大奥から幕府を支えた権力者・松島の実像を浮かび上がらせる一冊

2025年のNHK大河ドラマ『べらぼう』では、冨永愛さん演じる江戸城大奥の権力者、高岳の幕府の裏の権…

マスクの起源はクビライ？　キリンもアフリカから？　モンゴル史の専門家が集めた「捨てるには惜しすぎる」36話

先日、天理大学附属天理参考館が所蔵するモンゴル帝国初代皇帝チンギス・カンの男系子孫であるチェチェン…

平安京を様々なエピソードから立体的に描き出す一冊

平安京の名称は、「平らかに安らけき都」という意味だという。そこには永住の都として計画された藤原京が数…

オーガスト・ダーレスとドナルド・ワンドレイ、そしてかれらが立ち上げたアーカムハウスの功績に光を当てる

改めていうまでもないことだが、TRPGやアニメ、マンガ、小説などの日本サブカル史において、今ほど「…

容赦なさと人生への希望が同居するミステリー&家族小説

どこまでも悲哀と容赦のない無情さに満ちつつも、ラストで人生への希望を高らかに謳い上げる一作だ。 作…

ラヴクラフトへの愛憎半ばする思いを込めて「レッド・フックの恐怖」を語り直した傑作ホラー

『ブラック・トムのバラード』は1972年生まれのアフリカ系アメリカ人作家、ヴィクター・ラヴァルによる…

新天地を目指し地球を出発して347年、世代宇宙船《ノア》で起きた連続異常殺人事件を追うSF

本書『果てなき護り』は、フィリピン・マニラ生まれのデイヴィッド・ラミレスによる長編デビュー作である。…

空に浮かぶ島と化した世界で繰り広げられるワンダー冒険SF

『落下世界』は大学で心理学の教師を勤めた後、専業作家に転身したSF作家ウェル・マッキントッシュの本邦…

無味乾燥な英単語ではなく、ちゃんと生きた英単語を学んで貰おうという意欲が見える単語帳

本書の概要 本書はJリサーチ出版から発行された、いわゆる英単語集。 書籍としての単語帳を手に…

戦地を舞台に調教師（ハンドラー）と元・軍用犬、そして鋼鉄の犬が活躍する異色のミリタリーSF長編

本書『鋼鉄の犬』は、数多くのラノベや架空戦記を手掛けてきた富永浩史によるミリタリーSF長編。舞台を内…

日本で見ることができない野生のオオカミの本当の姿を知ることができる一冊

昼寝をしていた小家族のオオカミの群れが目を覚ます。エネルギーに溢れた彼らは鼻を舐めあい、互いの身体を…

生きていてよかった！　〈移動都市クロニクル〉8年越しでついに完結！　文句なしのオールタイムベスト！

文明崩壊後の荒野を都市たちが疾走し互いを食いあうぶっとんだ未来世界を描いた〈移動都市クロニクル〉の実…

死と隣り合わせのナチス強制収容内で育まれる少女たちの信頼と友情

本書は、エリザベス・ウェインによる、過酷な運命に抗う女性パイロットの物語である。 エリザベス・ウェ…

アイルランド人作家の新人らしからぬ力量に舌を巻く、謎が謎呼ぶ失踪ミステリの秀作

「はじめに」 舞台はアイルランド第二の都市コーク。映画シナリオライターを夢見ているアダム・ダン…

ヴィヴァルディの手稿譜が辿った200年に渡る数奇な流転の歴史を、史実を基に描き出したノンフィクション・ノヴェル

1741年、バロック音楽の巨匠、アントニオ・ヴィヴァルディはウィーンで客死した。 かつて一世を風靡…

現代アメリカの黒人社会とそれを取り巻く厳しい現実を、幼馴染の理不尽な死を経験した少女の瑞々しい視点で描き出す

物語の語り手である16歳の黒人少女スター・カーターは、12歳になった時、両親からふたつの話を聞かされ…

暗い創造力をいかんなく発揮させた人間の残虐性を展示する、まさに「処刑博覧会」というべき一冊。

歴史書を読んでいると、無数の「死刑」や「処刑」という単語を目にすることになる。だが、罪人とされた人々…

2017年のベスト本、〈アイアマンガー〉三部作の完結編！ 3冊を揃えての一気読みを強く、強く、強くオススメ！

フィクション、ノンフィクション問わず、2017年に読んだ本の中でもトップクラスに面白かったのが〈アイ…

ロードノベルという古典的な形態を取りながら、誰もが避けることのできない「老い」と「最後をどう迎えるか」という現代的な問題を鮮かに描き出す一作です。

ひと月ほど前、義父がこの世を旅立った。 高齢だったので、年齢相応の衰えはあったものの、認知機能はし…

tl;dr「ろくでなしの代名詞だったセバスチャンが大変身」「シリーズファンならずとも文句なしにオススメ」「次巻のストーリーも激気になるラストつきです」

tl;dr(長い3行で) ろくでなしの代名詞だったセバスチャンが大変身。 シリーズファンならず…