百鬼夜行 陰
初の短編集である本書は各長編の余談を集めたもの。小泉八雲や泉鏡花的に純粋な怪談。このうち『川赤子』はデビュー作『姑獲鳥の夏』直前のエピソードで、男と女にとっての出産に対する意識の違いが気になってくる。
彼の作風を大雑把に説明すればオカルト系ミステリということになるが、 オカルトもミステリも性を巡る問…
本が好き! 1級
書評数:87 件
得票数:375 票
文学・サブカル・ゴシックを嗜むスキゾギーク/ブログ:悪魔が昨日、し忘れたこと。/『新文学』同人/ニュースサイト「リアルライブ」外部記者/ツイッター小説は約2,000篇。うち2篇『3.11心に残る140字の物語』掲載(内藤みか編/学研/印税は被災地に全額寄付)うち100篇収録『寝付けない時には (twnovel@shinichikudoh)』(Kindle電子出版)
初の短編集である本書は各長編の余談を集めたもの。小泉八雲や泉鏡花的に純粋な怪談。このうち『川赤子』はデビュー作『姑獲鳥の夏』直前のエピソードで、男と女にとっての出産に対する意識の違いが気になってくる。
彼の作風を大雑把に説明すればオカルト系ミステリということになるが、 オカルトもミステリも性を巡る問…
僕は基本的には視えない人なんだけど、ごく稀に視えちゃったりすることがあって、そういうものを完全に否定できないというか、視えた気がしても目をそらすようにしている。だから分かるような分からないような世界。
ショートショート小説を毎日1篇ずつ捧げることで、癌と闘病する妻を励ましながら最期まで見届けたSF作家の一途な愛。文学は作者と読者の共同作業によって完成するものであり、夫婦に勝る作者と読者の物語はない。
「妻と私」即ち「君と僕」つまり「セカイ系」
戦後最大の文芸評論家とされる著者は、学生結婚以来四十年連れ添った慶子夫人に癌で先立たれた直後、本人も…
帯文によると10万部突破したそうです。ディベート術が中心で和製サンデルな印象。日本人向けという意味ではサンデルより僕ら向きに思える。アメリカ的な思想ってあるから。
これは僕のバイブル的な作品というか、安達哲は「ちばてつや賞」を受賞したデビュー作から読んでて。痛みの分かる人。講談社BOXから出て「なるほど確かにレーベル的に近いスタンスのテイストだよね!」と思った。
映像が織り成す光と影の狭間の空隙
三十代前半を映画雑誌『キネマ旬報』編集者として過ごした著者は、三五歳で退社してから評論家になるが、三…