O・ヘンリー・ミステリー傑作選





「好きな作家は?」と聞かれて、「O・ヘンリー」と答えていた時期があります。そんな頃に手にした1冊です。
軽妙でひねりの効いた結末で知られる短編作家と紹介できるでしょうか。「賢者の贈り物」「最後の一葉」な…

本が好き! 1級
書評数:696 件
得票数:8271 票
学生時代は書評誌に関わってました。今世紀に入り、当初はBK1(現在honto)、その後、TRCブックポータルでレビューを掲載してました。同サイト閉鎖から、こちらに投稿するようになりました。
ニックネームは書評用のものでずっと使ってます。
サイトの高・多機能ぶりに対応できておらず、書き・読み程度ですが、私の文章がきっかけとなって、本そのものを手にとってもらえれば、うれしいという気持ちは変わりません。 特定分野に偏らないよう、できるだけ多様な書を少しずつでも紹介していければと考えています。
プロフィール画像は大昔にバイト先で書いてもらったものです。





「好きな作家は?」と聞かれて、「O・ヘンリー」と答えていた時期があります。そんな頃に手にした1冊です。
軽妙でひねりの効いた結末で知られる短編作家と紹介できるでしょうか。「賢者の贈り物」「最後の一葉」な…




「ーー私はここまでだよ、少年」(夏美)
映画を見たのは2019年の11月。映画の舞台となっていた「夏」をだいぶすぎてからでした。そのぶん、…





そもそも「総力戦研究所」とは、研究所なのか? 教育機関なのか?
猪瀬氏の数あるノンフィクションの中でも、最も読まれそして最も人気のある1作といってよいだろう。私も…





「よかったらボランティアのつもりで覗いてあげて」と、コンビニで渡されたチラシからはじまる「ご近所美術館」通い。ミステリーも面白いですし、何より場所の雰囲気も居心地よさそうなのです。
舞台は、泉岳寺にあるというペンシルビルの2階にある小さな美術館。常連の海老野君が語り手と謎解き役を…




・・・ではない沖縄をどう描くか?
樋口有介氏といえば、デビュー作「ぼくと、ぼくらの夏」に代表される10代後半〜20歳前後の少年を主人…




「誰が主人公か?」という謎解き。
柚木草平シリーズやデビュー作以来の「青春ミステリー」で知られる作家の新作である。本作も、それぞれの…




「美人の食事風景は殺伐とした世界を平和にする」・・・自分では思いもつかないし、真顔で言うことも難しいけれど、「一度、使ってみたらどうなるか?」と興味津々。
柚木草平。「永遠の38歳」を売りにする主人公のシリーズも、作を重ねてなんと30年。2019年に刊行…





はなて 胸の深くまで 刺さって 離れぬ 音になれ(「ツルネ」主題歌より)
高校弓道部の女子高生の1年生の9月から2年生の夏頃までの約一年を描いた物語。ミステリー扱いになって…





閉店書店に捧ぐ、授賞式がお待ちかね
同一著者による2つのシリーズ「成風堂書店事件メモ」と「出版社営業井辻智紀の業務日誌」とがコラボした…




神楽坂現代小説細見(その1?)
ここ十年くらいだろうか、神楽坂を舞台にした現代小説が目につくようになった。花街ということで以前から…




希望、「最後の恋」のかなり後の物語。
ルブランの手による「ルパンもの」の遺稿が発見公開されたというニュースが流れたのは数年前だったでしょ…





フェックラブルックのエリカはここにもいた。
本書を刊行する前後の時期、1年の3分の1は旅していたという著者による紀行文である。東欧を中心にしつ…





少年たちの終わらない夏
2015~2017年にかけて、「1、雲は湧き、光あふれて」「2、エースナンバー」「3、夏は終わらな…




少女たちは、きちんと卒業しているんじゃないかな。
元少女が描く少女小説、少女自身が描く少女小説、ときて、男性が描く少女小説として思い浮かんだのが本書…




こちらも、1980年・16歳の少女の物語です。
「でーれーガールズ」を読んでいた時に、まず思い出したのが本書です。偶然にも2作とも「1980年」を…





思い出は遠く、また近く
数年前に映画化された作品の原作です。残念ながら映画は未見です。映画のチラシを手にとったときから…





北の大地の大河メイド小説
人見知りで津軽なまりの強い16歳の女子高生が、青森市のメイドカフェでアルバイトをはじめてみたら、・…





追悼・池内紀さんを追いかけて
今年の8月30日、ドイツ文学者の池内紀さんが亡くなられた。むしょうに、さびしく、哀しく感じてしまっ…





「大統領の陰謀」を読んで「もやもや」した後に手にとってみた1冊。刊行は1995年なので、すでに20年前も経ってしまってはいる。しかし、これがまさしくもやもやへの「正解」といえる1冊。
日米の新聞ジャーナリズムを比較する場合、アメリカの「調査報道」をモデルとして「それに対して日本は・…




本書を「古典」と祭り上げたところで、何にもならないのだろう。
言わずとしれた、ジャーナリズムの金字塔。不可思議な窃盗事件をきっかけに、「ウォーターゲート事件」を…