サンカ生活体験記



 
  

日本の謎の民サンカについての研究書である。著者は子どもの頃にサンカで育てられたという。実体験があるところが、本書のユニークなところである。
矢切止夫『サンカ生活体験記』(作品社、2003年)は日本の謎の民サンカについての研究書である。著者は…

					本が好き! 1級
					書評数:3170 件
					得票数:15365 票
					
歴史小説、SF、漫画が好き。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』はマンションだまし売り被害を消費者契約法(不利益事実の不告知)で解決したノンフィクション。



 
  

日本の謎の民サンカについての研究書である。著者は子どもの頃にサンカで育てられたという。実体験があるところが、本書のユニークなところである。
矢切止夫『サンカ生活体験記』(作品社、2003年)は日本の謎の民サンカについての研究書である。著者は…




 
  

ハンニバルと言えばアルプス越えが有名であり、兵士に不可能事も可能と思わせるカリスマ指導者というイメージが強い。これに対して本書はハンニバルを優れた作戦を立案することで兵士には楽をさせる指導者と描く
佐藤賢一『ハンニバル戦争』(中央公論新社)は第二次ポエニ戦争を描く歴史小説である。第二次ポエニ戦争は…
 
  



 
  

本書はギャンブルの勝負運だけでなく、人生全般に通用する運を味方にする方法を論じる。それでも、やはりカジノという日本には存在しない特殊な空間の経験談が面白い。
片桐ロッキー寛士『運を味方にする カジノで一晩10億勝つ人の法則』は強運を引き寄せる方法を伝授する書…



 
  

生産ありきではなく、交換ありきで考えるならば、交換できないほどの生産の無意味さを認識できる。過剰生産、過剰供給の抑制の思想にできるのではないか。
柄谷行人『世界史の構造』は世界史を交換様式の観点から根本的に捉え直す書籍である。交換様式から社会構成…

東急不動産FJネクスト不買運動が果たす役割の一つは他の運動が扱わない課題を取り上げることである。悪徳不動産業者告発の言葉は吐き出さなければならない。
林田力『東急不動産FJネクスト不買運動』(枕石堂)は東急グループとFJネクスト(株式会社エフ・ジェー…



 
  

患者や遺族は医者や病院とは圧倒的な格差、情報の非対称性が存在する。捜査ミスをした警察官が罰せられないなど著者の警察批判には同意するが、医療過誤の民事訴訟で医者が被害者意識を持つことには賛成できない。
海堂尊『カレイドスコープの箱庭』は医療ミステリーである。『ケルベロスの肖像』の後日談である。但し、『…
 
  



 
  

戦前の女学生はフランス文化に憧れていた。決して偏狭な国粋主義者ではなかった。一方で戦陣訓のようなものも素直に受け入れていた。戦後のイデオロギー対立のように反戦平和か否かと単純に割りきれる話ではなかった
玉岡かおる『ウエディングドレス』は戦前戦後を生きた二人の女性の物語である。綺麗な花嫁姿に憧れ、戦後は…



 
  

美味しいものを提供しているから売れて当然という事業者の思い上がりを戒めるところにある。実際、著者は消費者をよく研究している。生産者主導ではなく消費者主導の経済に合った考え方である。
正垣泰彦著、日経レストラン編集『おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』(日経B…



 
  

サンダース支持者はサンダース氏を保守でもリベラルでもない第三極として期待している。しかし、支持者の期待とは裏腹にサンダース氏の立ち位置は実はリベラルの王道、リベラルの正統な継承者と言えるかもしれない。
バーニー・サンダース著、萩原伸次郎監訳『バーニー・サンダース自伝』(大月書店)はアメリカ大統領選で旋…
 
  



 
  

本書は塩分取りすぎを戒める。注意点として塩分には依存性があると指摘する。ご飯派かパン派かと聞かれれば、ご飯派になる。調味料よりも素材そのものを味わうことは和食の楽しみ方である。
島田和幸『専門医が教える高血圧でも長生きする本』(幻冬舎、2016年)は、高血圧を招く生き方、生活を…

戦後日本では資本主義者も含めて五ヵ年計画など全体最適の追求が個別最適よりも素晴らしいという発想があるように見受けられる。それでは全体のために個人が犠牲になるという特殊日本的集団主義を克服できない。
柄谷行人『世界共和国へ 資本=ネーション=国家を超えて』(岩波新書、2016年)は資本、ネーション、…



 
  

当時の欧米人にとって日本の政治は理解困難と思われるが、本書のブリュネらは自国の封建時代と重ね合わせることで、かなり正確に理解している。文明人には理解できない野蛮人という傲慢さはない
佐藤賢一『ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネ』(文藝春秋、2015年)は幕末の江戸幕府フランス軍事顧問…



 
  

復讐者の主張には正邪が逆転した正論がある。AIは真実を第三者が検証可能な形で明らかにする。それは警察の死因見過ごしを暴くだけでなく、医療過誤も暴くものである。それがフェアというものである。
海堂尊『ケルベロスの肖像』(宝島社、2012年)は医療ミステリー小説で、桜宮サーガの一作である。本書…



 
  

イスラム国に対しては、何故あれほど残虐になれるのかという疑問を抱く。本書はイスラム教の教えや宗教の原理主義に理由を求めることを戒める。逆にヒトラーやスターリンらも残虐であったとする。
高橋和夫『イスラム国の野望』(幻冬舎新書、2015年)はイスラム国について解説した新書である。タイト…



 
  

江戸時代の被差別民は明治政府の身分解放令によって形式的には「解放」されたが、それが差別の解消にならなかったことは言うまでもない。逆に職業的な特権を失った多くの被差別民は時代の波に翻弄される。
塩見鮮一郎『弾左衛門とその時代』(2008年)は江戸時代最後の穢多頭(えたがしら)である十三代目弾左…




 
  

パレスチナ問題で見落とされがちなアラブ系イスラエル人の苦しみにも目を向けている。アラブ系イスラエル人は決して優遇されている訳ではない。逆にパレスチナ自治区の方が相対的には自由な空気があると感じている
高橋美香『パレスチナ・そこにある日常』(未来社、2010年)はイスラエルの占領に苦しむパレスチナの人…



 
  

どう見てもビッグ・マムは悪役風である。差別はないが、支配抑圧のある社会、多様性が否定される社会というような深い世界を描こうとしているのかもしれない。
尾田栄一郎『ONE PIECE 82』(集英社、2016年)はゾウ編が一段落し、ルフィ達はサンジを取…



 
  

ヤクザにはヤクザなりの美学がある。この点でヤクザは半グレ・ヤンキーなどとは大きく異なる。半グレ・ヤンキーが否定すべき社会悪、反社会的勢力である一方で、ヤクザには本書のように語られる魅力がある。
本多靖春『疵 花形敬とその時代』(ちくま文庫)は戦後昭和の伝説的なヤクザ、安藤組の幹部である花形敬を…



 
  

百姓一揆は村や家に所属し、領主の御仁政にあずかるべき正統性のある運動であった。言わば既得権擁護の運動である。これに対して無宿は封建体制そのものを動揺させ、変革させる力を持つ。
阿部昭『江戸のアウトロー 無宿と博徒』(講談社、1999年)は江戸時代のアウトローである無宿と博徒に…
 
  



 
  

白米やパンなども避けるべきとする。代わりに肉や魚は食べていいというユニークな主張である。本書は糖が不要なだけでなく、中毒症状を引き起こすと指摘する。脳内麻薬が分泌され、やめられなくなる
西脇俊二『難病を99%治す技術』(実務教育出版、2016年)はガンや糖尿病、アトピーなどの難病を治す…