーズの邦訳第3弾。
タイトルに惹かれ読んでみたいと思っていたところ運良く献本をいただけることになり、慌てて前2作を買い込…
気がつくと全身から汗がにじみ出ていた。これほどに悪辣な、これほどに憎むべき人間が存在するのか。小説の登場人物に本気で怒りを覚えたのは初めての経験だった。間違いなく伊岡瞬の代表作となるだろう。
遠縁の関係にある二人の少年、啓輔と達也。同い年の彼らだが、当然のことながら育った環境は異なり、性格も…
男の、一人の女性への狂おしいほどの愛。その思いが裏切られたことが全ての発端だった。 陰鬱な屋敷の花嫁たちを襲う様々な怪異と彼らの愛、裏切り、献身、復讐、そして救済を重厚な筆致で描く傑作。
1840年、アバダール屋敷の愛らしい双子の娘たちのもとに招かれた女家庭教師アリス・テターマンが屋敷に…
早く読みたいのに読み終えるのが惜しくて、あえて少しずつ読んでは戻りながら一語一語かみしめたくなる本がある。私にとってこの本はそんな一冊だ。 以下かなり長いです。読んで下さる方申し訳ありません。
中学•高校時代、M君という友人がいた。 彼はその頃すでにフランス語を不自由なく操り、哲学…
巨匠カーの第一長編にして、予審判事バンコランの初登場作品の新訳版。 ウン十年ぶりの再読にテンションは上がりまくりです。
言わずと知れたカーの傑作。中学生の頃旧版を読んでその怪奇趣味やパリの夜に蠢く人々の放つ退廃的な空気に…
イギリスのブラックユーモアの女王、ミュリエル・スパークの日本オリジナル短篇集。
この人の作品は今回初めて読んだのだが、以前から名前と作風についてだけは聞きかじっていて興味を持ち続…
愛する人(たとえそれがストーカーと呼ばれるような歪んだ形の愛であったとしても)の命を奪われた者が復讐に及んだとき、我々はそれを善悪で裁けるか?と問いかける物語、だと思う。
中村文則氏の著作はこれまでほぼ全て読んできており、その独特の空気が沈み込んでいくような緊張感を孕ん…
冲方丁氏の待望の新作。渋川春海、水戸光圀に続く歴史小説第三弾の主人公は、あの清少納言!前の二人を凌ぐ超有名人の戦いと覚醒の日々が和歌や漢詩を交えたリリカルな文体で描かれる。新境地と言えるだろう。
中宮定子に仕え、触れ合うなかで自らのもつ可能性に目覚めていく清少納言。 内裏での華麗な日々とそ…
人間の尊厳とは、そして家族の絆とは何か。考えさせられる一冊だ。
ミステリーとしては叙述トリックの範疇に入るのだろうが、この分野では過去に発表されている折原一や貫井…
宇宙は無から生まれ、今も膨張し続けている。そんな議論を初めて知ったのはいつのことだっただろう。それ以来私の心をなぜか捉えて離さない一つの疑問、それが本書のタイトルである。
幼い頃は宇宙というものに漠然とした興味を抱いていた。神話に登場する星座の物語やアポロ計画のニュースに…
凶悪犯罪の多発により警官の殉職率が東京をはるかに凌駕する街、海市。同僚や身内を亡くした者たちは復讐を誓いマフィアへの報復テロを開始する。
福井県の西端に形成された新興の港湾都市で日本人を駆逐した各国のマフィアが凌ぎをけずる。治安の悪化と…
タイトルを見た瞬間、自分のことかと思ってしまった。
稀覯本の蒐集に取り憑かれた男、ジョン・ギルキー。彼は世の中には富裕な愛書家達(例えば数十万ドルもす…
カリスマ僧侶井上日召のもと、普通の青年たちが’’一人一殺”による’’革命”を目指した血盟団事件。豊富な資料をもとに五・一五事件へとつながっていくこの事件の真相にせまるノンフィクション。
血盟団事件とは、日召と彼を絶対的な指導者と位置付ける若者たちによる二件の要人暗殺事件のことである。…
書楼弔堂という名の風変わりな本屋。訪れる客は泉鏡花、勝海舟など明治期の実在の人物、そして京極堂シリーズの読者なら思わずニヤリとしてしまうあの人も。彼らはそこに「自分の一冊」を求めてやってくる。
京極夏彦氏の作品は過去にそれなりの数を読んでおり、大好きな作家の一人だ。 それに加えて、本書は舞…
重く暗い物語だ。にも関わらずページをめくる手を止めることができず、一気に読み終えた。間違いなく力作だと思う。
小さな村にかつて存在した二軒の旧家、藤屋と斧屋。しかし斧屋は没落し最後の当主の娘である鏡子は自分の娘…
2012年の本屋大賞、翻訳小説部門第1位を獲得した短編小説集
作者のフェルディナント・フォン・シーラッハはドイツの弁護士で、ナチス幹部党員の孫という経歴の持ち主。…
下巻に入るとある意味で予想通りの、別の意味で予想外の展開に。ストーリーのスピード感は増しておりクライマックスに向かってボルテージは上がっていく、のだろうが…。
蓮実の上巻でのクレバーさ・したたかさは、下巻に入るころから徐々に切迫し始める状況の変化に伴い失われて…
一見爽やかそうな教師が一皮むけば別の顔を見せる、なんていうのは現実によくある話。だがこいつは格が違う。
学校という、社会からある意味隔絶された空間は蓮実のようなサイコパスにとっては理想郷とも言えるような場…