生の短さについて 他2篇
「ストイック」という言葉に持っていた印象が変わった。セネカが現代に生きていればYouTubeやSNS、テレビなどで大いに語りそう。
うちの妻は何か調べものがあるとYouTubeを見ることが多い。ネット検索して記事を読むよりも、誰か…
投票(18）コメント(0)2025-11-09
マーブル さん
本が好き! 1級
書評数：1073 件
得票数：19944 票
文学作品、ミステリ、SF、時代小説とあまりジャンルにこだわらずに読んでいますが、最近のものより古い作品を選びがちです。
２０１９年以降、小説の比率が下がって、半分ぐらいは学術的な本を読むようになりました。哲学、心理学、文化人類学、民俗学、生物学、科学、数学、歴史等々こちらもジャンルを絞りきれません。おまけに読む速度も落ちる一方です。
２０２２年献本以外、評価の星をつけるのをやめることにしました。自身いくつをつけるか迷うことも多く、また評価基準は人それぞれ、良さは書評の内容でご判断いただければと思います。
プロフィール画像は自作の切り絵です。不定期に替えていきます。飽きっぽくてすみません。
書評 （1073）
自省録
善い人間のあり方如何について論ずるのはもういい加減で切り上げて善い人間になったらどうだ。
アウレリウスの『自省録』は、ストア学派の影響を受けたローマ皇帝の『武士道』である。 太田愛…
投票(14）コメント(0)2025-10-09
生き延びるためのラカン
「この世界は、こんなにも謎に満ちていたのか！」ラカンがわかるってことは、自分にとっての世界のありようが変わる経験でもある。
こころは言葉だけでできている。他の言葉との関係性のなかでだけ成立する意味。言葉どうしの関係と、その…
投票(20）コメント(0)2025-04-03
承認をめぐる病
承認を説明するにあたり、エヴァンゲリオンの登場人物、シンジ、アスカ、レイの三人を「ひきこもり」「境界性人格障害」「自閉症スペクトラム障害」として論じたあたりは本書のイメージに合致するのかもしれない。
「テーマが散漫でわかりにくい」 単行本が出版された当初、そんな感想が多かったようだが、著者…
投票(21）コメント(0)2025-01-25
パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集
最後にある事実を知り、見方がガラッと変わる。しかしながら価値が変わる訳ではない。
パパラギとは不思議な響き。見知らぬ、しかし忘れがたい。この言葉を最初に耳にしたのは、何年前か。ある…
投票(16）コメント(0)2024-09-22
進化しすぎた脳
あいまいこそが可能性
「記憶というものは正確じゃダメで、あいまいであることが絶対必要」 何故なら、記憶と完全一致…
投票(21）コメント(2)2024-07-14
生成流転の哲学
人生の大先輩が披露してくれた長年の考察の蓄積を前にあれやこれやと考えてみたい
「物体も、絶えず入れ替わる構成要素によって一時的に形成される渦のようなものであろう。（中略）われら…
投票(15）コメント(0)2024-07-01
ケーキの切れない非行少年たち
罪を憎んで人を憎まず。とは言え、犯した罪について不問とし、そこに至った原因だけを見ようとするのはなかなかにむずかしい。
日本社会は罪を犯した者へ向ける目が厳しく、罪を償うことばかり重視され、更生の道についてはあまり考え…
投票(19）コメント(0)2024-05-21
疑う、知る、考える 哲学をはじめる
哲学者についてではなく、哲学について学ぶ。誰かの思想について知り、憶え、学んだつもりになるのではなく、疑い、知り、考える。
学校で哲学を勉強するというと、過去の哲学者の思想の概要を記憶し、キーワードを暗記し、全体の流れを把…
投票(20）コメント(0)2024-04-23
いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか
職場におけるパワーハラスメントについて考えるにあたり、学校での「いじめ」が参考になるのではないか。そのような期待で本書を手に取った。
閉鎖的な空間の中での「かかわりあい」を強制することが「いじめ」の要因であり、学校の聖域化が市民社会…
投票(21）コメント(9)2024-04-14
ておくれの現代社会論
多くのテーマを扱っている故に、ひとつひとつはもう少し深い掘り下げを期待したくなるのも確か。しかし、誰かが書いた著作に答えを性急に求める行為で得られるのは、使い捨ての情報ぐらいのものだろう。
集合写真を見る時、まず自分のことを探してしまう。 よく言われることだが、無意識にそうしてしまう…
投票(13）コメント(0)2024-04-08
初版金枝篇（下) ちくま学芸文庫 フ 18-2
Ｊ・Ｋ・ローリングだって読んだに違いない、と思えてくる。読み方が間違っているかもしれないが、インスピレーションの宝庫である。
未開人は死をもたらすことなく魂が身体から抜け出すことができると信じている。肉体が死んでも、…
投票(21）コメント(0)2023-12-18
初版 金枝篇〈上〉
興味のない人には苦痛以外の何ものでもないだろう。しかし、興味がある者にはこれは宝の山のようだ。インスピレーションを呼び起こす宝庫としても興奮を禁じ得ない。
遠野市にある柳田國男展示館にはガラスケースに納められた『金枝篇』が展示されている。子供のころから読…
投票(19）コメント(0)2023-11-19
家族の痕跡 いちばん最後に残るもの
諸悪の根源ではあるが、ほかのいかなる人間関係よりもマシな形態。
便利であって不便。親密にして疎遠。多様にして単純。単純にして複雑。深淵に通ずる浅瀬。個別にして不変…
投票(19）コメント(0)2023-10-04
女ぎらい――ニッポンのミソジニー
「本書は多くの読者にとって(中略)不愉快な読書経験をもたらすだろう。なぜならそれは多くの男女が目をそむけていたいことがらのひとつだからだ。」
概念は概念であって現実ではない。 だが、概念は現実を説明し解釈する強力な武器になる。 …
投票(26）コメント(3)2023-09-14
ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)
上巻に登場した「社会的無責任」という言葉のイメージが逆転する。社会の方におかしな部分が多いのだ。それに対して責任など感じず、自分の思う通りに行動する。そういうこと。
テレビでやっている、有識者たちが集まって行う討論会のようなものを見ていられない。それぞれが好き勝手…
投票(17）コメント(0)2023-08-02
新書806中高年がキレる理由(ワケ)
ストレスは分かるが、やはりキレるのはみっともない。(猛省)
駅で駅員に注意され当たり散らす。 病院で待ち時間が長く暴言を吐く。 コンビニでもたつい…
投票(23）コメント(0)2023-05-05
水戸学事始
その広範囲な影響。水戸学にとどまらず様々に興味を広げてくれる良書。
尊王攘夷。倒幕。 幕末を扱った小説を読めば必ず目にする言葉だが、その旗印の意味を深く考えもせず過…
投票(19）コメント(0)2023-05-01
山月記・李陵 他九篇
『山月記』だけで中島敦を終えるのはもったいない
「大きな疑問が一つある。子どもの時からの疑問なのだが、成人になっても老人になりかかってもいまだ…
投票(25）コメント(0)2023-04-30
心理的安全性がつくりだす組織の未来
旧弊な体質の組織を変革する情熱を持った若い世代に読んで欲しい
心理的安全性とは「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」のことである。…
投票(19）コメント(0)2023-03-31