私のスフレ





エッセイに限らず、最初の1行でぐっと抱き寄せられたような気分になる作品ってあります。共感とともに長い間自分のなかで言葉として整理できないまましまい込んでいた思いや感情をさらっと一行に置き換えられて「あっ…」と思う瞬間です。

本が好き! 3級
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エッセイに限らず、最初の1行でぐっと抱き寄せられたような気分になる作品ってあります。共感とともに長い間自分のなかで言葉として整理できないまましまい込んでいた思いや感情をさらっと一行に置き換えられて「あっ…」と思う瞬間です。




ヤングアダルトのジャンルで言えばプロブレム小説に相当するのでしょうか?現代人というより人間の気持ちの邪の部分を扇情的にならず淡々と描いているから何とも怖い作品です。




イラストレーターの小泉さよさんによるご自身の暮らしのなかの「ちょっといいこと」がたくさん詰まっています。絵本と同様世代を越えて話が弾む一冊です。



銀のカラトリー、広口保存瓶、様々な表情のコップ、上質なリネンなど使い込まれた品々の並ぶ食卓や蚤の市、歴史というのはまさに生活の積み重ねですね




力みや変な緊張が無く、程良いユルユル感が漂っているのはマガジンハウスのカラーなのでしょう。手触りまでも柔らかいのです。





作品パーツ一つ一つは面白いのに全体のまとめが少し荒い。むしろ映画化されたほうが面白いかもしれません。でも、続編の「ROAD 道」「SMALL STEPS(邦訳未定・2007初夏刊行)」があることを考えるとこれはルイス・サッカーの周到な計略なのかも?




いしいさんが綴るとキューバは日本のどこか(それも関西圏!)にあるような…もしかしたら親戚がいそうな、そんな気がするから不思議です




昔話と同様、昔ながらの暮らしの智恵も口伝の手段が少なくなりつつある現代社会、こんな風に写真とエピソードで綴られた本は本当にありがたいことです。




からくりは、証されたような隠されたような…不思議な読後感でした。それぞれの登場人物の描写が曖昧で輪郭だけ浮かび、全く顔が浮かばないこともそんな読後感に一差ししているのかもしれません。




前作『ペンギンの憂鬱』同様、その構成力は抜群。政治的なことや技術的なことは別にして「あっ、ここ…」「そうだったのねぇ」と思わされることしきり。ただし、分厚いです…いくらクレストブックスが軽量にできていてもこれはもう、野暮(笑)





アーチが続く路地やそれぞれの表情を見せる扉、石畳。光と影のコントラストが美しい写真を見ているとアラビアンナイトの風景が浮かんできます。





吉村氏の延命拒否を述した津村節子(妻)氏の文章はモノトーンの本に淡い朱鷺色を感じさせてくれます。



辛い子どもの時代を人に語れぬまま今も苦しい想いをしている方へのエールであり、子どもに関わることの少ない大人たちに冷静に事実を伝える力にもなる作品。子どもを取り巻く環境は全ての大人の共感と理解なしには整えられないのです。



子どもが子どもでいられる時期は長い人生のほんの僅かな時間です。幸せの価値は人それぞれですが少なくとも安心して育つこと生きることに専念して欲しい。そう願わざるを得ません。



生きていくことすら保証されない数値がこの地球の子ども達の身の上に存在することを私たちは知らねばなりません





2センチ幅の世界でこんなに楽しく不思議な世界が繰り広げられるとは、もう「ヤラレタ!」としか言いようがありません(笑)。





絵本や文学作品の故郷が見える雑誌。 雑貨を見て、その国の歴史・文化や生活習慣を感じることができるのは、女性の特権なのかもしれませんね。とても贅沢な気分になりました。