安部公房全集 6 1956.3-1957.1




この全集を編むにあたって、完全編年体を採用したことによって、明らかに小説や戯曲の解像度がぐんと上がっていると思う。 この全集を読んで行くことにはそうした喜びがある。
安部公房の娘ねりの著書『安部公房伝』を読むと、ねりのいかに自分が父より頭がいい人間かという自慢ばかり…

本が好き! 1級
書評数:607 件
得票数:7949 票
#名刺代わりの小説10選
「ユリシーズ」/「百年の孤独」/「砂の女」/「苦海浄土」/エミール・アジャール「これからの一生」/「失われた時を求めて」/「城」/「ダロウェイ夫人」/「薔薇の名前」/アンドリッチ「ドリナの橋」
#短編を10作品選んで史上最高の短編集を作れ
◯目取真俊:「群蝶の木」
◯島崎藤村:「ある女の生涯」
◯深沢七郎:「楢山節考」
◯黒島伝治:「橇」
◯フロベール:「純な心」
◯ナボコフ:「ロシアに届かなかった手紙」
◯ カテリーナ・モートリチ:「天空の神秘の彼方に」
◯ チェーホフ:「六号室」
◯カフカ:「流刑地にて」
◯ゴーゴリ:「外套」
読書メーター:https://bookmeter.com/users/301241
蔵書は、ブクログで
https://booklog.jp/users/maigret
twitter:https://twitter.com/munounohito1991




この全集を編むにあたって、完全編年体を採用したことによって、明らかに小説や戯曲の解像度がぐんと上がっていると思う。 この全集を読んで行くことにはそうした喜びがある。
安部公房の娘ねりの著書『安部公房伝』を読むと、ねりのいかに自分が父より頭がいい人間かという自慢ばかり…



そうだ、この本は「大人の絵本」なのかもしれない! と、この雑誌のコンセプトらしきものに、今頃思い当たった。
◯「猿のあいさつ」(柴田元幸): 【探偵小説は、僕の初期読書体験のなかで重要な位置を占めています。…




蒋韻「朗霞(ランシア)の西街(シージェ)」: 端整で哀切な物語だ。 思いがけず心を動かされてしまった。 この作者の小説をもっと読んでみたい。
徐 則臣「モロッコ王子」: 2015年に発表されたこの物語には閉塞感が色濃い。 主人公の俺も仲間…




![レペルトワールII [1964] (II [1964]) (ミシェル・ビュトール評論集)](https://m.media-amazon.com/images/I/41P3q-dYLRL._SL160_.jpg)
本書は、僕を『レ・ミゼラブル』をはじめとするユゴー作品や、『ガルガンチュワ』などのラブレー作品の方へと背中を押してくれた。 その意味で、本書が一冊の優れた「モビール」であることには疑いがない。
立教大学で開催された 「20世紀フランス文学の検証—ミレイユ・カル=グリュベールの文学批評を中心にヌ…




「棒」:大好きな戯曲「棒になった男」の小説版。びっくりするほど短い。 「開拓村」:中部地方のある開拓団の苦闘を描いたこのラジオ・ドラマには珍しく引き込まれた。
◯「棒」: 大好きな戯曲「棒になった男」の小説版。 びっくりするほど短い。 【むし暑い、あ…



ビュトールの作品「雪 ブルームフィールドとバーナリーヨのあいだで」が掲載されているので手に取った。
しばらく本が読めないでいたが、今回はどうやらNHKラジオ「らじる★らじる」で聴いた《朗読の世界 夏目…



これはひどい!恥ずかしいほどの出来栄えだが、ええい、ままよ! 我が身の無能はや紛れなし!
これはひどい!恥ずかしいほどの出来栄えだが、ええい、ままよ! 我が身の無能はや紛れなし!/ …



僕には世評ほど素晴らしい作品とは感じられなかった。そんな中でお気に入りは、家庭の事情で縁談を諦めた料亭の仲居、良枝を描いた「かげ」だ。
佐田稲子の「キャラメル工場から」のことは、たぶん五、六年前の「夏の文学教室」で聞いたのが初めてだと思…





NHKの「こころの時代〜殉難者の祈り〜」を観て手に取った。番組は北海道開拓の過酷な労働現場で亡くなった「殉難者」たちのことを描いたものだ。「殉難者」の内、本書では「タコ」について掘り下げている。
NHKで放送された「こころの時代〜宗教・人生〜殉難者の祈り」を観て、本書を手に取った。 番組は北海…





「人民の敵」:発表後140年経っても極めて今日性に富んだ作品だ。今後も、永く読み継がれて行くべき作品だと思う。
収録作品:「人形の家」、「幽霊」、「人民の敵」、「野鴨」、「ロスメルスホルム」。 ◯「人民の敵…




太平洋戦争末期の沖縄。 ある夕、島の浅瀬で貝を採っていた少女達の方へ対岸から数人の米兵達が泳いで来た。彼らは波打ち際の少女達のところまでやって来ると、小夜子を拉致しアダンの茂みの陰に連れ込んだ。
太平洋戦争末期の沖縄。 ある夕、島の浅瀬で貝を採っていた少女達の方へ対岸から数人の米兵達が泳いで来…




トリュフォーによるヒッチコックへの五十時間にわたるインタビューをもとに作られた本。 ヒッチコックはどちらかといえば、「職人」と呼ぶべき監督だと思うが、さてトリュフォーのご意見はいかに?
フランソワ・トリュフォーによるヒッチコックへの五十時間にわたるインタビューをもとに作られた本。 ヒ…




サルトルが自身の誕生から十二歳までを描いた自伝的フィクション。 サルトルは安部公房と並んで僕の青春の書だ。
サルトルが自身の誕生から十二歳までを描いた自伝的フィクション。 サルトルは安部公房と並んで僕の青春…





悪名高きウラジーミルPも、認知症が進み後継者に地位を譲り、田舎の別邸で暮らしている。その日常はいかに? ※特定の体質の方の消化を妨げる怖れがありますので、お食事の前後一時間には服用を避けてください。
二〇一四年のロシアによるクリミア併合後の二〇一六年に刊行された、二〇年後のロシアを舞台にした近未来小…





【私が育った奉天というところは、あの殺風景な満州の中でもとくに殺風景な町である。(略)ほこりっぽく乾いた、樹木の少い町。(略)黄色くにごった河。(略)町の南にひろがった小さな砂漠。】(「奉天」)
◯「飢餓同盟」: 僕と同年(1954年)生まれの作品。 安部公房のくせに、何回読んでもあまり印象…



本人と彼の三人の代表的異名者たちの代表作を収録している。 澤田先生が解説で言っているペソア・ウィルスという点で言えば、『不安の書』の方が数段多かったのではないか?
本人と彼の三人の代表的異名者(アルベルト・カエイロ、リカルド・レイス、アルヴァロ・デ・カンポス)たち…



そうそう、これが学生の頃、本屋で「現代詩手帖」を手にしたときに僕が出会った拒否だ。 とにかく、僕が知っている現代詩は何かかたいものだ。
そうそう、これが学生の頃、本屋で「現代詩手帖」を手にしたときに僕が出会った拒否だ。 あなたには「詩…



緑色の地に小さな白い貝殻をあしらった美しい表紙だ。 幼少期を描いた自伝的エッセイ「ブルターニュの歌」と「子供と戦争」の二篇が収録されている。
図書館の新着コーナーで見つけた本。 未読だし、なんとなく軽そうなので借りてきた。 緑色の地に小さ…





凄いな、これ!たしかに「象印賞」だ!もとい、「ゴンクール賞」だ。 モモのシニカルな視線で語られるパリの貧民街の人々は、あまりにもおかしく悲しい。 こんなに笑える純文学って、他にあっただろうか?
凄いな、これ! たしかに「象印賞」だ!もとい、「ゴンクール賞」だ。 こんなに笑える純文学って、他…





「芽むしり仔撃ち」: 学生の頃に読んでお気に入りの作品だったが、今読んでも断然良い! 濃密な描写が感化院の少年たちが疎開する山村の風景や匂いをものの見事に立ち上がらせている。
東京大学ヒューマニティーズセンター主催のイベント「大江健三郎のアルバイト小説を読む」(2024.8.…